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ベートーベン テンペスト 分析

ベートーベンのピアノソナタop31-2の3楽章、テンペストの15小節目までをシェンカー理論を元に分析してみました。ウアザッツとウアリーニエのみ、書いています。

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調号はニ短調。3/8。8小節目までは通常のトニック、ドミナントだけであり、そこそこ安定した進行をしています。

9小節目から12小節目まで、cresc. dim.が入っていて、そこで最初の盛り上がりが来ます。ベースはソからレに解決するまでに、レの半音違いの上下のミ♭、ド♯と属音を使っていますが、面白いのは、10小節目のミ♭はニ短調の構成音にはなく、9小節目でト短調でもニ短調でも通用する和音(Gm)を使って、スムーズに10小節目でト短調の借用和音を使っているところにあります。

旋律線もシ♭→ソ→ミ→ファ→レ→ド♯→レ、と、わかりやすい変化をしています。それに合わせてベースも、ソ→ミ♭→ド♯→レ→ラ→ラ→レとなります。和声は、Ⅳ(Gm)→Ⅱ♭(E♭)→Ⅴ(A/C♯)→Ⅰ(Dm)→Ⅲ(ファ、ラ)→Ⅴ(ミ、ソ、ド♯)→Ⅰ(レ、ファ)と、スムーズなつながりになります。

ちなみにド♯は、ニ短調の導音になります。15小節目で、いったんフレーズが切れます。


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