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Slackチャンネルの作成ルール・命名規則を再設計してみた。

こんにちは、瀬沼(@y_senuuu)です。
SHE株式会社でCOOとして、経営企画や組織全体の業務効率化を担当しています。

昨今のコロナ影響で急速にリモートワークへのシフトが進んだ結果、みんな大好きビジネチャットサービスSlackの導入が急速に拡大しています。(Teams派の方はごめんなさい)

そんなSlackですが、導入時に悩ましいのがチャンネルの作成ルールや命名規則やチャンネルごとの棲み分けです。SHEでは創業期からSlackを利用しているのですが、事業や組織の拡大にともなって当初作ったルールが立ち行かなくなってきたので、全面的に見直しを行いました。

同じような悩みを抱えている方のために、見直しの背景や具体的な設計方針をまとめました。

解決したかったこと

今回の見直しで一番解決したかったことは、情報の整理&オープン化です。当初は企業に関わる機密情報はなるべく守らないと!!という局所的な危機意識で多くのチャンネルがプライベートチャンネルとして作成されていました。

この状態で運用を続けていたところ、メンバーから以下のような不満が聞こえて来るようになりました。

今月の振り返り_2020年3月.001

多くのチャンネルがプライベート設定だったことにより、探してもチャンネルが見つからない→新しいチャンネルを作成→チャンネルが乱立→チャンネルの役割が重複→情報が分散→人によって情報格差が発生という負の連鎖が発生していたのです。

また、チャンネル名に関しても、部署の新設やメンバーの増加によって、以下のような問題が発生していました。

・チャンネル名とコミュニケーション内容にズレが発生
・独自の命名ルールが横行して、チャンネルの並び順がチグハグ
・数ヶ月に1度だけコミュニケーションされる謎のチャンネル

このような状況を解消するために、どのような思想で新しい作成ルール・命名規則を作成したのかを説明したいと思います。

チャンネルの作成ルール

細かいルールを設定してもルールそのものが形骸化してしまうため、「これだけは守って欲しい」という内容のみを設定しました。

今月の振り返り_2020年3月.002

以下、作成ルールのポイントを説明します。

■プライベートチャンネルは最小限
過去の反省を生かして、プライベートチャンネルは本当に機密性の高い情報をやり取りするチャンネルだけに絞り、パブリックチャンネルを基本としました。会社で例えるならばデスクでの会話=パブリック、会議室での会話=プライベートと考えると、何でもデスクで話せる組織の方が心理的安全性が高いですよね。
■コミュニケーション範囲の定義
チャットのコミュニケーションでは同時進行で様々な議論が進みます。そのため、どこで何が話されているかが直感的に判断できることは、業務の生産性向上に繋がります。
この状態を実現するためには、チャンネル内で意図したコミュニケーションが行われるよう、コミュニケーションの範囲を定義し、人とチャンネルを紐付けする必要があります。
■自然発生的な会話がしやすい環境
チャットの場合はオフィスのデスクとは違って、業務のやり取りがされているチャンネル内でちょっとした雑談がしづらいというデメリットがあります。そこで雑談やつぶやき用のチャンネルを自由に作れるようにすることで、オフラインと変わらない自然発生的な会話が生まれ組織全体のコミュニケーションを活性化することができます。

チャンネルの命名規則

チャンネルの命名規則は接頭番号、グループ、トピックスの3要素で構成されています。

今月の振り返り_2020年3月.003

例えばプロダクト部門の場合、以下のようなチャンネル構成になっています。

■各チャンネルのトピックス
#08_product
:プロダクト全般
#08_product_cx :CXやサイト改善の施策
#08_product_data :データやモニタリング
#08_product_dev :開発全般
#08_product_design :デザイン

以下、命名規則のポイントを説明します。

■接頭番号
接頭番号を付与することで、サイドバーでの表示順をコントロールできるようになます。general、勤怠連絡、通知系など重要度の高いチャンネル00_general00_attendanceといった名称にすることで、上位に表示して見落としを減らす効果があります。
■グループ
一定規模以上の組織では、組織の機能が大きく変わることは少ないため、部署や機能単位でグルーピングすることで、コミュニケーションを適切な範囲に収めることが出来ます
また、 #08_product のように各グループの汎用チャンネルを作成することで、チャンネル化されていないトピックスを議論できる余白を与えています。(表示箇所がグループチャンネルの一番上に来るというメリットもあります)
■トピックス
トピックスに何という名称を設定するかによって、パッと見た時の認識が変わってしまうため、誰が見ても分かる名称を設定する必要があります。また、トピックスの粒度を揃えることで、コミュニケーション範囲がイメージしやすくなるため、部署・機能・プロジェクトなど、事業や組織全体を見渡して適切な粒度を設定しましょう。

過去の経験上、グループやトピックスの名称に割り当てる英単語って人に寄ってブレる(例:質問や依頼系→ask/request/qaなど)ので、名称の規則も事前にある程度ガイドラインがあるとなお良いと思います。

ネーミングが悩ましそうなものの一例を記載しておきます。

日報:daily-report
勤怠連絡:attendance
従業員の連絡:employee
通知:notice
定常業務・運用:ope
総務:affairs
発注:order

(Slackさん、この辺の公式ガイドライン出して欲しいな)

再設計を終えた所感

ここ数年オフィスの環境改善やフリーアドレス化によって、社内コミュニケーションの活性化や生産性向上に取り組む企業が増えてきました。その効果がどの程度かは不透明ですが、一定の効果はあるように思えます。

リモートワーク化が進み、コミュニケーションが対面の会話からチャットに移りゆく環境においては、チャンネル=オフィスに近い存在になると考えています。オフィスのレイアウト同様、チャンネルを適切に設計・運用することは組織のパフォーマンスを上げる重要なファクターになるのではないでしょうか。

P.S
今回はSlackチャンネルの再設計についてまとめましたが、次回はワークフロー 機能の活用方法についてまとめる、、、予定です。

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