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在りし日の記憶

12
かつてのブログに書いていた日記のより抜きです。全12日分
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2020.03.25

2020.03.25

激務を終えて何気なく触った耳の裏に腫れ物があることに気付いたのが2週間前ぐらいで、初めて行った近場の皮膚科では治せずに大学附属病院に行くことになった。昔付き合っていた彼女が車にはねられてこの病院に担ぎ込まれたような気がする。10年ぶりの病院は内装も外装も記憶の中の施設とは違っていて、つくづく金の動く業界だなと思った。慣れない受付を済ませて案内された待合室は空気が淀んでいて、少し離れた位置にあったパ

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2019.04.18

2019.04.18

「死ぬまで◯◯する」という表現に言及した途端、世の中に溢れるワードのなかからそれが際立って見つけられるようになって、それはいつ時計を見ても12:34の表示である気がしたり、ある行動の度にデジャヴを感じている気がしている感覚に似ているなと思った。窓を開けると室内より屋外の方が暖かく感じられるようになった。ベッドの上でくしゃくしゃになっている掛け布団のカバーをいつ洗濯しようかと考えて、それは次の休日の

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2019.02.13

2019.02.13

ここ数年間の冬はいつも同じストーリーをなぞっていて、雪の降らないクリスマスを過ごしたら溜め込んでいた雪を吐き出す空、除雪を憂鬱に思う年末、師走どころではない忙しさに記憶が飛ぶ正月。正月らしさを感じるために昨年買ったたこ焼き屋の福袋を思い出しながら、今年はマクドナルドの福袋を買った。どちらも出した金額と同じだけの商品券が入っている。原資を取り戻せるものでないと手が伸びないケチなところが出ていると思う

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2018.08.06

2018.08.06

雨乞いをしたら記録的な雨が降ってきて全国ニュースレベルの災害になってしまった我が県ですが、ドラマが過ぎませんか。その影響なのか空には雲が多く、うんざりしていた日差しも少し柔らかい。今年は夏祭りに行くモチベーションが湧かずどうでもいいなと思っていたのに、後輩が一人ででも行くと言ったところにうっかり声をかけてしまって、今電車で待ち合わせの場所まで向かうところ。仕事が休みになるまでにやりたいことがたくさ

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2018.05.13

2018.05.13

長年触っていなかったシャーペンのグリップがパキパキに硬化したり、あるいはベタベタになったりしていることありませんか。あれはなんなんだろう。たまの休日にやるべきことなんて消耗品の買出しぐらいで、仕事は稼動人数が減って稼ぎ時の週末が大変で憂鬱。歩いたって当たる棒も無いくらいの田舎なので、最近は大体家にこもってゲームにいそしんでいます。最近全然カメラを触っていないからそろそろ動きたいなと思っていた矢先に

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2017.12.18

2017.12.18

実に2ヶ月ぶりの更新ですって。11月中に何かしら書いたかな、という偽の記憶が埋め込まれていたようで宇宙人のキャトルなんちゃらを疑ってます。師走の字の如く、年末にかけての時間の流れは、まるで坂を転がる小石のようにスピードを増している気がして、気付けばあと半月で今年が終わるという。部屋で十余年腰掛けていた学習机の椅子を解体し、新たにワークチェアをこさえたら部屋の面積が圧迫され、とうとう立つか座るか寝る

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2016.02.24

2016.02.24

仕事終わりと休日の話。シンプルに単純作業を延々とやり続けるのは見た目と内容以上にしんどいことで、目は半開きで足取りもふらつく状態で電車に乗り、これではまずいと体に喝を入れるべくエネルギーを求めた。結果、帰路の途中で山盛りのラーメンを胃にしまい込む事で事なきを得た。圧倒的質量。カロリー。高タンパク。最後にモノを言うのはニンニクと極太麺だ。翌日、休日出勤を耐え抜いて、帰宅するなり友人と食事をする話をし

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2015.12.11

2015.12.11

雨が心地良い時ってどんな時だったっけ。傘を差しても足が濡れ、気圧がどうのこうので頭が痛くなり、ここ2日ほど不快以外の感情を洗い流されたような気持ちでいる。アラームがなければ起きたい時間に起きられないのは寒さのせい。布団から身を起こすと、ソファの裏に私服の山が積まれているのが見える。休日にあれやこれやと着たり脱いだりしたものの名残で、散らかっているなぁという認識だけして手を付けずにいる。来客がある時

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2015.09.20

2015.09.20

雨が降り続いて湿度が天井知らずで高まり、明けないかと思われた雨雲がようやく流れ、晴天が覗いたと思ったら遅れてきた残暑は夏の残り物。自宅にソファが届いたので汗だくになりながら組み立ててご満悦。一度掃除して綺麗にしまった扇風機をもう一度出すのは意地でもやらないぞと思っていたけど夜には結局引っ張り出す羽目になった。日々が過ぎていく中で賃貸契約の期限が迫ってきたり転職のタイミングのことを考えたりしてる。頭

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2015.09.06

2015.09.06

目を覚ましたらまず視界に入るのがベッドの向かい側の壁に立てかけてある時計で、もう会社にいなければおかしい時間を指していたので、まず口から出た言葉が「やべぇ」だった。シャワーも浴びず髭も剃らずに下着と服を着替えるのは気持ちの悪いことで、嫌な気持ちで外に出たら吹く風がすっかり冷えていた。昨晩訪問先から直帰できたからためらうことなくニンニクと油が浮いたラーメンを食べて口内環境が帰宅困難区域。帰宅するなり

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2015.08.05

2015.08.05

茹だる、という言葉と茹でる、という言葉が似るところには共通項があって、それはいずれも高温(及び熱湯)によってぐったりする所である。出張先から戻る日に炎天下の中で水を浴びたような発汗をして、やはり茹でられたようになって帰ってきた。岩手県には岩手山という逞しい山があって、まさに入道と呼ぶに相応しい積乱雲がその山並みの美しい曲線をなぞるように盛り上がり、今が夏なのだと思い知らされる情景が広がっている。新

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仮面について

大きなキャリーバッグを引っ張って昼間に部屋から抜け出して、帰ろう帰ろうと思っていた実家へ向かうバスに乗った。バッグの中には不要品が詰まっていて、実家に置き去りにしてしまう算段。キャリーバッグを引いている姿を見れば誰でも遠方からの旅人と思うから、変装もなくよそ者の仮装ができるので、キャリーバッグは好きだ。土産物屋の前を通ればよく声が掛かる。駅ナカの、地元の高校生がたむろするパン屋に一人で入っても浮か

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