目標から逆算した自主練をさせる指導

 少年野球において、目的意識を持たせることが重要だと以前述べたと思います。それはなぜ、今その練習をしているのか、これからどのようになりたいのかを意識させることによって、自分で考えて行動する力を付けされることができます。自分で考えて行動できるというのは人生において非常に大事なことです。たとえば、高校に行くと、小中学校に比べて、あれやこれをしろとはなかなか言ってくれなくなります。定期テストで点を取るにはどうすればいいのか、大学受験に合格するには何をすればいいのか?を考える必要があります。また、考えたことをその通りに実行しなければなりません。そういうことが自然とできるように、小学生の頃から野球を通して、考えて行動されることを身につけさせる。
 では具体的にどのように指導すれば良いのかを考えて行きます。まずは、目標・目的設定用紙というものを用意します。これは指導者が作成します。野球の目標(最終目標、中間目標、直前の目標)、私生活での目標、学校生活及び学業での目標、目的、向上ルーティーン、今の自分、未来のなりたい自分などです。
またこれらをもとに、この目標を叶えるためには、実際どのようなことをしていくのかを考えて、日割りで書いていきます。それを毎月やっていきます。これらを選手たちに書かせて、1枚は自分で持つよう、もう一枚は家族全員の見える位置に貼っておきます。

実践例
 野球目標 最終目標 甲子園出場する
      中間目標 高1で150キロ投げる
      直近目標 神戸市長期優勝
 私生活での目標 毎日お風呂掃除をする
 学校生活での目標 みんなの嫌な仕事を自らやる。
          全教科100点をとる
目的 社会で通用する人間になる
向上ルーティーン マウンドに上がる前に、ジャンプ         する
今の自分 (小6)100キロ
未来の自分 (高1)150キロ

練習メニューを考える
 今の自分から未来の自分になるためには、50キロ
 約4年で50キロ上げなくてはならない。そのためには、下半身を強化する→背筋を鍛える→上腕を鍛える。→インナーを鍛えるとやっていかなければならない。また怪我をしないためには、フォーム矯正しなければならないし、ストレッチもしなければならない。また、知識がなければ、いいフォームにもならないので、動画や本を読んで勉強もしなくてはならない。
じゃあ一日目は ランニング3キロ→シャドウピッチング→トレーニング(もっと具体化する)→ストレッチ
→野球に関する勉強
など考えなくてはならない。しかし、時間が無限にあるわけではないので、なにをどのくらいするのか、なども考えなくてはならない。また選手たちの本業は勉強することなので、勉強もさせなくてはならないので、それもうまく入れる必要がある。
 これらをやらせると、大人になるにつれて、目的意識を持てる人間になるので、どこのフィールドに行っても、自分で考えて行動できる人間になります。指導者は野球をうまくするだけでなく、選手たちのこれからの人生に野球を通して、どれだけの影響を与えられるかがいい指導者かどうかの一つの基準だと思います。野球をやめても、野球をやっていても、あのとき少年野球でやってたことが生きてるなと思ってもらえるような指導ができたら、いいなと思います。

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