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心の航海図

私は読書が好きです。作者の方の考えや心が知れるので好きです!自分もこうなりたいなあ、よし!もっと頑張ろう!と思わせられるので好きです。
→あと個人的に活字にときめきを覚えます笑

特に人生の大先輩の書くものは圧倒されます。(この世に出てる本は私にとっては全部年上の方が書いたものですが笑)






思い返してみると小さい頃、
長く生きているというだけで何がそんなに偉いのか!と考えたことがありました笑

小学校までは歳関係なくちゃん付けで読んでいたのに中学に上がると急に先輩だから敬語を使え、呼び捨てにせず先輩と呼べと言われたのが違和感だったのが懐かしいです






今考えると、長ければ長いほど、人間としての圧倒的な質の違いを感じます。
大人ってすごい!尊敬の眼差し(´∀`)

そんな人生の先輩に対する敬意を普段の言葉や呼び方で示すことができるというのは日本語の素敵なところだと思います。






前置きが長くなりました。
感想書きます!



心の航海図 

遠藤周作著 1994初版発行


新聞に連載された随筆集ということで、90年代初頭の時事ネタがメインなのではと思います。内容は多岐に渡っていて、医療、宗教、深層心理、人生、政治、そして文学などの内容を通して遠藤さんという方が見えます。


遠藤さんがどんなことを考え、何を思っているのか。勿論一部ではあると思いますが一つ読み終わるたびにその内容と細かい文章や言葉から遠藤さんの息づかいを感じました。


私の場合何を見てもそうですが、生きてきた時代が違います。考えてきたことや感じてきたことが違います。まだ私は20歳で、会社で働いたこともありません。戦争について、話でしか聞いたことのない学生です。戦争の時代を過ごされた、その「心」を知りたいと思っても同じ時間を過ごしてきた人でないと本当の意味で理解するというのは難しいように思います。逆もまた然りですが。





こんな内容がありました。

よく放送されている食べ物を扱う番組を見て喜ぶ若者たちがいるのは仕方ないのかもしれない。けれどアフリカやインドの飢えた子供が見たらどう思うのか、を考えるという思いやりを持ってほしい。





私は食べ物を残さないよう意識してきたつもりでしたが、テレビ番組について仰っている部分を読むまではそれについて考えたこともなかったのです。



私はこの二つを、心から思って生きてきたわけじゃない、というのを気付かされショックを受けたと同時に、私の中で食べ物に対しての認識を改めた瞬間でした。


ですが


認識を改めたり、ただ感動するのは誰にだって出来る。それが心の奥底に根を張って自分の一部にするにはどうしたら良いのでしょうか。



きっと多くの人は私と同じようなことを思っても、1週間も経てばきっと何も考えずお腹が空いたら好きなものをいっぱい食べ、食べきれなかったら少しだけ申し訳なくなりながら捨てるのでしょう。


無意識に



「無」意識が一番悲しい。



そう感じました。





それともう一つ



日本の若者向け映画は原作漫画の作品がアニメ化され、それが実写映画化されるのが主流ですよね。


私は漫画がアニメ化されるのはいいと思うのですが、実写化は全然話が違うと思っていて、
ハリウッドのほうがマシだよね!とかもなく

この当たり前の流れがどうしたら止まるのか本気で考えていた時期がありました。笑
(そういう方は多いと思います)



私にはどのような経緯で実写化しているのか、作者の方や映画制作に携わる人の間で何が起こっているのか分からないので


まあ私は見なければいいや
とだけ最近は考えていました。



最初にお話しした、「沈黙」という作品も、実写化され、オペラ化されました。

遠藤さんは原作をどれだけ忠実に再現できるかではなく、映像化した作品、舞台化した作品はまた別のものでその監督の作品になる。その監督の「沈黙」になるのだ。と仰っていました。




原作が好きな人からするとなぜ内容を変えて作るのか、実写化しても原作を超えなければ成功だとは言えない。と主張する人もいますが、それもまた一つの楽しみ方であるし、その作品がある人にとってはとても大切な作品になるのだとしたら、それ以上言うことはないんだと思いました。


ですが最近の作品を見ていると、お金儲けのために作っているんだということが分かりやすく表に出ている作品も多く感じるので、とても悲しい気持ちにもなります。












他にも沢山ありますが、是非ご自分で一度手に取ってみてください!
これは私と同年代の若い人にぜひ読んで頂きたい一冊です!






最後まで読んで頂きありがとうございます。

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