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いまを大切にしていく営み

思い返せば、ペースが早いことばかりが評価されがちだった。

学校の中でも、早く問題が解けた子が評価され、会社の中でも、早く成果を挙げた社員が評価される。

いまはアジャイルが大切だ、って言われて、ペースを上げて、間違ったらすぐにピボットして、また変えていけばいいって言われる。失敗は成功の糧。それは本当にその通りで、出来は6割でいいから早くアウトプットして、どんどん変えていけばより良いものができることも確か。

でも、ふと時折、急ぐことに息が切れることがある。

本当はもっとゆっくりと考えたい。ゆっくりと目の前のものに向き合いたい。そこから未来に生まれていくものは、急いだ時よりも、もしかすると劣っているものもあるのかもしれないけれど、そのゆっくりと向き合った時間は、急いだ時には絶対に手に入れることのできない、とてもとても贅沢な時間でもあるのだと思う。



約1年ぶりに訪れたふたば未来学園。そして、初めて訪れた学び舎 ゆめの森。福島という地を離れてみて余計に感じたことは、その2か所とも、いまという日常をしっかりと積み上げて、前に進んでいるということでした。

ゆめの森、学年という垣根を越えて、互いにナナメに関係し合う学校のあり方、とてもいいな。それはいたって自然で、子どもたちの学習の進度はまちまちなわけで、むしろそれを学年という横並びで区切る方が不自然でもあって。

ふたば未来学園の探究の授業も、相変わらず自由奔放にやっている。でも、そこには教員、ナナメ上にいる大人たちの明確な意志もあって、「こうしていきたい!」という想いとは裏腹に、全然予定通りに進まず、でも一方で、子どもたちのペースに合わせた教育って何だろう?という問いは常にあって、悩みながら、試行錯誤している。

いまを疎かにせず、いまは何重にも積み重なり、力強い未来を描き続けている。

クルミドコーヒー、影山さんの著書、『ゆっくり、いそげ』を思い出した。

いまに執着したいわけじゃない。創りたい未来はある。

けれど、”未来”は”いま”とのバーターではないし、誰かの”いま”は、誰かの”未来”でもある。だから、いまを大切にすることは、誰かの未来を大切にすることにも繋がると思うし、自分の未来のために、誰かの未来を踏みにじるようなことはしたくない。

それは自分自身に対する一つの約束。



そう言っておきながら、また日常に追われ、生き急いだりしてしまうのだろうけれど。笑

日常を紡ぐことの難しさと大切さを、どこよりも知っているこの場所だからこそ、自分自身を省みる、とても大切な訪問の機会になりました。

南郷さん、久しぶりにいまと未来を議論できて、とても楽しかったです。

ふたば未来学園の先生方、みらいラボのみんな、日常を紡いでくれてありがとうございます。

えみさん、りえさん、たくさんの人たちにこの地を訪れる機会をつくってくれて、ありがとうございました。

コーディネーター研修に参加して下さった皆さま、遠くからこの場に訪れてくれたこと、とても感謝しています。

またそれぞれの日常へ。
この地の物語が、またどこか別の物語と繋がりあって、新しい未来を創っていけたらいいな。



さて、今日は福島から一気に南下して、久しぶりの佐賀県です。今日も今日とて、良い日になりますように!

※大熊町立 学び舎 ゆめの森
https://manabiya-yumenomori.ed.jp/

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