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インドの各種インフレ予想の困難さと、政策金利決定の困難さと私のコメント。

20240811 マネー・コントロール 蔵相、インフレ目標から食品を除外する経済サーベイの考えから距離を置くと発言。

要約訳

この発言は、RBI(準備銀行・中央銀行)総裁がMPC(金融政策委員会)の決定後、食品インフ・レターゲットの重要性を強調した数日後の事でした。

ニルマラ・シタラマン(Nirmala Sitharaman)蔵相は8月10日、インフレ目標から食品を除外すると言う経済調査の考えから政府(の考え方)から距離を置きました。

「蔵相は、コア・インフレ率を金融政策見直しの目標とする事についての質問に対し、「調査(方法)は自由」、であると述べました。

蔵相は、インド準備銀行のシャクティカンタ・ダス(Shaktikanta Das)総裁とともに、予算後の会議で演説を行いました。

この発言は、RBI(インド準備銀行)総裁が、家計のインフレ期待が食料品によって固定されているため、食料品インフレをターゲットとする事の重要性を強調したその数日後の事でした。

「消費バスケットに占める食品の割合が高いため、食品インフレ圧力は無視できない」と、金融政策委員会の決定後の演説で総裁は述べました。

MPCは8月8日、インフレ率をRBIの目標である4%に戻す必要性を強調、政策金利を9回連続で6.5%に据え置いています。


インフレ率は3ヶ月ぶりに5.1%まで上昇、食品インフレ率は9.4%まで急上昇しました。


MPCは、ガイダンスの中で、第2四半期のインフレ見通しを3.8%から4.4%に引き上げました。通年のインフレ見通しは4.5%に据え置かれました。

専門家によれば、第2四半期のインフレ率は下振れする可能性が高いとの事です。

16人のエコノミストによる世論調査では、7月のインフレ率は3.6%と予想されていました。昨年7月のインフレ率は7.4%と高い数値を示していました。

7月22日に発表された経済調査では、食品価格の変動を考慮し、コア・インフレ・ターゲットの必要性が説かれました。現在、食品インフレはインフレ・バスケットの45%以上のウェイトを占めています。

新しい家計消費支出調査によると、2022-23年の家計の食料支出は都市部、農村部ともに40%を下回っています。

https://www.moneycontrol.com/news/business/economy/fm-distances-from-economic-surveys-idea-of-excluding-food-from-inflation-targeting-12792702.htm

私のコメント;インドでは、インフレ率全体と、農村部・都市部別の食品を除いたコア・インフレ率、及び、食品・燃料を除いたコア・コア・インフレ率の様な指標の予想を別々に公式に発表するのは難しいのでしょうか。確かに、農生産物の収量予測は天候に左右される度外が大きいので仕方がない、のかも知れません。また、灌漑・水利・作物家畜の病害・作物流通・市場構造・政府による価格保証などの農業関連インフラ条件が、合理的であるか、投資に見合って成果・効果が出ているかと言う点も、注目すべきだと思われます。これらの要素により、政策金利決定のメカニズムは非常に難しい、と言わざると得ないのではないか、と思われます。

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