【詩】旅の終わり
もう頼る宿はないと歩き続けた
どこかに身を倒し朽ちてしまうまで
探す人など誰もいない
踵(かかと)さえも擦り切れて立ち止まっても
追いかける人はもういない
石の礫(つぶて)を踏む痛ささえ
自分の驕りと言い聞かせ
海風に陽が今にも消えようとしている
その儚さに身を重ね
涙がつーっと頬を撫でる
揺らぐ橙(オレンジ)の陽は人生の走馬燈
生きろと力付ける誰かの面影
それは生きたい私の蜃気楼
海の冷たさに蹲(うずくま)っている
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