【平安時代エロ豆知識】平安時代の性教育ってどうなってるの?

前回は、源氏物語の主人公、光源氏の女に対する鬼畜な扱いについてあげつらってきました。
しかし、ここで平安時代の性教育について、ご説明する回を一度設けたいと思います。

読者の方の中には、
「なぜ、平安時代の女性は、夜這いされたときに逃げないんだい?」
「大きい声を上げれば、誰かが助けに来てくれるでしょ?」
などと、疑問に思う方も多いのでは、と考えたからです。

そこで、この記事では平安時代エロ豆知識ということで、平安時代の性教育についてご説明したいと思います。

■男子向けの平安時代の性教育

まずは、男子に対する性教育についてです。
ここでは、光源氏をはじめとする、特権階級の貴族の子息向けの性教育についてご説明します。

■■かしずく女房が手取り足取りお教えあそばす
貴族の子息は、誰に性教育を受けると思いますか?
それは、女房と呼ばれる、侍女です。

貴族には周りに何人もの女房が使えており、服の着替えから糞尿の処理(おまるにします)、遊び相手や文の取次まで、すべて女房が対応します。

高貴な身分になればなるほど女房の数は増え、質は上がります。
身分の高い貴族のご子息の周りには、教養があり見目麗しい女房がわんさといるのです。

そして、高貴な若君が成長し性的にも成熟すると、女房による性の手ほどきがはじまります・・・。

「若、ここを、こう・・・するのでございます・・・。」
「そうでございます、そうでございます!」
「あぁ!大変お上手でいらっしゃいますわ!」

とかなんとか、やってたのでしょうかね。
こうして、高貴なご身分の若君は、女性に対する手練手管を覚えていくのです。
何とうらやましい・・・。

ちなみに、練習台にされ食い尽くされた女房に腹に、若君の種が宿ることも当然あります。
しかし、そのような脇腹に生まれた子どもたちは、正妻に子どもが生まれない場合を除き、認知されることはありません。
母親とともに若君に仕え、一生日陰の身で生きていきます。
悲しいですね・・・。

■■童貞には年上の女子をあてがうことが多い
ちなみに、貴族の子息が最初の結婚する際には、年上の女子があてがわれることが多いです。

例えば、清少納言の「枕草子」に出てくる一条天皇の中宮定子は、3歳年上でした。
また、われらが源氏の正妻である葵の上も、年上の女性でした。

幼い若君を年上の女性がリードしてほしい、という思惑があったのでしょう。

■女子向けの平安時代の性教育

次に、高貴な身分の深窓のご令嬢、女子に対する性教育はどうだったのかを見てみましょう。

■■とにかく男には逆らわないこと!
深窓のご令嬢には何十人もの女房がかしづき、教育を受けます。
実の父母よりも、乳母や教育係の女房による影響がかなり大きいと言えます。

そして、女房から令嬢に、女の心得が伝授されます。
女の心得とは、「とにかく男に逆らわないこと!」です。

「殿方が忍んで来たら、逆らわずされるがままになさい。」
「逆らうなど、もってのほか。ありえませぬよ。」

と、口を酸っぱくして、言い含められます。
その結果、深窓の令嬢たちは、主張することもなく、逆らいもせず、時の流れに身を任せて生きていきます。

だから、男が夜、寝所に忍び込んできても、なすすべもなく犯されてしまうのですね。

もちろん、大事な令嬢の周りには、十重二十重に女房がガードしているので、そう簡単には忍び込めません。
親が許した婚約者のみが、令嬢の寝所にたどり着くことができるのです。

■■男の気を引くテクニックも伝授
女房達は、令嬢に「男の気を引くテクニック」なるものも、伝授します。
それは、次のようなものです。

「恋文に軽々しく返事をしてはなりませぬ。」
「まずは、女房であるわたくしたちが、代理で返事をしたためます。」
「返事をする時は、つれない返事をなさい。」
「話すときは、恥ずかしそうに、顔を背けなさい。」
「ゆっくりと、おしとやかに、お話しなさい。」
「長い間殿方の訪れがなかった時には、すねて見せなさい。」

うっせぇわ!好きにさせろや!と、言いたくなりますね。

特に、恋文は、平安時代の恋愛における最重要ポイントでした。
何せ、平安時代の女性は、決して顔を見せません。
屋敷の外には決して出ませんし、屋敷の中を出歩くことすらしません。

では、男性はどのように深窓の令嬢の美しさや気立ての良さを判断するのか。
そこで重要なのが、恋文です。

男性は美しい木や花に美しい色の恋文を括り付け、女房を介して令嬢に届けさせます。
女性は、選ぶ木や花のセンス、和紙の色や質のセンス、字のうまさや優美さ、和歌の内容で、男性を見極めます。

最初は、女房による代筆の文しか返ってきません。
そして、粘って粘って、やっと、ほのかに一行だけ、令嬢からの和歌が届くのです。
その内容で、男性は女性のセンスや教養を判断するわけです。

平安時代の恋愛とは、なかなかにめんどくさいものですね。

■まとめ

平安時代の性教育についてご説明してきましたが、いかがでしたか?
なかなかに、ひどい内容でしたね。
特権階級とは恐ろしいですし、何より当時の女性の生きづらさは半端ないものがあります。

このような時代背景を踏まえると、平安時代の男女の仲を理解しやすくなるのではないでしょうか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!