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エッセイ・詩など

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たまにぽかんと浮かんだ思いや言葉をエッセイ・詩にしています。 できるだけ、シンプルに伝わりやすい文章を目指して。
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#エッセイ

【エッセイ】警備員のおっさん

昨日は2年間お世話になった職場の最終日だった。 ノンフィクションのストーリーとして、心に残ったことをエッセイにして残しておきたいと思う。 ———————————————————— <今日の一曲> 憂歌団 / おそうじオバチャン この前ライブハウスで少し演奏したので憂歌団が頭に残ってます。代表曲的なこの曲、今回の内容ににぴったりなのでチョイスしてみました笑 おばちゃんじゃなくて、警備員のおっさんですがww ———————————————————— 警備員のおっさん お

【エッセイ】人事発令の季節に想うこと

6月17日。 ちょうど7月まで2週間になり、出向元の会社でも人事発令があった。 1年前の5月から新しい環境になり、丸っと1年ちょいも経つと、すっかり親元会社のイベントも懐かしい感覚になる。 この一年間はというと、僕にとって人生初めての経験となる、ほぼ転職に近い職種の違った仕事に従事している。 いままでは部署が変わったり、支店に行ったり、グループ会社に行ったりが自分にとって”異動”だったけれど、今回は仕事内容だけでなく、肩書きや連絡先やらメアド、上司や同僚までもが全く新しい違

【エッセイ】憂鬱な雨のなかで晴れを想ふ

「まだ梅雨にもなってないのに、雨の日が多いね──」 そんな朝の会話から、相方をおくりだして、ひとりでいつもの散歩道を歩いている。 道端のあじさいの花たちが、昨晩の雨をたくさん浴びて、うれしそうに笑っているようにみえる────── 雨の日。 低気圧で少し憂鬱な気分になるのは人間だけなのかもしれないな、とふと感じた。 テレビをなくしてからほとんど見なくなったが、 ニュースでは「あいにくの空模様・・・」とか「悪天候による・・・」「週末は雨で残念・・・」などなど、 相変わらず

【エッセイ】“謙虚”になること

週明けの朝の少し憂鬱な気分のなかで───。 歩きながら顔を上げて 朝の光を額で受けとめると 少しあったかくなって あらためて目が覚めてくるような感覚になった。 道端のベンチに荷物をおいて、 傍にある花壇の花をしゃがみこんで撮影しているおばさんが目にとまった 時間が止まったような空間の中で お花畑の中にいるような空気が流れている しばらく歩いたあと、僕も思わず立ち止まって 道端にある草花に目を落として眺めていた────── すれ違う人たち。 あらためて意識すると、僕よりも

【エッセイ】心の会話

流れゆく季節の風を感じて 生まれ育った町の景色のなか 足早に歩く道── 久しぶりに顔を合わせるから 何となくイメトレを繰り返しながら 黙って歩いていた。 家に着くと── 庭先では弟と姪っ子が草むしりをしていて どうやら朝から3時間以上もしていたようで 縁側でカップ麺とお茶を飲みながらお昼休みしている。 化学療法の治療中だから 家の中にははいってないんだという。 「めっちゃたくさん草むしりしたから、ゴミ袋4つもあるでな」 「木曜日のゴミ出しの日にゴミ捨て場に出しといてくれ

信念

自分が自信を持ち、思いを持ってやっていること。 相手やまわりにとって どこまでわかってもらえているんだろう─── ほとんどは、見向きもされず、気づかれもしない。 かといって、 アピールして承認欲求を満たても意味もなく、 自分のためにと思っても、自己満足にしかならない。 ひとはひと、自分は自分なのか─── 他人のためにと思い、取り組むことも 時には余計なおせっかいになっていたり、 手取り足取り世話することも その人の成長に繋がらなかったり、 自分の思いをむき出しにする

【エッセイ】背筋を伸ばして

四月も三週目になった、 新年度の始めは、やっぱり一日一日が長く感じるものだなぁ、 と思いながら、 朝の通勤のいつもの道を、少しゆっくりと歩く。 サクラの花びらも、もうほんの少ししか残ってなくて、 その分、春の息吹に誘われて出てきた若い緑の葉っぱが鮮やかに生き生きして見える。 ──────────── ──先週の日曜日、近所のいきつけの焼肉店に、家族と親友3年ぶりくらいに予約して訪問した。 僕は他の仕事の関係でちょくちょく利用してるママとの会話が楽しいお店。この辺りに引

