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魅惑の香りをあおる。

好きなものは何ですか?と、問われたら、
私も婚約者も「お酒です。」と答えた。

一緒に過ごす月日が長くなればなる程、趣味嗜好、考え方や価値観が似てくるというもの。
私たちの好きなジャンルは幅広いが、「とりあえず、生」より、もっと狭い範囲において、「とりあえず、IPA(インディアンペールエール)」にたどり着いた。

けれども、IPAが、何でどんな風に作られているのか、私はまだ知らない。

IPAはどれをとっても、美味い。

ただそれだけ。

美味いから飲む。

その秘密をたまに通っていたビール専門店の店主が、教えてくれた。
「ホップって実際に見たことあるかい?」
キッチンの奥の冷蔵庫からカウンターに出してくれたのは小さな白い皿にのせられた若苗色の蕾だった。

「遠野産のホップだよ。丁度あったからさ。
割って嗅いでみな。」

得体の知れない蕾を恐る恐る割り、しげしげと観察していると、ほわーっと特有の香りが鼻の中を駆け巡った。

ホップ、それは魅惑の蕾。

あの時、ホップを割るという体験をしていなかったら、私はこんなにもホップに取り憑かれなかっただろう。

私はキッチンドランカー。
料理の合間に飲むのが好き。でも今はまだ、体調不良でビールを飲めない身体の為、代わりに、香り高い紅茶を飲んでいる。

いつの日か、この紅茶が再びビールに変わるように、作り手のこだわりが詰まったIPAを箱買いした。
私に夢と標べをくれてありがとう。


村上セブンIPAの開発裏話素敵でした。
私もそんな博士になりたいです。

とい。