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新<彼女>の撮り方|#4

雑誌のグラビアの撮影の仕事が多いのですが、
撮影前に必ず調べることがあります。

それは、今日撮る女の子の、今まで撮られてきた仕事の写真と、SNSなどにアップしている写真です。

今まで撮られてきた仕事の写真は、
事務所や編集のチェックを通った写真になるので、それを見ると、
こういう写真が望まれているのか、というラインがわかります。

実際に撮影するときは、時にそのラインを超えたりする(そうしないと、新しい彼女の一面を出すことができない)のですが、
基本的に守るようにします。でないと、私がいい! って思った写真たちも、採用されないですから。これが仕事です。

SNSなどにアップしている写真は、本人のチェックを通った写真になるので、かなり傾向があるんです。

一番顕著なのは、どの角度から自撮りした写真が多いかっていうことです。
下からあおって撮る子はほとんどいなくて、ユーモラスに見せる時ぐらいでしょうか。
女の子の顔って、少し上から撮るのがベストなんですね。目も大きく写るし、輪郭もシャープになるし、アゴのたるみも見えないし、いいことずくめなんです。

上下の角度はそうとして、左右ですね。
人間の顔って、左右非対称ですから、どっちからの顔の方が好きっていうのは、鏡をよく見てる子であれば、間違いなくあります。
多くの子は、髪を分けている方から撮られたがるので、あくまで統計ですけど、撮影するときは分け目を見るようにしています。

実際、分けている方から撮った方が、印象もよくなるんですね。写真に写る肌の面積が増えますので。
ただ、おでこが広いとか狭いとか、出したくない子も多いので、そうゆう子はたいてい前髪ぱっつんにしています。前髪ぱっつんの子は、コンプレックスが深い子か、アーティスティックな子が多いですね。

話を戻すと、SNSなどにアップしている写真をみていると、おおよそ左右どちらから撮られた自撮り写真が多いかで、わかってきます。
なので、それを踏まえて、撮影する時には、撮られたい角度から多めには撮ってあげるようにします。
そうした方が、女の子にとって不安も少なくなりますから。
ただ、それだけでは自撮り写真と一緒になってしまう。だから、新しい魅力、逆から撮っても素敵ですよ、とプレゼンするかのように、撮るようにしています。

もちろん、撮られたくない角度からの写真を見せると、微妙な表情をすることもあります。仕事では、結局使われないことも多いです。
それでも、本人には分からない魅力を引き出して、残しておくことが大切です。

撮影中に写真を見せながら、褒めることもあります。
「またまたー」なんてかわされますが、嬉しくないことはないと思いますので。
自信って、褒められることで育ちますよね。
だから僕は、撮影中に褒めることも大切ですけど、撮った写真を見せながら褒めるようにしています。本当に魅力的だなって思うから、褒めるわけですよ、もちろん。