結婚して一年。トイレットペーパー事件で学んだこと。
ちょうど一年前の今日、私たちは入籍した。
この一年を振り返ってみれば、それはそれはいろんな思い出があって、とても語り尽くせないんだけれど、ひとつだけ私たちの思い出深いエピソードを話すとすれば、それは「トイレットペーパー事件」だ。
今思い出すと、笑うしかないようなしょうもない話だ。なんでこんなことになったのか不思議だし、今だったら防ぎようはいくらでもある。というより、悪いのは2000%私だ。でもそのときは、どうすることもできなかった。
そんな、私たちの新婚1年目のエピソード。
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少し前からハムスターを飼い始めた。名前は「すい」といい、ちっとも懐かないけどとっても愛らしいジャンガリアンハムスターの女の子だ。
ハムスターはケージで飼っているので、ケージ内の大掃除を一週間に一度やることになる。私が外出していたある日、その掃除を夫にお願いした。
帰宅してケージを確認したところ、たしかに綺麗に掃除されていた。ただ気になったのは、その近くに置いてあったトイレットペーパーのロール。おそらく、掃除するのに使ったんだろうなと想像できた。
そこで私も「何でトイレットペーパー?笑」くらいに留めておけばよかったのだ。そしてそのトイレットペーパーをまた戻しておけばよかったのだ。
でもふと、思ってしまった。
「トイレットペーパー、残り少なかった気がする…買いに行くのは私なのに…」と。
夫のもとへ行った私は、開口一番「何でトイレットペーパー使ったの?」と怒り口調で詰め寄った。
夫は一瞬驚いた顔をして「ハムスターのトイレも掃除したから…」と言い訳したのち、怒り出した。
ちなみに補足しておくと、夫は非常に温和でほとんど怒らない。私がどんなに予定を狂わせても、わがまま言ってコンビニにお使いに行かせても、笑って私に合わせてくれる、優しさの権化みたいな人だ。
その夫が声を荒らげて怒った。
当然だ。夫は「ケージが綺麗になってたよ、ありがとう」くらい言われると思っていた。まさか掃除をして怒られるなんて思っていなかっただろう。
だけど私は大きな声で怒られたことにショックを受け、また言い返してしまう。「そんなに怒らないでよ!」と。
そこからしばらく口をきくことはなく、不機嫌なまま夫は新しいトイレットペーパーを買いに行った。
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事件の顛末はこんな感じ。
どう語っても、圧倒的に私が悪い。夫がやってくれたことに対して感謝する前に、些細なことで怒ってしまったのだから。なぜ怒った私…と振り返ってみれば思う。(あげく、夫はトイレットペーパーを買ってきてくれた)
だけどこの事件は、私たち夫婦に、というより私に大きな学びを与えてくれた。
それは、誰かと一緒に暮らす上で大切なのは、想像力を働かせることだということ。
夫がどんな思いでやってくれたのか、なぜトイレットペーパーを使うに至ったのか。(実際には、トイレ掃除=トイレットペーパーという発想だったらしい。普通のティッシュでいいんじゃないかと思う私にはない発想だった)
少し考えれば簡単にわかりそうなものなのに、私は「トイレットペーパーを買いに行かなくちゃいけない」という自分の都合しか考えていなかった。夫の気持ちを考えることなく、開口一番怒ってしまったのだ。
誰かと一緒に生活するというのは、当たり前のことではない。お互い自然体でいられる関係性だったとしても、最低限の気遣いは必要なのだ。
夫はいつも私に気を配ってくれている。なのに私ときたら…
そう気づけてよかったと思う反面、自分の未熟さにがっかりした。32歳にもなって、こんなことすらできないのか…と。
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結婚生活は、とても楽しい。
夫は優しくて明るくて、いつも私を笑わせてくれるし、私の話を聞いて楽しそうに笑ってくれる。
夫は仕事で京都を離れることはあるけれど、毎日連絡をくれる。一緒にいる日々は、毎日「大好きだよ」と言ってくれる。
こんなに幸せなことはない、と思う。
それでも人は、ふとしたときに甘えや傲慢さが出てしまう。それが積もり積もれば、お互いの関係に修復不可能な傷を残す。
夫婦といえども、違う人間同士。生まれた環境も育った場所も違う。暮らしの中にある“当たり前”も価値観も違う。
それを自覚し、お互いがよりよい関係でいられるように考えて行動することが、結婚生活において何より大事なんだろうなと、この一年で思った。
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この一年、私と夫婦でいてくれてありがとう。
これからもよろしくね。
2019.9.13
ユキガオ
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