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武知志英
2024年6月24日 10:52
第十五章 吉田たちに差し込む一筋の光明 井出がデジタル庁長官の濱田に対して医療DX勉強会のアジェンダの案を見せながら、勉強会の方向性や議論の進め方などを話し合っている間、蒼生たちはレセプトデータの活用についての議論を深めていた。 蒼井たちはレセプトデータを扱っている社会保険や国民保険の担当者にコンタクトし、アポイントをもらった。そして、その担当者にレセプトデータがどのように活用されている
2024年5月28日 18:27
第十四章 松坂と吉田のファーストコンタクト ある日、吉田が会議を終えて、自分の机に戻ってきた時だった。 吉田の机の電話が鳴った。内線からの電話だった。「はい、もしもし」「社長、厚生労働省の松坂さんという方からお電話です」「えっ、厚生労働省?そうか、つないでくれ」 電話の向こうの、吉田の会社の女性社員が、松坂を吉田に取り次いだ。「はい、お電話代わりました。吉田でございます」「吉田
2024年1月24日 19:17
第八章 同志となった吉田と蒼生中高年のぼやきは、ビジネスの種? 蒼生は母の葬儀から戻り、また仕事の日々が再開した。 その頃、蒼生の勤務先であるインフィニティヴァリューの社長の吉田は、社内に新たなプロジェクトの立ち上げを宣言し、そのメンバーの募集を告げた。 新たなプロジェクトは、医療のビッグデータを扱う新規サービスの開発から顧客の創出、そしてそれらを近い将来吉田の会社の事業の柱の一つに
2024年1月20日 19:40
第六章 スマートフォン越しの母子 蒼生が母とスマートフォンのアプリ越しに顔を見ることができたのは、その頃のことだった。 蒼生の父は高齢であることを理由に、携帯電話はガラケーだった。だが、蒼生の母はスマートフォンを使っていて、それにカメラで対面で話せるアプリを入れていた。 蒼生は父に頼んで、母の病室に入った時にスマートフォンのアプリでテレビ通話できるようにしてもらった。 蒼生の父は、自分が
2024年1月20日 19:37
第五章 父と母のひとときの儚い幸せ 退院後、蒼生の母の開口一番は「ああ、やっぱり家はゆっくりできる」だった。 蒼生の父は、自宅で妻と他愛の無いこんな話ができることを心から喜んでいた。 いつものように妻が作るご飯を食べ、妻と一緒に庭に咲くさまざまな花の手入れをし、休みの日には時折遠出をして、年に1回くらい県外に旅行に出掛けて・・・。 そんな日がまた戻ってくると、蒼生の父は信じて疑わなか