農業をひも解く1 ~アンバンドル~
種をまき、作物を育て、収穫する。
それが「農業」の営みだ。過去から未来に至るまで、これは変わらない。
しかし、「農業という産業」という視点に立つと、工夫の余地は山ほどあると思う。
もちろん「農業」をやる人、それぞれの思いがあっていいし、やり方だって誰かに規制されるものでもない。基本的には、好きなようにやったらいいと考えている。
僕は、農業という産業を、他産業、例えば、工業とかサービス業のように、もっと効率的で、かつ、進歩するものにしたい。この業界の1住人として。
さて、そこでこの本である。
Business Model Generation
もう、少し古くなったが、以前そこに感じたヒントを紹介したい。
この中に、
アンバンドル(Unbundling)
というビジネスパターンが紹介されている。要は、
あれもこれもやらない。
ということだ。
本には、「融資に特化した銀行」が事例として紹介されている。
考えてみてほしい。農業って、「あれもこれも」やっている。その中には、
生産に直接的でないもの
も含まれている。米づくりならば、あぜの管理や、問題となって久しいケモノ対策などがこれにあたる。
小規模な経営ならば、これらを「生産に不可欠な要素」として、経費や労働をふり向けることに疑問はないだろう。しかし、経営が大規模になると話が変わってくる。そう、こいつが経営に悪影響を及ぼしてくるのだ。もう、生産の片手間にやるというレベルではないんである。
外部不経済
イメージは、これに近い。
そこで、アンバンドルである。
こういった、
生産に不可欠だが、片手間で済ませたいもの
は、自分では「やらない」のだ。
アウトソーシングというのがその解決策の候補に当たる。しかし、もともと生産に直接関係のない部分の話であるから、経費は(今以上には)かけられない。また、農業って、生産物の単価を高くすることが本質的にできない産業だから、売値に転化することもできない。つまり、
これをシステム化するには知恵がいる。
ってことなのだ。
今僕は、ここを考えている。
重要だけれど知られていない何か、
難しいけれど実行可能な何か。
これを、ピーター・ティールは、
「隠れた真実」
と言っている。
生産者が生産そのものに集中できれば、現在の担い手問題は少し解決する。
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