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ユキガオのエッセイ

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日々思ったことや考えたことを綴るノートのまとめ。
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2016年1月の記事一覧

極上のプライベート空間。

極上のプライベート空間。

一人になりたい時がある。誰にも近付いてほしくない時がある。

そんな時、私は車の中に逃げ込む。もちろんマイカー。車は一番のプライベート空間だ。誰も入ってくることはできない。

私は一人暮らしなので、当然部屋に帰っても一人なのだが、車は室内空間の狭さが違う。程よく狭いので、守られてる感があって良い。

それに、車の中は自由だ。音楽を聴くこともテレビを見ることもラジオを聞くこともできる。大声で歌っても

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匂いが呼び起こす記憶。

匂いが呼び起こす記憶。

キンモクセイの匂いがすると、必ず思い出す光景がある。高校の文化祭だ。

文化祭はいつも11月の初め頃だった。私たちの学校では、部活ごとに出店を出す風習があり、部員は店先で売り子をしていることが多かった。

その年は、私にとって高校生活最後の文化祭。いつもなら出店に立つのだが、この年は違った。文化祭の実行委員をしていたのだ。実行委員の当日の仕事は、ひたすら雑用だ。ゆっくり出店を見て回る暇なんてなかっ

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雨の日に思うこと。

雨の日に思うこと。

車のワイパーを止めていると、フロントガラスが雨に埋め尽くされて、だんだん視界がぼやけてくる。まるで、プールの中で目を開けた時のようだ。

私はよくワイパーを止めて、雨のフィルターがかかった視界を作ってみる。ついさっきまでクリアに見えていたものが徐々に不鮮明になっていく。目を凝らしても見えないのは苦痛なんだけれど、それが少し気持ちよかったりする。

* * *

世の中には、少しくらい見えなくて

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仕事して帰って寝るだけの生活に終止符。

仕事して帰って寝るだけの生活に終止符。

仕事が忙しくなると、必然的に会社にいる時間が長くなる。通勤も含めると、一日の約3分の2を仕事のために使っていることもある。

そうなると、「いかにして睡眠時間を取るか」が何より大事になってくる。本当は8時間寝たいのだが、平日にそれだけ寝られることはない。

帰りの車では運転しながらパンを齧り、家に着いたらすぐにシャワーを浴びて髪を乾かして寝る、という日々である。なんとも味気ない毎日だ。

そんな毎

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フェチ。

フェチ。

唐突だけれど、皆さんには「フェチ」と呼べるものがあるだろうか。

私にはある。「匂い」だ。私は絶対に匂いフェチである。そう思う理由は、大きく2つある。

1つ目の理由は、「いい匂いのものが好き」というものだ。香水から始まり、ボディミストにボディクリーム、ハンドクリーム、ヘアオイル、ルームフレグランス、柔軟剤…とにかくいい匂いのするものが好きなのだ。

