見出し画像

吉祥寺で、わさおに会う。

コロナ感染が急速に広がる中、
最近はできるだけ歩ける範囲で生活しているので
行きたかった展覧会もいくつか諦めていました。

でも、昨日歩いて買い物に行く途中、
楽しみにしていた展覧会に立ち寄りました。

武蔵野市立吉祥寺美術館の
「はしもとみお木彫展
いきものたちの交差点」。

昨日8月21日(土)が初日だったんです。

はしもとみおさんは
「情熱大陸」でも取り上げられたそうなので
(わたしは見逃していたのですが)
ご存知の方も多いかもしれません。

はしもとさんは元々は獣医を目指していましたが
阪神淡路大震災で被災し、
震災で亡くなった動物たちを
目の当たりにしたことで
「命とは何か」を考え、
失った命の形や今生きている動物たちを
美しい姿をありのままに残すため
美術の道へ進み、
「動物の命」をテーマに
制作を続けていらっしゃるとのこと。

展覧会ちらしに
「あるがままの命をそのまま楠から掘り出された彫刻たちは、
ただの型取りではなく、温もりと愛らしさ、
そして今にも動き出しそうなほどの
生命感に溢れています。」
とあります。

まさに、はしもとさんの作品を見ていると
あまりに自然で、
木材を電気ノコやのみで
加工した彫刻というよりも、
化石を発掘するように、
木の中にいた動物たちが
そのままの形で掘り出されたように
感じるのです。

展示スペースはあまり広くはないのですが
昨日は初日で時間が早かったこともあって
意外と空いていて、一つ一つの作品を
ゆっくりと拝見することができました。

それぞれの彫刻には
モデルとなった動物のスケッチが
添えられているのですが、
そこには動物の名前や
性格、エピソードなどが書かれています。

例えば、こんな感じ。

「南極へ行った三毛猫のタケシ。
「三毛猫の男の子はめずらしいということで
観測隊のいやしとなるべく同行した。」

「マー君 マレーグマ 東山動物園
頭がしわしわでいつも困り顔。
ぬいぐるみみたいだけど、
つめはめっちゃ長い。
木の形から思いついて
肖像にしました。」

本当によく動物たちを
見ているからこそ
生きているような温もりのある
作品を作ることができるのだろうと思います。

ひと通り作品を拝見してから、
展示室の入口の手前のモニターで流れていた
わさおくんの肖像の制作過程の映像を見ましたが
楠の木材を電気ノコで削り、
何枚ものわさおくんの写真を並べたボード(?)
を眺め、わさおくんの細部を確認しながら、
耳の丸みや目元、ふんわりした
毛などをのみを振るって仕上げていきます。

その後、もう一度わさおくんの像を見ると
「あの木材から
こんなに柔らかいわさおくんの表情と
佇まいを生み出せるなんて、すごい!」
と改めて感じました。

わさおくんに限らず、
どの動物も全身が作られていて、
その姿勢もとても自然なのです。

受付で「写真撮影OK」と伺ったので
わたしも写真をたくさん撮りましたが、
他の方達も角度を変えながら
あちこちで写真を撮っていました。

昨日はお子さんは一人しかいませんでしたが、
親子で楽しめる展覧会だと思います。

(もちろん、この状況なので、
あまり強くはおすすめできませんが,
10月まで会期があるので、
感染状況を見ながらご検討くださいませ) 

殺伐とした毎日の中で、
本当に心があたたかくなる、
ほっとする展覧会でした。

「はしもとみお木彫展
いきものたちの交差点」
武蔵野市立吉祥寺美術館
8月21日—10月3日
吉祥寺駅徒歩3分、
コピス吉祥寺A館7階
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/ 

感染状況によっては、展示期間や時間も
変更される可能性がありますので、
お出かけの前には必ず最新の情報を
確認なさってくださいね。

この美術館の後に向かった行きつけのスーパーも
意外と空いていましたが、
吉祥寺にはやはりある程度の人出があり
用事を済ませて急いで帰宅しました。

今日は一日自宅で過ごします。

どうぞ今日も気をつけてお過ごしくださいね。

今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

チケットもわさおくんでした(^^)

カフェで書き物をすることが多いので、いただいたサポートはありがたく美味しいお茶代や資料の書籍代に使わせていただきます。応援していただけると大変嬉しいです。