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移動する暮らしと序破急のはなし。

2016年の5月は京都 、2017年は飛騨高山で数ヶ月、今年は広島に約1ヶ月滞在しています。距離が遠くても飛行機でぴゅーっと行けばいいところを、ついでに寄りたいところがたくさんありすぎて、日に日に移動距離も日数も伸びてきています。

こんな移動する暮らしがだいぶ板についてきました。いつからこんな移動するようになったのだっけ?2、3年前??

序・破・急

いきなり話が飛びますが、日本古来の音楽には序破急のリズムというのがあって、自分なりに序は「基本」、破は「変化」、急は「加速」と解釈しています。

たしか、白洲正子さんの能か何かの本で、序破急のそれぞれにまた序破急があると書かれていた気がします。序(序→破→急)→破(序→破→急)→急(序→破→急)といった具合でしょうか。そして、さらにその序の序の中に、、、と続くようです。

序を破る「変化」

移動する暮らしの始まりの一歩はどこからだったのか。たしかによく移動するようになったのは数年前なんですが、本当の始まりの始まりは、高校進路を決めた時まで遡れそうです。

私が住む市内には高校がたくさんありました。でもわざわざ市外の高校を選択。当時そんなことをするのは私くらいでした。たぶんこれが序を破るはじめの「変化」だったんじゃないかな。その後、大学はさらに遠くへ。社会人になってからはそこからまた遠くへ。加速していくとともに広範囲に拡がっていきました。

移動する暮らしは加速していく

移動する暮らしに慣れた今の私は「破の急」といったところでしょうか。いや、もしかしたらまだ私はもっと大きな大きな「序」の中いるのかもしれない、、、、、、と思ったらちょっとゾッとしてきますね。笑

でもこの移動するという動きは今さら止められないと思います。デザイナーの原研哉さんは、21世紀は「遊動」の時代だと言っていました。

遊動というのは動くということです。「遊動」の対義語は「定住」です。いままでの日本は、稲作社会が根本にあって、みんなひとつの家に住んでいたけれど、これからは能動性の高い人たちはいつも動いているという状況になっていきます。(中略)人がなぜ移動するかというと、自分の中にはない価値を求めて世界を動き回るからです。だから、デザイナーは遊動の時代の中で何をすればいいのかを考えなければならない。さしあたっては、自分たちの足元を見つめ直すことだと思います。
–––––––– 菅付雅信『これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講』7 これからのデザイン(原研哉)

序・破・急・序・破・急・序・破・急。

私たちはまた基本に立ち返り、また変化してまた加速する。どこまでも螺旋階段を登っていくように、序破急に組み込まれているのかもしれないですね。

移動する暮らしの序破急(基本、変化、加速)。あなたは移動する暮らし、してみたいと思いますか?

#読書

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