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塾の先生(正社員)の待遇や仕事内容 ※2014年当時の早稲アカでの思い出

二月の勝者、面白いですよね。漫画も良いし、ドラマも面白い。塾の先生目線のドラマってのも目新しい。でも、塾の先生って実際はどんな仕事してるの?二月の勝者のまんまなの?そんな疑問も湧いてくることかと思います。

今回は、進学塾(早稲田アカデミー)の正社員として約9年、うち7年間は校長として勤務していた頃の思い出を語りたいと思います。

1.塾の講師の勤務体系について

塾の先生って、一般的な勤務体系とは大きく異なります。

まず勤務時間13:30〜22:00とかです。当時勤務していた早稲田アカデミーも、こんな感じでした。

で、実際13:30から始業なの?っていうと僕は全くそんなことはなかったです。大体早いときは通常期で9:00〜 受験生の面談とか無料テスト後の返却カウンセリングとかの際には、朝スタートでした。

あと22:00に終わるの?という観点ですが、割と最近は22:30頃には退勤できているようです。僕が新卒の頃は、終電で帰れれば御の字。途中から終電気にするのも面倒になって、原チャで通勤してました。

あとは休みですけど、休みは平日1日と日曜が標準。ただ日曜の特別コースなんかを担当すると、2週に1回は授業を担当するので休日出勤となります。直前期の日曜はあってないようなもんですね。

時期的な休みで見ると、GWとかは比較的休めました。夏も合宿と講習会の後期スタートまでの1週間くらいはお休みですね。逆に年末年始は正月特訓があるので休み無し。というか僕は当時稼ぎたかったので、年末年始は休まない!と決めて毎年正月特訓やってましたね。

ざっくりと塾講師(正社員)の働き方はこんな感じです。

2.収入について

 塾講師って収入はどうなるの?という観点ですがざっくり

基本給+超過勤務手当+役職手当+特別コース手当

のような構成です。校長以上の管理職になると当時は年俸制で、超過勤務手当が支給されなくなるパターンでした。(今はだいぶ変わっている様子)

また賞与は一般職と管理職で構成が変わりますがざっくり

基本賞与×評価乗率+達成報奨金

という構成です。

ちなみに評価は何で決まるのか?というと塾なので塾生数や講習会の申し込み率、選択講座の申し込み率、合格実績などで決まります。

こういうのを書くと「だから勧誘があるのね」と疑いの眼差しを向ける方もいると思いますけど、いい授業して、ちゃんと家庭と連携とって、成績伸ばして、伸びてなくても対応しっかりしていれば自然と申し込みは集まります。

塾生数も同様で、しっかり対応して講師が育って、子供たちがやる気になって成績を伸ばして、合格実績が揃えば自然と生徒は集まります。(校長在任中、7年のうち4年は塾生数の達成もしました)

でも一部の優秀生はちょっと特別扱いしちゃいましたねw

あと僕の場合、講習会なり選択講座なりは、個人的に迷いなく選択してもらう提案をしてました。もしその講座よりも効果のある家庭学習ができれば、もちろんそちらでOK的なスタンスです。当時は自惚れてたのか、「絶対自分の授業受けてた方がいい」と超自信満々に思ってました。(でも塾講師とかコンサルもそうですが、こういう自信とハッタリは結構自分を追い込むために大事)

ちなみに僕は当時から自分の給与を毎月エクセルで記録するタイプでして、今でも当時の給与明細も結構残してあります。(データは無くなっちゃいましたが)

記憶を掘り起こすと大体

2年目で年収400万くらい、校長になって各種達成をして年収600万くらい(当時26歳とかだと結構頑張ってた方)でしたね。ただ僕は26歳で結婚しちゃったので、独身貴族みたいな遊び方は残念ながら出来ませんでした・・・

3.具体的な仕事内容

では、塾講師の仕事内容ってどんなことがあるの?という観点で書いていきましょう。

一般の講師の場合、授業以外だとほぼ僕の場合新規問い合わせ者対応でした。無料のテストの勧誘電話かけたり、体験授業の生徒の準備したり、そんな感じですね。その他昔は校舎でテストやってたりしたので、その採点業務とか。また校長からの指示業務もあります。

ちなみに設定時間中に授業の予習は禁じられてます。これは、時間契約講師が授業準備で給与が出ないのに、正社員だとOKって変な話ですもんね。なので、予習は原則家または早く出勤してやってましたね。

ただ実際13:30から始業して、生徒が塾に来始める16:30頃までって実質3時間程度しかなくて、授業がフルで入っていたとしたら、気づくとあら不思議、22時になってるんですよ。なので、休憩1Hも超形骸化。休憩1H取ってたら正社員としての勤務2hですよw変な話ですけどね。

