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フィンランドの自由と教育について

タイガーモブの海外インターン、「森と教室で体感するフィンランド丸ごとEdu Camp」に参加してきました。

参加者の多くは学生。中学生もおり、普段話せない人とそれもフィンランドで一緒に過ごすという非常に貴重時間を過ごしました。

ちなみに子供は参加できないので、子供たちは実家で面倒を見てもらいました。

母と離れて従兄弟と伸び伸び過ごす子供たち

主なプログラム内容

・キャンプをして自然を楽しむ
・サウナ体験
・街角インタビュー(フィンランドのイメージ・良いところは?)
・小学校
・高校訪問
・oodi(図書館)訪問

自由と言われているフィンランド。でも・・・

事前オリエンテーションや自分で調べたフィンランドのイメージは”自由”。どれだけ自由なんだろうとワクワクして訪問しました。

そんな私が感じたのは”自由”ではなく
「ルールめっちゃ守っとるやん」ってこと

小学校で感じたこと
・授業の時間は守ってる
・ちゃんと席についてる
・ワンパク男子は席が前
・怪我しそうな危ないことは怒られる
・食堂に行く前は手を洗って、列に並んで、日本で言う「いただきます」のような詩をみんなで言う
・戸締りしっかりする
・嫌なことでも頑張ってやる
・子供の肖像権に超厳しい

街中・ホテルで感じたこと
・電車が時間通りにくる
・ベビーカーは優先順位1位。電車に多くの人が乗っていても譲って、大きなベビーカーでどこにでも行けます。
・ゴミの分別、多岐。ゴミがあまり落ちてなく綺麗
・止まったホテル→23時以降は静かに
・23時以降は外で飲んじゃダメ

環境
・6-8月が夏で、11月から4月の冬は太陽もほぼ出ないようです。
ビタミンDが足りなくなるため、鬱になる人も多く、冬のカウンセリング予約は満席になるよう。
夏の太陽を浴びれる時期からビタミンDを子供でもグミで摂取したり、鬱にならない対策をしているようです。
ちょっと肌寒い8月下旬でも半袖の人が多かったな。

フィンランド人ちゃんとしてんな〜というのが私の印象です。

なぜ自由で幸せと思われるのか

滞在中、日本の学生と話す機会もたくさんあり、話していく中で、日本に対する諦めと、フィンランドに対する憧れをヒシヒシと感じました。

私のフィルターから見えるフィンランドは、結構ルールが厳しいし、悩みを抱えている学生も多いし、全員がキラキラ輝いているようには見えない。

子供も大人もチャレンジできる環境としては最高の環境だけど、そこまで自由だ!自由だ!と憧れるほどか?という感じ。

なので、なぜここまで日本人がフィンランドに憧れるのか。なぜ日本の学生はこんなにいい面がたくさんあるのに、そこまで幸せを感じていないのか・自分に自信がないのか。という疑問を抱いて過ごしました。

そして最終的に出た考察がこちら↓

日本人が自由を感じられない理由

1.意味がわからない制約が多すぎる
日本人は絶対守らなければならないルールとしては、フィンランドよりも厳しくはない。けど、意味がわからない制約が多すぎる。

・髪型の指定
・靴下の指定
・スカート膝下
・化粧、髪染めダメ etc...

まだまだ校則が厳しい学校は存在するようですが、髪型を自由にしてはいけない意味を学校が説明してくれた事はないです。

みんなと一緒のことをした方が褒められる。違うことをしたら注意される。小さなことが積み重なって、知らない間に言われてもないルールもたくさんあります。

社会人の残業してる人は仕事ができる。仕事をしている、と評価される会社もまだまだあるんじゃないかなぁ。

2.家庭の価値観
これは本当に大きい。
環境を変えたところで一生付きまとってくる価値観です。

今回、学生の方々とお話しする中で、「親が〇〇・・・」と発言していた子が非常に多かったです。

フィンランドで何十年も住んでいる方に聞いてみました。
「日本では公務員になった方がいい。とか、親の考えを子供に押し付けることってまだまだあるんですが、フィンランドではあるんですか?」

