グループK

解離性同一性障害、多重人格を患う患者のメモ。 元のブログはこっち https://a…

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解離性同一性障害、多重人格を患う患者のメモ。 元のブログはこっち https://ameblo.jp/oshirihuki1987/

最近の記事

私の中のたくさんのワタシたち

あの日から1年がすぎて久しぶりにルイに会った朝のこと。 その頃にはもう私はルイのことが好きだということを自覚していて多分きっとルイも気づいていた。 でも私はこの関係が心地よくて壊したくなくて何も言えなかった。 そのころルイはバーテンダーをしていて気づくとどこかしらにピアスが増えていた気がする。 「耳、もうあくとこないね」 「んー。せやなぁ。次はちんこにでもあけたろかな」 「いたそ」 バカみたいな会話が心地よくてずっとこの時間が続けばいいとおもってた。 今思えばピアス

    • 私の中のたくさんのワタシたち

      久しぶりに外に出て相変わらずの家の空気に辟易とする。 ここでの私は『遥』という役割をこなすだけの存在。 高校も卒業をする頃『遥』は大学への進学を決めたらしい。 なにをするにしろ私の人生では無いのだから勝手にしたらいい。 母親が夜勤でいない静かな部屋で携帯だけが私をここにつなぎとめている。 私がメールを送ると直ぐに友人から返事が来た。 『電話がしたい』と。 珍しいこともあるものだと友達からの着信を待って沢山話しをした。 お互い不眠なのもあったし私を私として扱ってくれる

      • 私の中のたくさんのワタシたち

        『家の近くの弁当屋のアジフライが美味いから食え』とか『暇だろうから顔見に行ってやる』とか何かにつけて現れるルイに私はもう慣れきっていてもう成人している大の大人が明け方の公園で思いっきりブランコをこぐ姿が今も胸に焼き付いている。 それは私が私でいられる唯一の時間だった。 「ユキは彼氏とかいぃひんのか」 冬の肌寒い日にルイが唐突にこんなことを聞いてきた。私が男嫌いなこと知ってるくせに。 「男なんてやることしか考えてないじゃん。いらないよそんなの」 「ほーん。」 ルイは

        • 私の中のたくさんのワタシたち

          ※性被害の描写があります。閲覧注意 私と同じ制服が沢山いる中で自分の教室にいくと冷ややかな視線が私を襲った。 「人の彼氏に手出さないで」 そんなことを言われた。 彼氏?私の脳みそを揺さぶるみたいにあの夜のことがまざまざと思い出されて吐き気が込み上げてきた。 口を押えて教室を飛び出す私に『くそビッチ』という声が耳を掠めた。 胃液しか出なくなるまで吐いてトイレの個室でため息をつく。 なるほどあの男はあの女の彼氏なんだな。 『彼女にクリスマスプレゼントをあげたいから一緒

        私の中のたくさんのワタシたち

          私の中のたくさんのワタシたち

          私は遥の代わりだった。 気がついた時は中の世界にいて偉そうな男にルールを告げられた。 『決して自分の名前を名乗るな』 『遥のふりをし続けろ。』 『お前は所詮代わりだから文句は許さない』 理不尽にも程がある。 私にも名前があるのに。 中の世界はたくさんの人がいてその偉そうな男は『みやび』と名乗った。 みやびはここの世界でえらい立場にいるようだった。 そして遥というのは表の世界を生活している子だった。その代わりを私にしろという。 中の世界は上のフロアに行く階段と下のフロア

          私の中のたくさんのワタシたち

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          『解離性同一性障害』 私につけられた診断名。 簡単に言えば『多重人格』ってやつ。 多重人格って言うものに世間が思うイメージって何? 漫画みたい?犯罪者みたいで怖いやつ?厨二病? そんなイメージと共にきっと『自分が沢山居たらいいなぁ』とか『辛い時に代わってもらえるんでしょ?』なんて。 そんな都合のいいことなんてなくてそれぞれが自我を持った存在なので好き勝手するし勝手に自殺しようとしたりなんか日常的に起こる。 それでも私たちはこの世界でいきてる。 私たちのそんな不思議な

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