見出し画像

びん

棚にたくさん並んでいる
びんを少し離れて眺める

今日は
何を作ろうか?

びんに手を触れながら
少し歩く

手に取ったのは
海が薫るびん

そこから中身を
また別のびんに移し替える

言葉を唱えながら
匙で掬って落としていく

本物の波のように
表面が泡立つ

繰り返される
波の模様

丁寧に蓋をして
包装する

これは故郷の
海が恋しいあの人へと贈ろう

明日きっと
訪ねてくる

そういう気持ちも
全て込めたから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?