見出し画像

ある晴れた日のソリチュード

身体が邪魔だ!と
かなぐり捨てて
抜け出すような感覚

まさに脱皮に近いんだろうか
そんな内側の声のままに
飛び出した空は
何処までも広く自由で青かった

ほのかな薫る風すら濃縮に
僕の背中を押して
押し上げて
舞う軽やかな浮遊感

あぁ……、息ができる
そうだ
空気にすら味はある

抜け出した筈の輪郭は縛るものではなくなって
僕が僕だと 髪の毛一本の先まで
充満する自分という存在への実感と納得

きっと僕は泣いていたんだろう
きっと僕は笑っていたんだろう
きっと僕は、幸せだった

なんでもない日に
唐突にやってきた目覚めは
けたたましくも 慌ただしくもなく
するりと絡まった鎖が綻んで解けるように 
その時を連れてきた

きっと泣き出したかった
きっと喚き散らしたかった
叫び
ただ、叫んだんだ
前へ

その声が 今、追いついて
やっと届いた
たった一人の

僕から僕へ

飛び立つ羽は
もう手の中にある


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?