今週は少し長く感じるな🌸

今年の四月は月曜日からはじまり。 新しい年度になり、うちの職場では半分以上のひとが入れ替わり、新しいひとが10名以上着任した。 なんだか別の職場にきたみたいな不思議な雰囲気。 残った数少ない方になった僕も、今月末でまるっと一年となる。先週まで、まだまだ新人のように思っていたのに、急に周りからベテラン扱いされると、調子にのって先輩面してしゃべっている自分がいたりして、面白いなと感じていたり。 三日目の今日は、まだまだ業務説明もはじまったばかりの段階で、新人の人たちは様子見しな

【エッセイ】朝の月

朝五時半に起きて ベランダにでてストレッチしてると 四ツ谷駅の大きなビルのうえに ぽっかりと白いお月さまが浮かんでいた ちょっと前までこの時間は薄暗かったのに もう青空が眩しくひろがっている 昨日はお昼汗ばむくらいの陽気だったから 一気に春から夏になったみたいな感覚 さて、 Tシャツとパーカーでラジオ体操でもいってこようかな 今日で三月も終わり 明日から新しい年度、新しい仲間たちとの仕事がはじまる 今日も新しい一日がはじまった 穏やかなよい一日になりますように

【エッセイ】いろんな町の空気を吸い込んで

いろんな町の空気を吸い込んで いろんな町のいろんな人たちと出会い いろんな話に耳を傾ける そこにはたくさんのストーリーがあって その人の今まで生きてきた人生のシーンが いろんな場所に息づいている ある地方の町の再開発プロジェクトで 数年前まで動物園があった場所を訪れた すごく広い敷地は人も動物もいなくなってから放置されてきたから だんだん自然の環境に戻ってきていた 所々にいろんなオブジェや遊具が草木に混じって埋もれていたり 小さい頃からこの辺りで育った方々と一緒に歩いて

雨の中で

寒さも少し和らいだ空気のなか しとしとと柔らかな雨が降り注ぐ ここ数年、妙に晴れ男になった僕 今年も傘をさして歩いた記憶はほとんどなくて 仕事に向かう道のりを傘をさして歩いているのは今年初めてかも知れない 雨の日用の靴を履いてきたから しっとりとしたアスファルトを踏みしめながら 歩く足どりは軽くて心地よい 週末に思いつきで 先週に温泉のエキスパートの方に教えてもらった 群馬県にある四万温泉というところに小旅行に出かけてみた 千と千尋の神隠しのモデルになったといわれる古い

もっと・・・

何かできることはないのか 何かもっと、大切なひとを支えるためにしてあげられることは 自分はひとのために変わってこれたんだろうか ひとに自分の知識や経験を押し付けているだけで ひとを変えようとしているだけじゃないか 溢れる思いと感情で 必死になっている自分と向き合ってみると 余裕がなくなっていて 全く逆のロジカルなことを並べ立てて なんとか自分を納得させているだけで かといって 黙って賢者のようにふるまうこともできず 溢れる思いと感情にまかせて ふるまうほど若くない 自

時は後もどりすることなく流れている

時は後もどりすることなく流れている 目の前にあることを見つめると 頭の中考えていることは 決して目の前に現れないことだとわかる 未来は予測できるわけもなく ただただ、 目の前にあることの連続だということを わかっているつもりでいるようで また、頭の中で何かを考えようとしている ひとからどう思われているか考えても ひとは驚くほど自分のことをみていないことに気づく ひとのことを考えていても 気がつけば自分のことを考えていることに気づく 偶然の出来事に背中を押されて 一歩踏

生命の鼓動

1時間以上早くついた病院。 だだっ広い駐車場には数台の車がいるだけ 「まだ時間あるで、少し歩いてくるわ・・」 「一緒にいこか、海沿いに風車があるでみにいくか」 親父と僕は寒い風が吹く中、広い大学病院の駐車場からキャンバスを通り抜けて、奥の方に見えていた風車の方に歩き出した。 「お母さんは近くの百貨店に来るのが好きでな、よく連れてくるんやわ」 「おれはやることがないから海岸の方まで歩いてきてハーモニカの練習をたまにしとるんさ」 そんなことを言っている親父の方は見ずに早歩