父。
最愛の父が亡くなって4年が経った。
父は浅草で製靴業を営む職人だった。気難しく気分のままに人を怒鳴りつけるので家族誰もが扱いに困っていた。私も思春期から喋ることもなく最期まで和解できないままだった。
亡くなる1年前から入院生活が続いていたが、私は心配で毎日のように上野から浅草寺まで歩いて神様にお願いしに行っていた。
今でも浅草に行くと父に会えるような気がする。
父と一緒に買い物をしたり映画を見たりお酒を飲んだりしてみたかった。
父の日に。
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