農業をひも解く2 〜エンドファイト〜
まかれた種は発芽し根を伸ばす。そして自活をはじめる。
その頃から人間は肥料を施し、その生長を促す。
これが栽培の原理である。
この肥料に化学肥料を使えば、いわゆる普通の農業(慣行農法)、
有機質肥料を使えば、いわゆる有機的な農業(有機農法)、
ということになる。しかしどちらも、肥料を施すという点では同じなんである。
翻って、自然界を見てみよう。そこには、何者かが肥料を施す、という概念はない。そこにあるものが活用されているだけだ。
しかし植物たちは立派に育っている。写真は水田のあぜ(法面)だ。
水田管理の面からはビミョーだが(笑)、あぜに生える植物(雑草と言いますね)の生育がいかに旺盛かは見てわかることだろう。
なんで?
って思ったことありませんか?
肥料もやってないのに。
この仕組みに共感できれば、自分のやる農業に大きな気づきが与えられる。
秘密は地下にある。土の中で、複数の植物の根が絡み合い共存している。さらに根は、ある種の微生物とも共存している。そいつは植物の根に入り込んで、養分を植物に供給している。この微生物たちを、
エンドファイト(endophyte)
という。
少し難しくなったなー。(笑)
なので、やさしく言おう。
土の中にエンドファイトがたくさんいれば、肥料はいらないよ。むしろ肥料をやったら、エンドファイトは消えてしまうよ。
畑は起こさなくていいよ。畑に残る根っこに、エンドファイトがたくさんいるからね。
ってことなのだ。
僕的にはこれを、栽培の原理としてみたい。現在の栽培の原理とは真逆の内容だ。
そして、近い将来遠い将来、農業が、
畑を起こすために、機械がGHGを排出することもなく、
肥料を作るために、たくさんのエネルギーを使って資源を採取したり、その肥料を運ぶために、大変なマイレージを積み重ねたりすることもなく、
なんにも与えないで、作物が収穫できる。
そんな形になったら、どんなに素晴らしいか!と思う。
そうしたら、農業は、環境破壊産業ではなくなる。
農業が、環境修復産業になる時代の到来。
・・・案外早いかもしれないよ。
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