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第86回 思い描いていた未来が、去年起きたAIのビッグバンで塗り替えられてしまったことに、どれだけの人が気づいていますか?

AIによって塗り替えられた未来を把握しておこう!


最近、西野がやたらと興奮しています。

理由は「『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本が書けたから」というのが一つ、
そしてもう一つは「想像していた未来と違う未来が来てるから」です。

もちろん今日の話は後者です。

2020年11月にリクルートワークス研究所の方が書かれたコチラの記事が面白いです。

↓↓↓

記事を読む時間が無い方の為にザックリと記事の内容を紹介すると……

「繰り返し仕事(定型業務)はAIに代替されやすい」という前提のもと、

・ブルーカラーでAIに代替されやすい職種

・ホワイトカラーでAIに代替されやすい職種

・ブルーカラーでAIに代替されにくい職種

・ホワイトカラーでAIに代替されにくい職種

の4つに振り分けておられます。

※「ブルーカラー」=肉体労働、「ホワイトカラー」=頭脳労働

概ね「確かになぁ~」という感じになっているのですが、いくつか「おや?」と思うところがありました。

たとえば、「ブルーカラーでAIに代替されやすい職種」の中に『販売員』とあります。

たしかに「無人コンビニ」なんて話も聞きますし、セルフレジも見かけるようになりました。

ただ一方で、アパレル業界で(メガネ業界や飲食業界でも)今起きているのは「どの服もオシャレだし、値段で差別化も図れないんだから、販売員にファンを付けていくしかないよね」という『人検索』で、AIとは対極にあります。

これらの業界に入り込んでいるAI技術は、もっとクリエイティブの部分であり(だから技術で差別化が図れない)、「販売」に関しては『人』で勝負…という感じになっています。

AIを差し込む場所が『将棋』に近いんです。
「インプットはAIで、アウトプットは人」みたいな。

更に面白いのは、(2020年11月の時点で)「ホワイトカラーでAIに代替されにくい職種」に分類されている「美術家・デザイナー」です。

ゲーテ読者の皆さんなら御存知だと思いますが、『バンドザウルス』の絵を描いているのは、美術家ではなく「AIを使った一般人」であり、『プルスサステナ』の洋服をデザインしているのは、デザイナーではなく「AIを使った一般人」で、すでに熱狂が生まれ、お金が生まれています。

実際、僕が働いている業界でも「コンセプトアートは人じゃなくて、AIに任せれば良くね?」という声がよく聞こえます。

「非定型業務だから、AIは脅威じゃない」とタカをくくっていたら、とんでもない。

「ビジュアル創造は、人間にとっては非定型業務かもしれないが、その内容は『これまで見てきたモノの編集作業』であるから、実はAIの超得意領域だった」というのが2023年の見解です。

つまるところ、僕たち人間はAIを見くびっていて、それによって未来地図が大きく変わりました。
#面白い
#望むところじゃん

このことを、けんすうサンに話したところ、GREEの田中さんが話されていた「僕らは、どうやらWeb3を見誤っていた話」を教えていただきました。

これまでの僕らの「Web1」「Web2」「Web3 」の理解は以下のとおり。

↓↓↓
【Web1】
メディアや法人が一般人に向けて発信していた時代 


【Web2】
TwitterやYouTubeやInstagramなどで、皆が発信ができるようになった時代 

【Web3】
Web2時代に幅を効かせたプラットフォームを無視して、 ブロックチェーン上で自分達を自分達で管理し合うようになった。

…細かい説明は省きますが、ザックリとこんな感じでした。

そして、「次はWeb3(ブロックチェーンとかNFTとか)っしょ!」みたいな感じでグイグイ進めてきましたが、

ここに来て、AIが爆速で追い上げてきて、GREEの田中さん曰く、こんな感じになっちゃった。
↓↓↓

【Web1】
メディアや法人が一般人に向けて発信していた時代 

【Web2】
TwitterやYouTubeやInstagramなどで、皆が発信ができるようになった時代 

【新Web3】
AIによってクリエイティブスキルが低い人でも発信できるようになった時代

【Web4以降~】
Web2、Web3時代に幅を効かせたプラットフォームを無視して、 ブロックチェーン上で自分達を自分達で管理し合うようになった。

……たしかに(笑)

Web3は「生成系AIの時代」であり、これまで僕らが思っていたブロックチェーンうんぬんカンヌンの時代は、Web4以降に持ち越された。

僕らが思い描いていた未来は2022年に起きたAIのビッグバンで塗り替えられてしまったようです。

ここらへんの認識がズレていると、いろいろと打ち手を誤ると思うので、今日はその共有でございました。

面白くなってきました。

現場からは以上です。

西野亮廣

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