見出し画像

東京スカイツリーと同じ高さ 坂戸山トレッキング


かつて城郭だった坂戸山は登り下りとも片道1時間ほど

「坂戸山は、夏も秋も冬もいい。でも雪国だから、春が一番かもしれない」とガイドを務める青木きみ子さんは言う。トンネルのような長く暗い冬を抜けた春。坂戸山トレッキングの魅力は、遺構とカタクリの大群生がセットで見られることにある。「カタクリの群生地はほかにもありますが、国指定史跡とともに見られるところはなかなかないでしょう」。それは自然の産物ではない。城跡があったことから、この場所が人々によって守られ、カタクリの群生も残されたのだろうと青木さんは話す。里山らしいエピソードだ。さらに、遺構の辺りは平地になっていることから、まんべんなく日が当たり、一斉に花開くのだという。


ガイドの青木さん


 遺構と群生をセットで眺めるなら、城坂コースがおすすめだ。「3つのコースのうちで最も登りやすい」と青木さん。麓には平時の住居跡や石垣が残っている。一本杉を過ぎてしばらく歩くと、戦の時に籠城したという「桃の木平」。さらに頂上を目指すと、本丸の跡である曲輪、土塁、空堀が残り、戦国時代に不落といわれた山城の名残が見える。こうした遺構のそばには必ず、カタクリの群生地。「先人たちも同じ風景を見たのかなと思うと、感慨深いですよね」。
 同じ頃には、キクザキイチゲなどの山野草も見られ、カタクリが終わる頃には、南魚沼市の木でもあるタムシバがモクレンに似た白い花を付ける。その後はツツジ、タニウツギ、ナナカマド、フジと続き、初夏までは花見登山を楽しめる。「坂戸山は高山でなく、里山の延長。ブナの木が平地からあったり、植物以外にも生き物もいろいろ。トレッキングを通して、多様で自然豊かな雪国の里山に出合ってほしい」。トレッキングツアーはryugonでお願いできる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?