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「母さん、俺を信じて!」

マタニティリープ主宰の渡辺有貴です。親として逡巡する日々です。(苦笑)この記事では生きる力のある子になって欲しいという願いと現実の間で揺らぐ親心について、先日起きたエピソードを交えて書いてみたいと思います。きっと皆さんも同じような経験しているんじゃないかなあと。

自然を避けるのではなく、自然の中にいる
雨を避けるのではなく、雨にまみれる豊さの中で生きていってほしい、それが子供の生きる力につながるのではないかということを以前の記事では書きました。

日常の自然
保育園に通う短い時間の中でも少しゆっくり歩いて意識を向けると、そこには植物や虫に溢れています。
今日も次男5歳は30cmほどもあるミミズを発見して、板に乗せて保育園に持って行きました。そんな保育園に向かう住宅地の中に、少しだけ深くて広い人工の水路が流れています。高さは2mぐらい、幅も2mちょっとという感じで、主流の川へとつながるどぶと呼ぶには少し大きめの水路です。今回の記事の写真はその水路の写真です。普段は10cmも水のかさはありません。はや、こい、アメンボにザリガニ、時に亀などが泳いでいて、次男は時々この水路に降りていって、何かしらを捕まえようとしています。

先日のことですが、はやが大きくなって10cmぐらいになったので、網で捕まえるといい、保育園の道すがら網を持ってこの水路の横を歩いていました。ところがなかなかつかまりません。えらい、すばしっこいのです。水路のこちら側からあちら側の水草に隠れてしまいました。そこで次男が、あちら側に飛び移って捕まえると言い始めました。でも幅は2m以上、そして助走するようなスペースはないので、立ち幅跳び状態です。

止める理由はいくらでもある
「こんなに幅が広くちゃ、大人でも飛べないよ」「落ちたら怪我するよ」「保育園終わったら、長靴はいて中に入ろうよ」「もう時間がないよ」「他の人が見てるよ」止める理由はいくらでも出てきます。私も「向こうまでは遠いから飛べないよ、危ないよ」というようなことを一度言いました。
それでもまだ飛ぶと言うのです。抱きかかえて、目と鼻の先の保育園に連れて行くこともできます。もう一回止める言葉を言おうとしたとき、

「母さん、俺を信じて!」
とまっすぐ私を見て言う次男を見て、もう止められなくなってしまいました。もちろん、水の量が多かったり流れが急だったら、絶対にトライさせることはありません。99.9%はうまくいかないということもわかっていました。でも、「俺を信じて」とまっすぐこちらを見る次男に、私は「わかった、母さん信じてるよ」と言うしかありませんでした。
結果は失敗。冒頭の写真には、先に向こう岸に投げた網の右側にうっすらついている手の跡が写っています。手はひっかかったものの、顎と唇をかべに打ち付けて血が出てしまいました。涙目になって、そのままうちに帰って消毒しました。1歳の妹も唖然としていましたが、一緒に戻り、そしてまた妹だけを保育園に送り、そしてもう保育園にいかないと言っていた次男とうちで少し過ごして、保育園に送ったのでありました。

今もそのことを思い出すと、次男の痛さが自分の体に思い起こされます。
多分毎回はこんな風にはできないと思うのですが、時に失敗するのが明らかでも、それがしたいのであれば、それをさせてあげたい。そして失敗したりちょっと怪我をしたからっておおごとにせずに、普通にしてあげたいと思うのです。そういうことがきっと子供の生きる力につながるんじゃないかと思い、親としては逡巡しながらもできることをさせている日々を送っています。


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