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インド、野菜価格の上昇が一時的か、消費者物価指数は高め、しかし、政府・中銀の目標インフレ率に収まるか?

20240712 インディア・トゥディ 小売インフレ率、4カ月振り高水準、 6月は5.08%へと上昇。

要約訳:

6月の食品インフレ率は9.55%に上昇、5月の8.69%、2023年6月の4.55%から更に上昇しました。農村部インフレ率は5月の5.34%、2023年6月の4.78%から6月は5.67%へと上昇しました。

要約すれば、
6月の小売インフレ率は5.08%で4カ月ぶりの高水準、
食品インフレ率は5月の8.69%から9.55%に上昇、
5月のIIP(鉱工業指数;Indices of Industrial Production)は4月の5%から5.9%の伸び、
となります。

2024年7月12日(金)に発表された政府統計によれば、6月の小売インフレ率は5.08%に急上昇、年率換算では、先月5月の4.80%から4ヶ月ぶりの高水準となりました。

「全インド消費者物価指数(CPI)に基づく2024年6月の前年同月比インフレ率は5.08%(暫定値)です。農村部のインフレ率は5.66%、都市部のインフレ率は4.39%です。

6月の食品インフレ率は9.55%に上昇し、5月の8.69%、2023年6月の4.55%からも上昇。農村部のインフレ率は5月の5.34%、2023年6月の4.78%から6月は5.67%に上昇しました。

一方、都市部のインフレ率は5月の4.21%、2023年6月の4.96%、そして、6月は4.39%へと僅かに低下しました。

インド統計・計画実施省(MoSPI;Ministry of Statistics and Programme Implementation )が金曜日に発表したデータによれば、5月のインド工業生産指数(IIP)は5.9%増加。

CPI(消費者物価指数;インフレ率)は予想を若干上回りました。当面は食品インフレ・リスクが支配的であり続けるかも知れませんが、播種パターンの改善と雨の空間的な分布により、この不安定な数カ月を越えて、最終的には価格圧力が緩和されると予想されています。

コタック・マヒンドラ(Kotak Mahindra Bank)銀行のチーフ・エコノミスト、ウパスナ・バードワジ(Upasna Bhardwaj)氏は、「そうではあっても、目先のインフレ・リスクを背景に堅調な(景気が)成長による余力がある以上、中銀は金融緩和を急ぐ必要はないであろう」と述べました。

https://www.indiatoday.in/business/story/retail-inflation-crosses-5-per-cent-june-2565943-2024-07-12

私のコメント; インドでは一般的に、消費者物価指数(CPI)の計算を食品込みと食品込みでない場合に分けていません。しかし、食料・飲料の指数に占める割合は40%以上、と見られます。従って、野菜価格の上昇は、一時的現象ではあっても、インフレ率の上昇が、気になる所と思います。モンスーン雨量が予想より少ないと、農産物の播種にネガティブな影響を与えます。7月の降雨量が足りない場合には、農産物価格が数ヶ月高止まる可能性はあります。その意味で、目下の所、モンスーンの動きを関係者は注目している、と思われます。
一方で、工業生産指数の伸びは堅調と見られています。中央政府は目標インフレ率4%へ物価は収束すると見ている様ですから、その場合、7月の利下げは考え難い、と言うのが今の所のアナリスト達の見方である、と見られます。


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