見出し画像

看護師のキャリアに関するおすすめnote

結城と申します。これまで大手求人・転職サイトでの勤務や、コンサルタントとして医療機関の採用や広報の支援を経験してきました。

特に看護師の転職や採用に携わることが多かったのですが、率直に「看護師のキャリア形成って難しいな」と感じています。

「看護師」という言葉に一括りにされる職種なのに、その仕事内容や役割や施設形態によってまったく異なります。「いろいろな活躍の場がある」とも言えるのですが、どの道でキャリアを積むべきか悩まれる方のほうが多い印象ですし、その意思決定に携わる側にとっても難しさがあります。

これまでは「急性期病棟でバリバリ働く看護師」がひとつのキャリアイメージとして機能していたのかもしれませんが、今はそうではありません。現在看護師が不足しているのは訪問看護ステーションなど主に在宅の現場ですし、予防医療の領域で看護師が求められることも増えてきています。

これから「これぞ看護師のキャリア」というキャリアイメージはよりぼやけていくでしょう。だからこそ、いま多くの看護師の方のキャリア観を知ることはすごく大事なことだと考えています。

本記事は、私自身がそれを理解するために参考にした記事のまとめです。看護師を目指そうとしている方、看護師としてのキャリアで帰路を迎えている方にとっても参考になると思い、本記事を作成しました。

『病棟看護に白旗を上げた今』

病棟勤務から訪問看護師&動画クリエイターに転身したTOSHIKIさんのnote。理想の看護師像から逆算したキャリアを選ぶことの重要性を提言されています。

同じ看護師というキャリアでも、目標が違えばアプローチも変わります。

”家”を作りたくて材料を集めたのに、持っている設計図が”橋”の設計図だったら?

建築技術は身に着くけど自分の目標の達成にはちょっと遠回り。そういうことです。

一言に看護師と言っても、急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、訪問看護ステーション、老健、特養、企業など職場はさまざま。求められる役割も救命、回復、緩和ケア、看取り、生活支援、予防などがあり、看護師という仕事は本当に多岐に渡ります。

看護学校や大学ではこれまで「まず急性期病棟で基礎づくりをしましょう」という指導が多かったようですが、予防医療や在宅医療の重要性が高まっている現代においては、目指す場所によって歩むべき経路は異なるのかもしれません。

『クラシコなら医療業界に対するモヤモヤを解消できると感じました』

看護師経験を経て現在白衣ブランドのクラシコで勤務されている中尾妙さんのnote。

看護師をしていた頃に感じていたモヤモヤは抱えたままでした。患者さんからは感謝されるけれど、周囲からはキツくて大変な仕事と思われている現実。ナースウエアも着心地が悪く、職場環境も決して良いものではありませんでした。

もっと憧れの職業であっていいはずなのに、そうなっていないことにもどかしさを感じていました。そんなとき、クラシコと出会ったんです。

医療機関の仕事は確実性が求められる現場。その反動として、多くのものごとが昔から変わらない形で残っています。紙の記録、FAX、紙のシフトなどなど。医療現場には働きやすさの余地があります。医療服もそのひとつ。医療現場を経験した人がビジネスの世界に飛び込み、外から医療現場を変えていくことも増えていくのかもしれません。

『平凡な看護師でも一般企業で活躍できる理由を考えてみた』

元看護師で、現在はBtoBマーケターとして活躍されているきなこさんのnote。看護師が一般企業に転職しても勝ち残れる具体的根拠をまとめられています。その一部を抜粋すると以下のとおりですが、それぞれの説明に説得力があります。

・学習習慣が身についている
・観察&アセスメント力がハンパない
・ホスピタリティ精神が叩き込まれている
・ロジカルシンキングが鍛えられている
・ストレスフルな環境で働くのでメンタルが強い
・夜勤や不眠の実習を乗り越えてきたので体力ある
・老若男女+様々な疾患を抱えた人と関わるのでコミュ力高い

きなこさんが書かれているように、一般的には看護師から一般企業への転職は難易度が高いと言われています。ただ、そこは一歩踏み出してみないと誰にもわかりません。私の元同僚にも元看護師として活躍されている方が何人もいらっしゃいました。