と、まぁこんな感じなので毎日が怒涛のように過ぎていきます。

1人の正社員講師がたとえば週7コマ担当するとします。ほぼメイン科目で担当した場合、平均15人として105人の生徒と保護者の対応を五月雨式に捌いていくわけです。

週7コマって言ったら、勤務5日のうち、70%が埋まっている状態です。それ以外に、問い合わせの一般生の勧誘や対応をしていくわけですから、常時100人以上のことについて、頭を巡らせるわけです。

正直、キャパシティの低い人、塾講師無理じゃね?と感じます。そうなると、いくら授業が上手でも、対応キャパ超えちゃうと途端に「対応悪い!」と信頼を失う講師がいます。でもそれは、講師1人あたりの顧客数の問題であって、悪気があってやってるわけじゃないのです。この講師1人あたりの生徒数(顧客数)は塾のビジネスモデルにおける見えざるリスクだと思います。正直当時はこのKPIで管理していた記憶はありません。

このように忙しそうにしている講師を目の当たりにし、電話しても授業中であることが多かったりする。そうすると顧客側も遠慮して「先生もお忙しいでしょうから」と質問や相談を遠慮がちになってしまいます。なんだか高いお金払ってるのに「モヤっとする」状態が出来上がりです。

4.外に出て感じる塾ビジネスへの疑問

ちなみに僕も、自分も顧客として息子を早稲アカに通わせてますけど、やっぱりたまにモヤっとしますw(全然電話かかってこないじゃんか!とかw)

僕の場合、ある程度自宅でのフォローはできますが、普通に考えて僕のようにシステムや科目の指導方法を熟知している親なんて、ほぼほぼ皆無です。

ただ、上記のように講師1人あたりの顧客数がキャパオーバーしてる場合、その講師に能力アップを望むのも無理がありますし、即改善は普通に考えてできないと思います。

じゃあ他の面倒見のよう個別塾に転塾する?確かにそれも1つの選択肢です。家庭で塾に何を望むのか?をはっきりさせておかないと、そのモヤモヤはきっと親のストレスとなり、子供にヤイバが向くことでしょう。

そしてこの情報は、「塾に入るまで顧客が入手できない」というのも、顧客の選択におけるクリティカルなリスクです。入塾金、教材費、その他入塾後に数ヶ月の月謝を払って、そんな状況を目の当たりにして、「考えていたサービスと違う!」と転塾検討しちゃうと、それまでの少なくとも約10万円はドブ行きです。

この状況は、早稲アカだけの話ではありません。少なくとも大手・中小ビジネスモデルで考えると、どこにでも起こり得ます。

特に中小塾は先生も少ないし、先生1人あたりのコマ数増やさないと利益出ないから、中小が面倒見がいいか?という観点も正直疑問です。(同じ7コマでも講師1人あたりの生徒数は少ないかもしれませんが)

そうなると、やはり「親」の力が重要となります。親の力は2通りあって、1つは塾サービスへの不満を別の個別や家庭講師、中受アドバイザーに投資する経済力、もう1通りは投資ができない代わりに塾の講師とまでは行かないまでも、家庭でフォローできるサポート力。

前者はどんどん課金すればいいと思います。正直、専門性の高い受験なのでリアルプロに相談した方が前むきに解決することは確かです。その代わりめっちゃ高いですねww書籍などを出している有名な受験アドバイザーとかだと、家庭面談・カウンセリングで1回4万円とかかかります。

(ちなみに私、妻と夫婦カウンセリングを心理カウンセラーのところに月1回行ってますが、それも90分30000円とかです。専門プロに頼むとこのくらいが相場でしょう)

個人的にはほぼ大半が後者だと思っています。中学受験は世間的にセンシティブな話題なので誰にも相談できないで困っている親御さんがめちゃくちゃ多いなぁと感じています。

今回実は、「専門プロに頼むとめちゃくちゃ高いけど、悩みを相談したい・・・。」そんなお困りごとを解決できるサロンを近日立ち上げ予定です。親がこの単元をどう教えればいいのか?子供はどうやって習ってくるのか?こんな時どうすべきか?など現場で感じていたリアルを事実を忖度なく発信していこうと思います。もちろん個別相談も可能にします。

ただでさえお金がかかる中学受験ですが、それこそ直前期に困ってとりあえず大手の個別や家庭教師に多額の投資をするよりはマシになると思いますし、個人的にはもっと経済的ハードルなく中学受験ができるようなサービスを立ち上げたいと思っているので、少しずつ広げて行けたらなと思います。

ということで、今回は塾の講師の仕事について書いてみました!次回もご期待ください。







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