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韓国日記(おまけ)ー韓国の料理2

韓国で思い出に残る料理をいくつか紹介

水原カルビ

韓国に行って間もなくしてから、友人のお父さんに水原に連れて行ってもらった。多分、最初にソウルに行って、総長に挨拶した時だったと思う。友人と言うのは日本の留学生会館で仲良くなった韓国人留学生で、東洋史の学生だった。韓国に住むというのでソウルに行ったら連絡しろと、連絡先をもらった。

例のホテルでレストランとナイトクラブを間違えて、400円もあれば食べられる晩御飯に5000円ぐらい払って落ち込んでいた。さっそく連絡したら、すぐに来てくれた。会社の社長さんをしてらして、運転手兼秘書付きで来られて、水原の民俗村に連れて行ってくれるという。

水原は最近世界遺産に登録されたホァソン(華城 화성)が有名であるが、それ以外にもさまざまな時代劇(史劇 사극という)の撮影に使われる民俗村も有名である。韓国の李朝時代の家屋が移設されており、まるで、韓国ドラマのセットに入ったような雰囲気を味わえる広大な野外博物館である。

1974年オープンなので、できてから6年ぐらいしかたっていなかったが、大変な賑わいで、楽しかったことは覚えているのだが、実は、この原稿を書くまで民俗村に行ったことは忘れていた。

それは、その帰りに食べたカルビがあまりにもおいしかったからである。カルビを焼いたものなのだが、人生で食べた食べ物の中でも一番のうまさだった。そのため、いまのいままで、あとのことはすべて忘れてしまっていた。残念ながらその店の名前は覚えておらず、そのあと30年ほどたって、華城の観光に行ったとき食べたカルビはそれほどおいしくなかった。

このお父さんには礼状を書いたのだが、当時はあまりにも韓国語がへただったので、(今もそれほど上達してないが)、「御子息」と書くつもりが「子息(자식)」と書いてしまった。アドゥニム(息子さん)とでも書くべきだったわけだが、これでは、ジャシク(「子息」の韓国漢字音読み)では、「野郎」という意味になってしまう。もちろん、知識としては知っていたと思うのだが、投函して初めて気が付いた。当然、その方からの返事はなく、それで縁は切れてしまい、水原カルビとの再会もなくなった。

トットリムック

これはドングリをさらしてアクを抜き、澱粉を固めたものである。ムック(묵)は、豆や蕎麦なのを粉末にして、固めたゼリーのようなものである。日本だとこんにゃくや寒天のようなものかな。これを魚のすり身でやるとカマボコになる(センソンムック 생선 묵という)。トットリムックはドングリ(도토리)で作ったものである。ドングリはアクが多くて日本では食べられないが、韓国ではアクを取る技術があり、昔から食べられている。

それ自体にはたいして味があるわけではないが、食べ馴れると結構おいしい。ゴマの葉のキムチとかトットリムックは日本では食べられないので、ときどき懐かしくなる。それで、韓国に行ったときはよく食べるのだが、そんなにべらぼうにおいしいものではないので、韓国で食べても、「うん、まずい」とまではいかないけれど、まあこんなもんだったな、という感じである。しかし、何年か食べてないとまた食べたくなって、その繰り返しである。

福岡のオキュウトもそんなかんじだろうか。特にうまいものでもないが、毎日食べてたので、何年か経つとまた食べたくなる。