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教科書に載せて欲しい「資産形成」についての常識

2022年4月から、高校でも資産形成についての授業が加わるということで、私がこの1年ほどかけて学んだ「資産形成の常識」についてまとめます。

私も勉強をしていて「なんでこれを学校で教えてくれなかったんだ!」と思うことばかりでしたので、資産形成や投資について興味がある人の参考に少しでもなれば幸いです。

最後に今回読んだ書籍(11冊)も載せています。

長期投資と短期投資

◆投資で最も安全なのは「超長期投資」と「超短期投資」
◆ウォーレンバフェット=長期投資、デイトレーダー=短期投資
◆「長期目的で買ったものを短期で売る」「短期目的で買ったものを長期保有する」というが一番ダメ

投資にはリスクがつきものですが、最も安全と言われているのが「超長期投資」と「超短期投資」です。

「超長期投資」とは一度買ったらそのまま放置という具合で、10年、30年スパンで行うような投資です。

投資というとデイトレーダーのように毎日画面と向き合って日々の値動きに一喜一憂しているイメージが強いですが、一流投資家は「圧倒的長期」での投資を推奨しています。

当たり前と思われるかもしれませんが、投資において「安いときに買って高いときに売る」というシンプルなルールが最も重要です。

長期投資の視点を持っていれば、例えばある銘柄が暴落をした時に焦ってそれを売るのではなく、逆に買い増しておき、時期がたち反転して上昇した際にそれを売る、という戦略が取れるのです。

逆に短期投資は、いわゆるデイトレードでその日に行った取引は、たとえ損をすることになってもその日のうちに決済をする、という投資法です。

これがリスクが低いと言える理由は、短時間での値動きであれば、(ロット数さえ間違わなければ)壊滅的な損失を被るということが起きづらいからです。

また5日先の未来は分からなくても、5秒先であれば多少は予測がつきますよね。少し先の未来を確率的に予測し勝っても負けても決済をする。これを1日に何回も行なっているのがデイトレーダーです。

"何回も"というのがポイントで、1度負けて損失を被ったとしても打率が5割よりも高ければ、1日の総取引で見ればプラスになります。

要は「長期投資のつもりで買ったのに短期間で焦って売ってしまう」「短期投資のつもりで買ったのに損をしたくないから長期保有をしてしまう」ということが最もリスクが高いのです。

多くのサラリーマンにとって、デイトレーダーのように1日中チャートを見続けるようなことは難しいので、長期投資を通した資産形成を検討することになるかと思います。

投資は株だけじゃない

◆投資商品は大きく「景気上昇に強い資産」「景気低迷に強い資産」「景気に連動しない資産」の3つに分けられる
◆この3種類を意識して分散投資を行うことで、景気に左右されない安定したキャッシュフローを得ることができる

"資産形成"や"投資"というと「え、株やってるの?」「どこの銘柄買うのがいいの?」というような話になることが多いのではないでしょうか。

私も投資について勉強しようと思ったとき、まず最初に手に取ったのは株についての本でしたし、最初にチャレンジしたのも国内株式の取引でした。

しかし、いざ色々と調べていると金融市場には株式以外にも様々な投資商品があることに気付かされます。そしてそれは大きく3つに分類することができます。

(1)景気上昇/インフレに強い資産(ハイリスクハイリターン)
→株、不動産
(2)景気低迷/デフレに強い資産(ローリスクローリターン)
→債券、現金
(3)景気動向との連動性が低い資産(上記のリスクヘッジになる)
→コモディティ(貴金属、エネルギー資源、農作物など)

※詳しくは高橋ダンさんがYoutubeで説明をしてくれています。
https://www.youtube.com/watch?v=efFoGEmmKJA

まずハイリスクハイリターンの不動産は投資商品としてもメジャーでイメージがしやすいかと思います。株は購入することで企業を所有することができ、利益の一部から配当金をもらえたり、規模が大きくなればその分のキャピタルゲインを得られます。また不動産は物件を所有することで賃料を定期的に獲得し、売却時にキャピタルゲインを得ることもできます。

これらは景気上昇時、およびインフレ時に価格が上がりやすい資産です。

一方債券はお金を貸し、償還されるまで安定したキャッシュフロー(利息)を得る権利のことです。安全資産とも捉えらているため、景気低迷時、およびデフレ時に価格が上がりやすいです。現金もデフレ中は相対的に価値が上がります。