そういう方々に話を聞くといろいろと心配せず、「えいやっ」で転職してきた方が多いです。「えいやっ」と思うこと自体が難しいのですが、この記事はその背中を押してくれそうです。

『美容看護師ってどうなの?』

美容看護師として働くメリット・デメリットをまとめたnote。著者は看護師の方ではありませんが、美容医療業界をビジネス視点も交えて解説されています。私自身、美容クリニックの営業担当をしていた経験がありますが、とてもわかりやすく要点がまとまっている良記事だと思います。

本記事にあるように美容クリニックは医療機関とはまったく別の環境です。その分メリットも大きいですが、求められる能力も全く変わってきます。振れ幅が大きいキャリアチェンジでは、よく理解して足を踏み入れることが重要ではないでしょうか。

『千葉県成田市の奨学金を返済し終えました。』

条件付き返済免除の奨学金の条件を履行しない道を選んだおおたにしょうさんのnote。

看護師資格の取得を目指す際には条件付きで返済免除になる制度が存在します。多くの場合、その条件は一定期間以上指定の医療機関で勤務すること。学費を支援してもらいながら看護師を目指せる素晴らしい制度ですが、逆を言えば、卒業後のキャリアが制限されます。高校3年生で行った意思決定に長ければ8年程度(修学期間含め)縛られることになるのです。

この奨学金の縛りに苦しむ方がいるのも事実です。大学在籍中に別のやりたいことができたり、就職後に病院以外の看護に挑戦したいと思っても、この縛りが足かせになって一歩踏み出せない方を多く見てきました。そういう方々にとって、返済免除を捨てて別の道を選び、しっかり奨学金を返し終えたおおたにさんの記事は勇気を与えてくれると思います。

『看護師の仕事はなぜ理解されないのか。』

看護師の仕事内容が理解されていない現状について綴られた救命救急看護師のJOさんのnote。「看護師の仕事内容が理解されないことで、看護師の立場や待遇が改善されていないのではないか」という問題提起がされています。

たしかに看護師の仕事内容は非常に捉えにくいと言えます。看護という仕事は医療・介助・リハビリ・事務など多くの領域に跨っており、勤務する施設によってその役割範囲が異なります。どこからどこまでが看護師の仕事なのか。この不明確さに悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。

そんな難しさをはらむ現状に対してJOさんはこう提言しています。

もっと看護師は外に飛び出して、自分の価値や医学的知識、患者さんとの関わりで蓄積した看護の能力をもっとアピールして良いのではないだろうか。

看護師が能動的に動くというのは何となくタブー視されているようだが、看護師がもっと積極的に医療の情報だったり自分達の仕事について語ることによって看護師の価値は何倍にも膨れ上がると思っている。

看護師はちゃんと実力があるし、人数も桁違いに多い専門職の集団なのである。

そんな看護師に必要なのは行動することだけだと思う。

「看護師の仕事内容は理解されにくい→だから適切な環境整備や地位が得られない」という思考に留まるのではなく、その現状は看護師自身が変えるべきということでしょう。

たしかに看護師の現状を変えられるのは看護師だけなのかもしれません。現場で目の当たりにした不安を解消していくために、今いる場所でできる行動を起こすことも、キャリア上のひとつの選択肢と言えるのかもしれません。

『看護師の大変さ、どんなものか見せてあげる』

最後は看護師のナースあさみさんのnote。看護師として一番忙しかった日の話を時系列で詳しく記されています。

すごく重みのある内容というか、看護師の大変さをずっしりと感じることができます。「一番忙しかった日」なので悪条件が揃っていた稀なケースだとは思いますが、「こういう状況を覚悟する必要がある仕事なんだな」と理解することができます。

本記事はキャリアに関連しませんが、看護師を目指している方、看護師のキャリアに関わっている方にはぜひ読んでいただきたいです。

新型コロナの感染拡大で想像もできない過酷な環境で勤務されている看護師の方も多くいらっしゃると思います。どんなに困難な状況においても人命という大きな責任を負う仕事なのだということをできるだけリアルに理解しておく必要があるのではないでしょうか。

最後に

以上、私が看護師のキャリア観について自己学習する中で「とても参考になった」と思えるnoteをまとめてみました。どなたかの参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?