「ないない〜!好きなように生きてくれたらいいよ。」

日本では良かれと思って親の価値観を伝える習慣があります。でもこれは子供の自由を奪っていることなので、気をつけないといけないなぁ・・・と思った次第です。

3.環境の差
ここは、すぐには自分でどうこうできない部分ですが、

日本は
・将来年金はもらえない
・個々より集団という文化
・学歴文化
・職の優劣がある

年金がもらえないから子供にはいい学校・いい会社に就職して欲しいと思うし、まだまだ公務員・会社員が安定と思っている方も多いでしょう。

フィンランドでは医者を目指していた人が音楽の道に進むようになったり。と普通にあるようで、職業の優越が日本と比べて少ないのも、フィンランドがフラットに考えられる要因かな。と思います。

保証が手厚く貯金もしないお国柄もあってか、お金よりもライフワークバランスを重視する方も多かったです。

日本人が手っ取り早く幸せを感じる方法

日本の明らかに変なところは今すぐ変えられないことなので、日本を否定するよりも自分が変わればいいんじゃないかな。と思います。

フィンランド人は決して強強な人だけでなく、むしろ恥ずかしがり屋の気使いがりの日本人に似ている方が多いそうです。

なので、ポジティブ強強になる必要なんてなく、日本人も周りに流されるのではなく、自分の価値観・考えをしっかり持って、自分の決断で生きていけばいいんじゃないかな。

私自身、自分を押し殺していた時期は辛い記憶しかないけど、自分の意思で過せるようになってからは自由を感じてるな〜と思います。

フィンランドの教育

フィンランドの子供たちも大好きピカチュウ

フィンランドの教育はプロジェクト型教育です。

日本でも導入している学校も多くなってきているようですが、算数の授業・国語の授業とその教科だけをやるのではなく、算数×〇〇と掛け合わすような授業です。

見学させてもらった3年生のフィンランド語の授業は、1人で手を動かしてインプット・カードを使って複数人でアウトプット・カードを使ってコミュニケーションをするという3ブースに分かれて授業をしていて、これをローテーションで回すやり方をしていました。

5年生の英語はインプットの後に2人組になり、サイコロ降って止まった場所の質問を投げかけて、相手が答える。といったすごろく形式のゲームをしていました。

日本のずっと座って授業をする古臭いスタイル。公立校でも早く変わらないかな・・・

また、自分で考える教育

義務教育の高校でも自分で教科を選択して、2.5年で卒業する人もいれば、4年以上かけて卒業する感じ。
「自分がやりたいことをするためにはどんな知識が必要か」がわかるものが教室の後に貼ってありました。

私が大人になって感じたのが「職業ってこんなにあったの!?」ってこと。私が高校の頃は16和音着メロガラケ時代で、視野が狭く自分の職業しか知らなかったので、こんな職業につきたいならこんな知識や学歴が必要!ってことを教えて欲しかったなぁ。と思います。

まぁ、親のクレームを恐れる国ではあるので、日本の公立校がやったところで無難な職業しか載せないかな。

日本を変えるのは大変なので、親が色々な子供に教えてあげる。そんな親が増えるといいし、宿のキッズルームにも職業マップ貼ろ。

個々>集団

フィンランドは個々を引き上げる教育。(1クラス15人ほどの少人数なのでできる教育です。)

苦手な子供がいたら先生がずっとサポートする感じです。
なので、低学年では先生+アシスタントの先生がいたり、高学年では進捗が遅い生徒には授業後に対応していました。

すごく印象的だったのは”教師の指導方法

先生も自分の得意分野で指導し、進め方も自分で考える。というスタイルをとっており、同じ音楽の授業でも、A先生はクラシック・B先生はロック。なんてことは当たり前らしいです。

伝えるべき内容がしっかり伝わればなんでもいいよ!ってことだそうで、これはめっちゃいいなぁ。と思いました。

先生と生徒との関係

現地の高校生に「学校で好きなことはなんですか?」って聞くと

「先生が好き」

日本でこの発言をする人はいるのでしょうかw
学校に関する悩みは全て先生に気軽に話すそうです。授業が終わったらいつも先生と話してるの。と言ってました。

先生のことはもちろん尊敬しているけど、立ち位置としてはフラットだそうです。

また、日本のように評価が曖昧ではなく(もちろん意味わからん内申点とかないと思う。)、どうやって評価されているのか、基準を明確にして生徒に伝えている点も先生と生徒がフラットで話せる理由の1つかな。と感じました。

