実父に会う③
草を刈りながら僕は、この度の再会のことを思う。きっと何か意味があるのだろうと。
ところで、noteしてなかったのだが、過日の師匠との会話で、僕はこの再会予定のことを話している。
師匠は、
その頃、何か起きるんと違いますか?
その言葉を聞いて、僕は何かを「予感」したのを覚えている。
何かが起きるとしたら、それはきっと僕にとって重要なことだ。
緑の草を見つめていると、ふと思い出した。
それはじいちゃんの夢。じいちゃんは、父の父だ。
時間は、未来から過去に流れる。
僕の中で、タイムラインが繋がる。
そして言葉が浮かぶ。
これは守護の交代なのだ
と。
これまで僕は、母方の御先祖のカルマを背負い、それを一心に清算してきた。
だがそれも峠を越え、そろそろ終わるのではないだろうか。
師匠も先の施術で「切ったから、もういい。」と言っている。
僕は誠心誠意、そのお役目を果たしてきたつもりだ。
先日、じいちゃん=父方の守護が、母方の霊の方々に話をしに行った。
もうよろしいでしょう。ゆきは十分に働きました。これからは私どもがこの者を引き受けますゆえ。
そう話をつけて、じいちゃんは僕に布団を着せて出て行ったのである。
やはり話はつながった。母方を軽んずることはないが、これから僕は、父方の守護を意識して生きる。信仰に厚く、一所懸命働く先祖の血だ。
導きの狐もいる。
きっとそれは、「じいちゃん神社」から来たに違いない。
じゃあ、オフクロはどうするんだろう・・
迷いが走る。
僕は、気持ちの「置き方」を探す。
これまでのように、お金とか面倒をみる、というようなイメージは心に重い。だが、
赦す
というようなカタチに気持ちを持って行ったとき、心がふっと軽くなった。
そうだ、赦そう、全てを。
だが、調子に乗ったならば、迷わず僕は剣を抜くよ。
何かが終わった。
折しも目の前には、黄色い花の群落。
僕はその中の一本をそっと残した。
ありがとう。
その花の名前は、
ハハコグサ
という。
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