女の敵?!光源氏のひどすぎる女の扱いを大暴露!~その2~ 紫の上特別編

紫の上は源氏の最愛の女性だから幸せな人生を送ったと、一般的には言われています。
しかし、私はそうは思いません。
むしろ、源氏物語の中で、もっとも不幸な女性だと思っています。

源氏が、幼女の紫の上を「無理やり」妻にした、ロリコンエピソードはあまりにも有名です。
しかし、紫の上の不幸は終わりません。
さらなる不幸が待ち受けていたのです・・・。

ここでは、「紫の上は本当に幸せだったのか?!源氏に不幸にされた女~紫の上」として、紫の上の不幸エピソードをまとめてみたいと思います。

■幼女の頃に拉致される不幸

源氏が旅先で偶然見かけた(家の中を覗き見して見つけた)のが、まだ少女の若紫でした。
幼い紫の上は、幼女の頃に源氏に拉致されます。

源氏は、想い人の義理の母、藤壺女御を忘れられないのですが、偶然旅先で女御そっくりの少女を見つけてしまいます。
後でわかりますが、若紫は藤壺女御の実の姪でした。

源氏は、若紫をかっさらい自宅に連れ帰ります。
そして、「お兄さま、お兄さま!」と慕い、慣れてきたころを見計らって・・・、犯します。
若紫が「大好きなお兄さま」と慕い信頼していた男性に・・・処女を奪われてしまうのです・・・。
ドイヒーですよね・・・。

■本当の親に会えず日陰の女として生きる不幸


若紫は源氏の女になりますが、勝手に連れてきてしまったという後ろめたさがあるため、実の親には知らされていません。
若紫の母親はすでに亡くなっていて、さすがに母方の祖母には源氏のもとにいることを知らせています。
しかし、父親には知らされぬままです。

系図_源氏→藤壺若紫

若紫の父親は「兵部卿の宮」です。
彼は先帝の息子であり、実は大変身分の高い貴族でした。
ちなみに、藤壺女御はこの兵部卿の宮の妹なので、若紫は藤壺女御の実の姪、というわけです。
そのため、若紫は本当は身分が高く、正式に結婚すれば源氏の正妻にもなれる身でした。
しかし、誘拐され手籠めにされたという立場なので、最初から最後まで日陰の身であることを強いられます。

しばらくしてから、紫の上は父親の兵部卿の宮にも会えましたが、それはだいぶ先のこと。
若紫は実の父親にも会えず、一生、日陰の身で生きることを強いられたのです。

■次々に現れる新手の女に悩まされる不幸


源氏は女好きですから、性懲りもなく次から次へと新手の女に手を出します。
そのため、紫の上は心が休まることがありません。

平安時代は「通い婚」が主流で、女性の家に男性が訪ねてきます。
ですから、男性が来なくなれば、二人の関係は終わりです。
関係が続けば、やがて正式に結婚に進み、男性の家に女性が嫁ぎます。

紫の上の場合は特殊で、最初から源氏の邸宅に引き取られていました。
ですから、源氏が帰ってこないということは、すなわち、他の女性のところにいることを指します。
つまり、浮気していることが一発でわかる仕組みです。

源氏の女遍歴をざっとお話ししますと、
・人妻の空蝉
・処女の軒端の荻
・身分の低い夕顔
・身分の高い六条御息所
・正妻の葵の上
・正妻に仕える女房の中将の君
・帝に輿入れ予定だった処女の朧月夜の君
・身分が高いけどブスな末摘花
・ブスだけど気立てがよい花散里
などなど、前半だけでもこれだけのバラエティ豊かな女性と契ります。
(結構ブスがまじっていることも、ポイントですね。)

