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私は自分が日本人であるということ、また、日本人の感性をもって制作することを大切にしています。 私が考える「日本的な感性」とは、一言で言うと 「常に緊張感のある調和」 です。 それは非常に洗練された文化だと思います。 融和でも迎合でもなく、もちろん戦いでもありません。その本来の日本人の絶妙なバランス感覚は大変高度なものだと私は思っています。 日本文化の特質はいわゆる「花鳥風月」の「形式」のなかにあるのではありません。 なぜなら、花鳥風月というのは、砂漠なら砂漠の、
工芸に分類される仕事は、分野を問わず必ず素材の影響を強く受けます。 それは制約ですが、同時にその分野の特性、魅力でもあります。 私の仕事だと、それを最大限に活かすこと、それを文化的逸脱なく発展させることが「現代行う染と文様」の仕事の価値だと思っています。 それと 「文様は絵画でなく、文様独自の洗練された美しさがある」 と考えています。 現代、プリント技術や染料、機材の発達によって素晴らしい染物が大量生産されている時代です。 また、絵を描くように自由に染められる染