題名 「寒晴の刻」
身が引き締まるような
厳寒に覆われて
全身へ伝わってくる
凍えるような季節は
肌に痛みを
感じるほどの大寒。
歩くたびに
白い息が空を舞い
進んでいくごとに
この身体は少しずつ
感覚を忘れていく。
両手へ吐き出す深い息と
そのまま見上げた空に
冬の真ん中へ立つ自分が
この場で一人佇む。
見渡す彼方には
オレンジ色の朝焼けが
ゆっくりと
起き上がるように
この空へ昇ろうとしていく。
寒き冬へ訪れた陽の光に
辺りはゆっくりと包まれながら
遥か遠くまで澄み渡り
眩い光がこの地へ降り