その間、紫の上はずっと源氏の訪れを待ち、心細い思いをしなければなりませんでした。

■自分の子どもを持てず他の女の娘を育てる


源氏物語の中盤のクライマックス、「須磨への流謫(るたく)」というイベントが起こります。

系図_源氏→朧月夜

源氏は、右大臣とその娘の弘徽殿女御と、政治的に敵対しています。
弘徽殿女御は、源氏の母桐壺更衣をいじめ殺した、例のアイツです。
彼女は第一皇子を生んでいますから、源氏は帝候補になりうる政敵であり、桐壺帝の寵愛が深かった憎き桐壺更衣の息子であるという私怨もあります。
当然、源氏のことは絞め殺したいくらい憎いはずです。

しばらくして、ついに源氏の唯一の後ろ盾だった父桐壺帝が崩御し、源氏の政治的立場は非常に危うくなります。

しかし、です、源氏は大胆にも、そんな政敵の妹である「朧月夜の君」のもとに忍び込み、あろうことか彼女を犯してしまいます。
しかも、彼女は帝になった桐壺帝の第一皇子、弘徽殿女御の息子の朱雀帝に輿入れする予定でした。
(朧月夜の君は朱雀帝の叔母にあたりますが、そんな血の濃い関係の婚姻は、当時はよくあることでした。)

これは、大問題です。
さすがの源氏も処分は免れないと、自ら須磨という、今でいう兵庫の浜辺に自ら出奔します。

しかし、そこは源氏、そこで出会った明石の上という新手の女をはらませ、女の子が生まれます。
晴れて政界に復帰した源氏は、その女の子を手元に呼び寄せ、帝に入内させる政治の駒として利用しようとします。

その娘の養育係になったのが、生涯子どもを産まなかった紫の上です。

しかし、この点で紫の上は不幸ではありませんでした。
なぜなら、紫の上はこの娘を大変慈しみ大事に育て、母としての喜びを味わったからです。
娘を育てている間だけは、幸せだったのかもしれません・・・。

しかし、それはすなわち、彼女の結婚生活が不幸だったことに他なりませんね。

■晩年に新たな正妻が現れる不幸


紫の上は源氏の事実上の正妻として世間から認められ、ふるまっていました。
しかし、ついに最後まで正妻にはなれませんでした。

源氏が最初に結婚した正妻の葵の上は、出産を終えてすぐになくなってしまいます。
ですから、源氏は正式な正妻をずっと持たない状態でした。

系図_源氏→女三の宮

時は過ぎ、源氏の兄の朱雀帝が帝の位を降りて出家する際に、愛娘の「女三の宮」の処遇を案じます。
女三の宮への求婚者は多く、源氏の息子の夕霧と、その親友の柏木も求婚していました。
しかしです!源氏はこのとき50近いジジイ!13,4歳の女三の宮にふさわしいとは思えません!!

しかし!源氏の「高貴な女好き」の気性がむくむくとわいてきて、ついに朱雀院から女三の宮をもらい受けるのです!
ジジイのくせに、です!このエロジジイが!!

当然、身分が高い女三の宮が正妻の座につきます。
紫の上は、最後まで正妻になれず、安穏とした日々を過ごすことはなかったのでした。

■病を患い出家することも許されない不幸


紫の上は、女三の宮が源氏の正妻になったころから、病を患います。
そして、心が弱くなった紫の上は、源氏に出家したいと願い出ます。

しかし、源氏は許しません。
なぜなら、彼女を深く愛しているから。
(だったら、他の女を正妻なんかにするなよ!というツッコミは、当然ですね。)

紫の上は出家もできず、俗世で嫉妬に身を焦がしながら、失意のうちに亡くなってしまうのです・・・。
かわいそうすぎる!!

■まとめ


いかがでしたでしょうか。
紫の上は、本当にかわいそうな女性でしたね。

あなたは、どのポイントが一番かわいそうと感じましたか?
私は、やはり最後の出家を許さなかったところですね。
最後くらい自由にさせてあげればよかったのに・・・、と思います。

このように、源氏は、最低なひどい男です。
最愛の女性とか言ってるくせに、その女一人も幸せにできなかった男です。

別に源氏のネガティブキャンペーンをするつもりもないですが、正直に話すとついそうなってしまいますね。