また景気との連動性が高い投資商品に対し、コモディティと呼ばれる貴金属やエネルギー資源などの"商品"を売買する資産の形もあります。これらは景気上昇と連動して上がることもあれば、景気低迷時に安全資産として買われる(価格が上がる)場合もあります。

なぜこれら3種類を分けて考えることが重要かというと、それぞれ景気に対する反応の仕方が違うからです。

例えば消費が増え経済が活性化している時は業績の良い企業の株価や不動産価格の上昇が見込まれる一方、現金の需要が増え金利の上昇による債券価格の低下を招きやすいです。逆も然りで、デフレ時は政策金利の低下により債券価格が上がりやすく、先行き不安から株式市場は冷え込みます。

しかしうまく分配投資できていれば、景気上昇時は上昇した株を高く売って債券を安く買い、低迷時は株を安く買い溜めておき債券で安定したキャッシュフローを得続けるということができるのです。

そしてこれは次のアセットアロケーションの話にも繋がります。

「何をいつ買うか」ではなく「何をどれくらい持つか」

◆投資で重要なのは「タイミング」ではなく「資産配分」
◆未来は誰にも予測できないし、最適なタイミングを待っていてはいつまでたっても投資できない

いざ投資をしようと思い、投資に関する情報を集めるようになると、目につくのは「〇〇は危険」「〇〇が今は買い時」といった内容の記事や投資家の見解かと思います。

こういった情報は中短期投資を目的としている人には有益かもしれませんが、長期投資ではあまり意味がありません(むしろ迷いを生むため有害です)。

未来に何が起こるかというのは誰にも予測できません。投資においてもそれは同じで、これから金が暴落する、これから中国株が上昇する、ということは誰も分からないのです。

コロナについても、まず2020年3月に株式市場は大暴落しました。しかし、その半年後には完全に回復し、現在(2022年1月)に至るまで上昇をし続けています。新型コロナウイルスという感染症は何も解決していないにも関わらずです。これを2020年3月の時点で予測できていた人は少ないと思います。

では何を考えるべきなのかというと、資産配分(アセットアロケーション)です。

投資の世界では「投資成果の9割は資産配分で決まる」と言われており、様々な研究結果がこれを裏付けています。

いざ投資をしようと思い立った時に、まず大事なのは何をいつ買うかという「タイミング」ではなく、何をどれくらい買うかという「資産配分」を考えて決めることなのです。

アセットアロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのか決めることをいう。資産状況やリスク許容度、運用目的は人によって異なるため、当然、資産配分も人によって異なる。

つまり自分の資産が100万円あったとした場合、70%を株式にあて、残りの30%は債券にしよう、といったことを自身のリスク許容度などに応じて決めておくのです。

資産配分さえ決まっていれば「今は高いから米国株は待った方がいいのではないか」とか「金は危険だから避けた方がいいのではないか」という迷いを抱くことなく、投資を継続することができます。そして、毎月給料や分配金が入ったら、割合を維持するように買い増し、必要に応じて売却を行えば、「安いときに買って高いときに売る」という基本の投資ルールを難なく実行できるのです。

Myポートフォリオ

これは参考までにですが、上記の内容を踏まえて今の自分が考える"最強のポートフォリオ"を晒します。

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「短期FX」と「短期個別株」は短期投資用に分けておく配分で、それ以外は(生活費3か月分を除いた)投資用の資産を、上記の比率になるようETFで購入していきます。そして、毎月給料や分配金が入ったら、割合を維持するように買い増していきます。

"最強のポートフォリオ"と言っても投資の世界では買う人がいるときは必ず売る人がいて、売る人がいれば必ず買う人がいます。同様に私にとっての"最強の投資法"は誰かにとっては"最悪の投資法"であるということです。

自分に合った投資法をこれからも模索し続けたいです。

今回参考にした本は下記です。

<参考書籍>
※★=おすすめ!
・『金持ち父さん貧乏父さん』ロバート・キヨサキ ★
・『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』ロバート・キヨサキ
・『はじめての株』辻庸介(監修) 
・『株の鬼100則』石井勝利
・『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』バフェット太郎 ★
・『不動産投資のしくみがわかる本』松村保誠
・『家を買って得する人、損する人』松本智治
・『ゴールド投資』高橋ダン ★
・『本当にわかる債券と金利』大槻奈那、松川忠 ★
・『一番売れてる月刊マネー誌ZAiが作った「FX」入門』ザイFX!編集部x羊飼い
・『最強のFX 1分足スキャルピング エントリー&エグジット実践ノート』ぶせな

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