給食

ここは賛否に分かれそうですが、給食も自分のことは自分で。好きなものを好きな量だけ取って食べる。

野菜を全く取っていない子
ちょびっと取っている子
コーンだけ器用に取っている子

そして、給食が終わった次の授業が終わった後、みんなスナック食べてました。

嫌いなものを無理して頑張って食べなくてもいい。という観点もありますが、私は日本スタイルがいい。
私が日本スタイルの給食を評価する点は以下の点

・バランスがいいから、朝昼炭水化物でもなんとかなりそう。(親目線)
・野菜は給食だったら食べる
・知らないものでも給食なら食べる

家ではこれ嫌い。と食べないことも多い子供たちですが、給食は食べているんですよね。ここは強制的にしていただいてありがたいなぁ。と感じる部分です。

実際、フィンランドはかなりの偏食だそう。
まぁ、日本の食って添加物たくさんだし、何が正しいかわからないですけどね。

放課後

部活などはなし。
高校はサークルのようなものが存在していました。

習い事は収入が少ない世帯では支払い免除になる制度もあるそうで、各々学びたいものに通うそうです。

家族×子供×自然

外遊び
フィンランドの子供たちは、雨でも雪でもどんな日でも外で遊びます。室内で遊ぶ概念がないそうです。

よく雨が降るので(天気予報参考にならない)、晴れでも防水素材の服を着てベビーカーに乗っている子供もいました。

冬はすぐにスケートリンクが作れるので「アイスホッケー」をするそうです。どの家庭でもアイスホッケーはあるとのこと。

森遊び
「森はみんなのもの」という考え方で、森に入るのも森できのこを採取するのも自由にできます。図書館には多くのきのこに関する本が置いていました。

森に入る時にはナイフを持っていくのですが、そのナイフは代々受け継がれていくそう。食べられる草・燃えやすい木などなど知識がすごかったです。きのこに関する見解も毎年アップデートするので、知識としてしっかり入れるそうです。身を守るための知識は必要ですね。

採れたてのポルチーニとアンズダケのクリーム煮は本当に美味しかった!

サウナ

人口500万人に対して、サウナは300万個ある、驚きの国です。

Allas sea Pool
サウナ+25mプール+海の組み合わせ。サウナに入った後に25mプールのガチ泳ぎは楽しかった。海はミルクチョコレート色・・・

現地の方に「ロウリュウは回しかけるんじゃなくて1点集中だよ」と教えてもらいました。その人は水投げてかけてたけどw

ここの隣の施設には観覧車サウナが。
予約が取りにくいそうです。

湖サウナ
湖の隣にある自分で薪をおこして入るローカルサウナ。
湖が綺麗ではなく、湖ドボン初めは躊躇したけど、入ってみたら最高。外気浴も最高でした。

地元の方は薪の温度で温めた水を使ってサウナの中でシャンプーも済ませて帰るそうです。

地元の方におすすめサウナは?
と聞いてみると、全員「うちのサウナが一番いいよ」とのこと。確かに、サウナ入ってすぐに家でゆっくりできるのは最高だな。

設備の充実

Oodiの階段

フィンランドのここがいな!と一番思ったのが、設備が充実しているところ。
小学校→高校→図書館を見て、この設備を子供たちに触れさせたい!!と心の底から思いました。

まず、敷地が広いから学校のグランドがハンパなく広い。
日本の公共施設のような広さとクオリティ。
訪問した小学校は見える範囲で、サッカーのフィールドが3つ、アスレチック的なものがある広場、25mくらいのストレートトラックがありました。
スキーやスケートリンクを作る場所もあるようです。

メディア関係を勉強する高校は、機材がもうテレビ局・ラジオ局。
ボタンが大量にある複雑な機械(名前わからんw)でも先輩が後輩に教えて使えるようになるそう・・・。日本だったら触らせてくれないよな〜。

