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季節に潜む 全体性への気配

第13週 6月30日〜7月6日の記憶。 それを探る試みです。 
一年間のルドルフ・シュタイナー超訳に挑戦中です。

今週は、先週に引き続き、感じろ!感覚せよ!と迫ってきます。そういう季節だろ!ということなのでしょう。さらに、それらを言語化してみてと促されます。なぜなら、それらは全体性へとつながる未来への道筋だから!という強いメッセージを感じました。

では、読み解いてまいりましょう。

  

M. DREIZEHNTE WOCHE (30. JUNI – 6. JULI [1912]).

13.
Und bin ich in den Sinneshöhen
So flammt in meinen Seelentiefen
Aus Geistes Feuerwelten
Der Götter Wahrheitswort
In Geistesgründen suche ahnend
Dich geistverwandt zu finden.

Anthroposophischer Seelenkalender, Rudolf Steiners,1912

  


      そして、感覚の高みにのぼろう  
  却りて心の低き奥底で
  ソラリスの海から
  大いなるものの純粋なる表現が焼きつくだろう
  
  全体の気配を探せ
  あなたとの類縁性を導きだすように。




感じること

夏至を過ぎた太陽と一緒に、さらに感覚する機会を増やし、感性を高いところへともっていってください。といわれています。

もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目を見はる感性)」を授けてほしいとたのむでしょう。

この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤となるのです。

「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン


“知る”ことは“感じる”ことの半分も重要ではない。
という思想は、あなたにとって、非常に大切なことです。

とくに、自然観察の感受性は、小さい頃の方が間違えなく強かったはず。
年を追うごとに、歴然と衰えていきます…。
あえて、子どもの頃の感性を呼び覚まし感覚してゆきましょう。


先週に引き続き、雨の日は外へ!です。


そして、今週の課題は、それを詞(コトバ)にしてみよう!
または、詞(コトバ)を探してみよう!というものです。

詩を書かれる、noterさんには毎回脱帽させられています。50音しかない日本語の組み合わせで、見事にその人が感じている世界をつぶさに表現されていますよね。

そのように上手く書けなくても、何か詞(コトバ)で表現してみることで、グッと自分の内界に大いなるものの世界が広がってゆくのではないでしょうか?

もちろん、絵や音楽や写真なども同じだと思うのです。感じている世界を表現して、大いなるものと自分がリンクするポイントを探ってゆく。ただ、絵や音楽や写真などは、技術力によってただの“心地よいもの”のようになってしまう可能性があります。ですから、これらに自信がある方でも、純粋に詞(コトバ)を探ってみるのもよいのではないかと思います。


50音の中から純粋な音を選び出してゆくような気持ちで
トライしてみてください。




ソラリスの海


そして今週、詞(コトバ)に苦労した3行目。
直訳すると、Aus Geistes Feuerwelten=炎の精神世界から
というところです。

ぐつぐつと溶岩のように燃えさかるスピリチュアルな世界といわれても、なんか、怖そうなイメージになってしまい。かといって、精神の炎と訳してもなにか、状況がつかみにくく、理解しにくい…。

そこで、アンドレイ・タルコフスキー監督のSF映画『惑星ソラリス(1972年)』から、詞(コトバ)を借りることにいたしました。

この映画に出てくる惑星を覆う“海”は、ひとつの巨大生命体として描かれています。海が知性をもつ巨大な有機体であり、その海が宇宙ステーションにいる人間の心の奥にあるものを読み取って、あたかも宇宙飛行士の記憶が海によって形象化され実体をもつものとして送り込んでくるらしい…。

という、非常にシュールな状況が描かれている映画なのです。
世界観に入るのに少し抵抗があるかもしれませんが、
機会があれば是非、観てみてくださいませ。

つまりは、大いなるものは、あなたの記憶のふりをして、物事を物質化させ、感覚させている。ですから、それらを感じ、みえない心や精神といった類いの領域を表現して補うべきなのです。

そうすることで、感覚がさらに磨かれてゆくのです。



2024年6月大雨のあとに流されてきた葉



全体性への道
ワンネスからホールネスへ


ワンネスとは、この世のすべては1つであるという概念です。自分と他人、人類と自然など、物事を区切ってとらえてしまいがち。しかし、万物は大いなるものとして“ひとつ”として存在し、境なくすべてがつながっていると認識できるのです。つまり、あなたの中に自然があり、自然の中にあなたがいる。ということです。

この視点に立つと、自分と他人、自然と人間、個々の存在と大いなるもの全体が相互に依存し、深く結びついていることが感じられるでしょう。このような類縁性に覚醒し、理解することで、私たちはより深いレベルで他者や自然とつながり、共感しあえるのです。

そして、ホールネスとは、存在するものすべてが対等であり、安心して互いを信頼し、認め合える状態を指します。この状態では、すべての個々の要素がその独自性を保ち、尊重され、完全な形で機能できるのです。

たとえば、会社や組織において、社員同士が心理的な安全性を得るためには、マインドフルネスを導入し、ワンネスな精神状態を維持することが重要なのです。これにより、自分の立ち位置や役割が明確になり、効果的なコミュニケーションができるようになります。結果として、個々の社員が自分の力を100%発揮でき、組織全体や社会に対してポジティブな行動を起こせるようになるのです。

ティール組織やホラクラシーというキーワードが何年か前にバズりましたね。これらの概念が愚直に社会や組織の中で定着させているという話は残念ながら多くはきかれません。しかし、人類は間違いなく、この全体性への方向に進化していますよ。

現代社会において、これらの概念は、スピリチュアルな話だけでは済まないのです。個々の意識と行動に影響を与え、社会の中で持続可能な未来を築くために現在進行中なのです。


ですから、あなたもその気配をさまざまなシーンで
鋭敏に感じとってみてください。




すごくワクワクしたり、うれしいとき、心がとても穏やかなとき
心の奥底に、ふとモゾモゾした不思議な感覚を覚えることがあります
その感覚の内には、大いなるものからの素晴らしいメッセージや
真実のことばが織り込まれているかもしれません。

種々の“祈り”や“瞑想”をとおして、
あなたの内にある詞(コトバ)を探してみてください。

そして、深いつながりや表現を探求ことで、
この世界についてさらに知ることができるでしょう。




シュタイナーさん
ありがとう

では、また


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