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お金のブロック26

親戚が亡くなって、お通夜と葬儀があった。
僕は会館で、帳場の香典管理を任される。

生前、真面目に働かれた方の葬儀であるから、参列も香典も多い。

僕は帳面をつけ、お札を数える。
その時、ふと感じた。

ああ、お金に触れさせていただいている・・


と。

僕は裕福な家には育たなかったし、結婚してからは、給料は全てニョーボに渡して来たから、お金というものを持ったことがないのだ。

そう。僕は、

お金がある感覚


知らないのである。
すごく単純な話。

それがこうやって、リアルにお金に触れさせていただいている。

僕は、

これがお金があるという感覚だ


ということを、文字どおり”皮膚感覚”で吸収しようと努めた。少し嬉しい

大事に扱うお札から優しい気が伝わってくる。それは多分、故人への思いであり、自然に流れるエネルギーなんだろう。

二日目、帳場に座り、同じように感謝をしていた。すると、あろうことか、目の前に

小さな蜘蛛

が一匹、スーッと下りてきたのである。

着地された。

こんな街中の、しかも会館の中で、ですよ?僕は静かに我が目を疑った。

この蜘蛛は、故人のお使いなのかも知れない。ありがたいことである。

いずれにしても・・

僕はこうやってリハビリしていこう。
そしたら、いずれきっと、「歩ける」ようになる。

伯父さんのご冥福をお祈り申し上げます。

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