そして感銘を受けた図書館Oodi。
もう図書館と言わない方がいいんではないかと思われるくらい図書館以外が凄すぎます。

3階部分がおしゃれ図書館。素敵なキッズルームとめちゃ広いベビーカー置き場。
「ベビーカーにzzz」寝てるベビー専用?真相が知りたいです。

2階は防音の音楽室・VRルーム・キッチン・ミシンスペース・レーザープリンターなどがある工作室・大型プリンター・3Dプリンター・多くのミーティングルームや自主室がありました。
置いている機材もガチの本気で、プロが使う機材・設備が揃っていました。お高めのギターをレンタルできたり、とにかく自分で揃えなくても何でも挑戦できる環境が揃っていました。

(私も使ってみたくてカード作れるか聞いたんですが、ヘルシンキに住所がないと無理〜って言われました😢)

これから作る宿には何かしら自分では買わないような、普段使えないようなものを置きたいな〜。ミニOodi@壱岐作りたい。

日本の学生と触れ合って

日本の、志の高い学生さんとお話しできたいい機会。私自身にも大きな刺激がありました。内省を自主的にしない私でも自分はどうだったっけ?と過去を振り返るいい時間にもなりました。

まず感じたのは、冒頭にも書きましたが、みんないい所があるのに自信がなさ過ぎる。
これもしっかりと自分を見つめて考えている証拠なんですが、考えすぎてしまうがために、人の事を考えられてしまうがために、自分にはなくて人にあるものを追っかけすぎだな。と。

けど、プログラムの最後は全員何かしら束縛から解放され、いい顔になってました。声が大きくなってたw

人生100年時代。このプログラムの参加者はまだ人生の半分も終わっていない人ので、これからも力のある限り、悩み続ければいいんじゃないかなぁ。と思います。「悩む=未来を考えている」って事で、悩みがなければ人は成長できないし。

でも、「未来を考えて悩む=ダラダラ引きずる&落ち込む」は違う気がするので、ツアー内でやったデメリット→メリット変換をやってみたり、自分なりの回復方法を見つければいいんじゃないかな。と思います。

そして、自分の特性を活かして、自分はどのポジションに旗を立てていこう。自分を活かす行動はなんだろうって考えられるとより楽しそう。

今回のタイモブツアー参加メンバーは多岐に渡る特徴があり、参加者だけで会社の組織は作れそうだな。と思いました。(雇用目線で学生を見ている大人たちw)

私にできること

今から日本を変えるぞ!!という野望もなければ、今を変えたくない人を変えたい欲求もないので、

・コーチングなどを通して変わりたい人のマインド変革のお手伝い。

・ミニOodiを作る
→大人も子供も失敗してもいいじゃない。とりあえずやってみよう!となんでも気軽にチャレンジできる場を作る。

・幼稚園〜高校までチャレンジできる環境
→フィンランドの高校生が自分の意志で行動できるのは幼少期からの積み重ね。まずは自分の子供&壱岐島から、いい環境を作っていく。

・資金力
→何をするにしてもお金が必要!もっともっと経営者として力をつける。人を巻き込む。
お金持ちの方々からお金をいただき、裕福ではないけどチャレンジしたい子供にチャレンジさせてあげられる場所を作りたいな〜

最後に

設備やら内装やら仕組みやら、宿構想が膨らみすぎて、何をどう抑えればいいのかもうわからないですw
箱自体はコントロールしてくれるデザイナーさんがいるのでお任せして、中の設備を少しずつ揃えて、ミニOodi実現させたいな。

そして、フィンランドはおしゃれで、イケメン・美人が多かった。さすがロシアの隣です。キッズもめっちゃ可愛い。

また、冬は最高よ!という方が多く、特にクリスマスは命をかけて装飾するそうです。日本のようにカラフルではなく、一面ゴールド。
雪はそこまで降らず、-10度までならそんなに寒くないよ!とのこと。(ちょっと信用できないw)
一度は冬にも行ってみたいな。

あと、ジェンダーレストイレも印象的でした。

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