自分の好きな匂いに囲まれていると幸せでたまらな

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荒んだ心は言葉にも表れる。

荒んだ心は言葉にも表れる。

嫌なことがあって心が荒んでいる時は、つい言葉も荒れてしまう。

仕事で嫌なことがあると「『はぁ?』じゃねーよ!こっちが『はぁ!?』だよ!!」とか言ってしまうことが多々ある。

乱暴な言葉遣いはみっともないので止めようと思っているものの、脳内の言葉がふと漏れ出してしまうようだ。

私は島本理生さんの小説が好きなのだが、島本さんの文章を読んでいると清らかな気持ちになれる。そのあとは自分の言葉もなんとな

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そんな喜びで埋め尽くしたい。

そんな喜びで埋め尽くしたい。

朝の通勤では、運転しながらよく空を見ている。時々、雲がとても不思議な模様になっているのだ。

一面のうろこ雲であることもあれば、たなびくカーテンのような立体感のある模様であることもある。どれも、美しい絵画を見ているようで心が洗われる。

その模様は朝焼けに照らされて、ブルーとオレンジのグラデーションに染まる。日が昇る様子って本当に神々しい。

だけどその風景もすぐに変わる。気付いた時にはもう空の様

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愛しい人の愛しいところ。

愛しい人の愛しいところ。

これは、友達の旦那さんのお話。

旦那さんは、暑がりで汗っかきだからタンクトップを愛用しているという。それなのに、冬は寒がりらしい。なんとも厄介な体質のようだ。

先日、その旦那さんが「これの、お腹まで隠れる長いやつない?」と言って探しものをしていた。探し物はやはり、タンクトップ。お腹は冷やさないようにしているらしい。

友達は、「お腹を温めるなら、一緒に腕も温めればいいんじゃない?って思うんだけ

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大寒波に思うこと。

大寒波に思うこと。

大寒波が来ている。あまり雪の降らない私の地元・九州もかなりの大雪になっているようだ。

私が住んでいるアパートも、水道管凍結に備えて「部屋のどこか一か所の水道を、糸引くくらいで出し続けていてください」と注意喚起があった。

こんなこと、今までなかったから不安になってしまう。明日の朝はどんな事態になっているのやら…。

だけど北海道に住む人たちはこれが日常なんだよなー、と遠い地に想いを馳せる。もちろ

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何でもない時間が人生を豊かにする。

何でもない時間が人生を豊かにする。

ついつい、時間の無駄遣いを避けようとしてしまう。

読書をして情報をインプットしたり、ブログやnoteで文章を書いたりすることが、今の私にとっての「有効な時間の使い方」だ。

そうなると、恋人とデートをする時間や、二人でゆっくりと過ごす時間は全て「無駄な時間の使い方」なのか?という話になる。

だけど、そうではない。

物理的に一緒にいることで「二人の世界」は作られる。会って話をしたり触れ合ったり

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おごる男とワリカン男。

おごる男とワリカン男。

最近観たドラマのワンシーンで、ふと気になったことがある。

それは、ヒロインの女性がデート中に自分の分と相手の分の飲み物を買おうとしたときだった。全部払うつもりだった相手の男性は、呆れ顔で「ロクな男と付き合ってこなかったんだな」と言った。

その男性の価値観(というかドラマの世界観)では、「男性が女性におごるのが当然」ということなのだろう。デートのときは、女性は男性からおごってもらうものだ、という

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体育会系ですので。

体育会系ですので。

死に物狂いでトレーニングに励む。過呼吸を起こしながら走り込みをする。悔しくてたまらなくても涙を堪えてまた走る。

いつ実を結ぶか分からなくても、とにかく目の前の練習に精を出し、早朝練から夜練まで一日中練習をし、叱咤激励されながら必死こいて頑張っていた部活。

私は中学・高校ともに運動部で、いわゆる「体育会系」の中で育った。声出ししながらみんなでランニングしたり、ラケットを手に縛り付けられて練習した

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エッセイの魅力。

エッセイの魅力。

好きな作家さんのエッセイを読むのが好きだ。エッセイには、その人の価値観が如実に表れるし、その人の生活や素顔を垣間見ることができる気がする。

こんなに面白い小説を書く人は、普段どんなことを思っているんだろう。こんなに素敵な文章を書く人は、どんな生活を送ってきたんだろう。そういう憧れからの興味を、エッセイは少しだけ満たしてくれるのだ。

そもそも、エッセイとはどういうものか。何を書けばエッセイと見な

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恋愛上手にならなくちゃ、ね。

恋愛上手にならなくちゃ、ね。

人を好きになると、途端に周りが見えなくなる。周りがどれだけ止めようと、もう誰にも止められない。それが恋というものだ。その思いは私もたくさん経験してきたので痛いほどわかる。あとで客観的になれば痛々しいようなことも、その時は必死で本気なのだ。

「この人と一緒にいられる時間が幸せだから、いつも一緒にいられなかったとしても、もう十分幸せ」そんな報われない恋もある。好きな人と一緒にいられる時間は魔法をかけ

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