学びは思い込みからはじまる
デンマーク語の学習をはじめてみた。こうやって外国語を学び始めると、当たり前に使っている日本語が不思議に見えてくる。
今井むつみ『学びとは何か ––––––〈探究人〉になるために』によると、私たちの言葉の学びは「思い込み」からはじまる。
「どうやらこういうルールの中で使うらしい」と推測して、実践してみながら言語を体得していく。
「思い込み」というと、どうしても悪いイメージを抱きがちだが、ひとつひとつ「この言葉は本当に正しいのか?」「なぜそうなるのか?」と考えていたら、相当疲れるし、日が暮れる。
私たちに「思い込み」がなければ、無意識に言葉を操れるほど飛躍的に進歩しないのだ。
「思い込み」は学習に必要だが、一方で、学習を妨げることもある。
たとえば、母国語を習得してから外国語を学ぶとき、母国語で得たスキーマが外国語にも同じように適用できると考えてしまう。でも実際は、語彙の意味範囲が一致しないなど多くの違いがある。
そこで大事なのは、「思い込み」をアップデートしていくこと。
何かを学習し、習熟していく過程で大事なことは、誤ったスキーマをつくらないことではなく、誤った知識を修正し、それとともにスキーマを修正していくことなのである。
–––––––– 今井むつみ『学びとは何か ––––––〈探究人〉になるために』
「思い込み」にはまらないよう、意識的に「思い込み」を破ろうとする姿勢が必要になる。私たちが「思い込み」を破るためには、得た知識を自分で使ってみて、試行錯誤を繰り返しながら自分の身体に落とし込んでいくこと。
経験することは知識を覚える以上に新しい視点を与えてくれる。「思い込み」と一致しない現象を自分自身で経験していくことで、納得して「思い込み」を修正していけるのだ。
というわけで。「思い込み」を意識しながら新たな言語を学んでみようとおもう。
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