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わたしのCore-Values. #6田中智也 〜「好き」を届けて人々をポジティブに。仕事で、趣味で、きっかけを作りたい。〜

世の中にはたくさんの仕事があって、それに携わるそれぞれの人のキャリア観や人生観がある-。
マガジン「わたしのCore-Values.」は、そんなひとりひとりの「想い」にスポットライトを当てていきます。

今回は、前回同様中学高校の同期の記事で、広告業界に勤めている田中智也さん。中高時代も話はする仲でしたが、より深くなったのは社会人になってから。同時期に、似たような職種で転職活動をしていたこともあり、ここ数年定期的に連絡を取り合っています。そんな田中さんの価値観を、改めて深掘りさせていただきました。


田中さん(以下、智也)とは昨今のお互いの活動を逐一状況報告し合う仲だ。仕事であれプライベートであれ、「最近どう?」みたいなテンションで何時間も語り合う。3月末、そんな智也から改めて「取材をしてほしい!」と依頼をいただいて実現したこの企画。感染対策バッチリのカフェで語らってきた。

——依頼をくれてありがとう!今回は仕事に寄せて諸々お話できたらと思うけど、いつものように様々に話が広がったらごめんよ!笑

「こちらこそありがとう!改めて対話させてもらうって、なんだか緊張するな。笑」

——ここではざっくばらんに語って、文章見てもらいながら、修正を加えて形にして行きましょう。

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よく話はするといったものの、智也の核心に迫る部分を聞くことは少ない。彼の話を聞く上で、まずはキャリアの全体感を伺い、転職活動にあたっての「志向の変化」を伺った。

悶々としていた5年間、未知の世界へと飛び出した。

——早速だけど、智也は同じ時期に転職をしているよね。改めてどう行った経歴かを教えてほしいな。

「大学を卒業して、まずは食品メーカーに入社して、そこでは広告宣伝を担当していて、丸5年間同じ部署で勤めたんだ。広告宣伝は当初興味あったわけではなかったんだけど、やっているうちにどんどん楽しくなってきて、広告業界に足を踏み入れたのが2年前のこと。それからはストラテジックプランナーとして、主に商品・サービスのマーケティング戦略を考えてるよ。」


——そうなんだね、元々意図していた部署に配属されたわけではないと思うんだけど、どういう軸を持って就活をしていたの?

「就活時代を振り返ると、「自分のやったことで人に喜んでもらいたい」が軸だった。その中で「食」って誰にとっても必要なものだし、食べている時って、人にとって幸せな時間だと思うんだよね。そんな「食」の時間を、自分の仕事を通して、より充実させていけたら嬉しいと考えて入社したな。」


——なるほど、その軸を満たせるような仕事ができている実感はあったのかな?

「これは営業みたいな別の部署を経験したわけじゃないから断言はできないけど、もっと自分が深く関わることはできるんじゃないかって想いはあったんだよね。広告宣伝担当として、みんなが知っている商品を担当させてもらっていたし、「この商品自分が携わっているんだよ!」って言うことはできた。だけど、実際のところ自分は企画者ではなく、提案してもらったものを実現するために社内の稟議を通すだけの調整役でしかなくて、成長実感がなかったんだよね。」

「もちろん自社の商品がより認知されるために必要だと思うことには誇りを持って仕事はできていたけど、やっているうちに自分も戦略を考える側に回ってみたいと思ったことが転職のきっかけだったな。」

「広告代理店の担当者の方がたまたま同年代で、ストラテジックプランナーという仕事を教えてもらったのも大きかった。」


——仕事をしているうちに、やりたいことが見えてくるっていうのはあるよね。ただ、5年いるとなかなか足がすくんでしまわなかった?

「もちろん最初はあったんだけど、「より成長できる環境に行きたい!」という想いが強かったな。前職は良くも悪くも伝統ある体質で、安定はしているけど新しいことに保守的だったんだ。だから、ドラスチックな仕事はあまりできなかったんだよね。」

「なかなか自分の企画が通らなくて、その理由が先ほど言ったような体質の問題が大きかったから、思い切って転職したんだ。」


一企業の広報担当から広告業界の社員へー。この変化はキャリアの延長線のように見えて、非常に大きな変化もあったと思う。業界に関するインプット量、思考回路、提案する力など、今まで割いたことない時間が彼の日常に差し込んできたのではないか。そこに挑戦する野心と、実際に挑戦してみてどう感じているかを伺った。

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逆境こそ好機、「ポジティブ人間」の進む道

——転職して、なかなかいきなり活躍するということは難しいと思うのだけど、その点はどう乗り越えてきたの?

「まず、何よりも携わりたかったマーケティングの戦略に関われる仕事だったから、今まで以上に働くことに精を出せていたと思う。前職でも5年間続けられたのは広告宣伝という分野がとても面白いと感じられていたから。自分の憧れだったストラテジックプランナーとして一人前になるために、とにかく基礎固めをしていこうと思っていた。本当に一からのスタートを楽しめていたな。」

「そんな中で、周りにはマーケティングのプロが集まっているんだよね。もちろん全然自分が至らないところをたくさん感じるのだけど、「マーケティングとは何か」ということを自分なりに解釈をしている人たちが多くて、とても刺激的な毎日だよ!」


——引け目を感じてしまいそうだけど、それを楽しめているのはいいことだね!

「基本的に、小さい頃からずっと「大抵のことはなんとかなる」というポジティブ人間なんだよね。それが転職の時もいい方に働いたのかもしれないな。」

「たとえば塾でも、最初は一番下のクラスから始まって、コツコツやってだんだん成果が出て来て、念願の一番上のクラスに到達。ただ、そのクラスで超えられない実力差を感じるんだよね。もちろん凹むし、なんでこんなに差があるんだろうって凹む事もあるんだけど、そうしながらも食らいついていくと成長を実感しだすんだよね。これはずっと続けているテニスも同じだなぁ。」


——確かに中学の頃から、変に卑屈になる事もなく、素直にすごいものをすごいと言える人な印象があるかも。

「ただ、圧倒的な力の差があると感じると、あっさり諦めちゃうんだよね。(笑)テニスにしろ勉強にしろ、叶わない人にすんなりと負けを認めるところはあるかもしれない。だけど、食らいついていくことで自分自身は成長できると思って、行動し続けることは意識していることかな。」


——なるほど、「ポジティブ人間」だからこそ、凹みながらも素直に成長し続けてこられたんだね!実際にマーケティングの仕事で、面白いことってどんなことがある?

「マーケティングって自分が力をつけていけばいくほど、人を喜ばせられる幅も深さも広がって、より価値を感じられる体験を人々にしてもらうことができると考えている。「自分の成し得たことで人に喜んでもらいたい」というもともとの軸にも合致する働き方ができていると感じているよ。」

「前職の時よりも上流から関わることができるから、自分の提供している価値も大きくなったと実感できている。たとえば飲料メーカーの広告企画では、ターゲットの調査からデータを分析して、「ニーズに沿った企画ってなんだろう?」ということを考えて仕掛けを作ったり、それをまた発信してもらうための仕組みを考えたりと、マーケティングの多くの工程に携わることができるようになってきた。」


——今言ってくれたのは飲料メーカーで、当初も食品業界に勤めていたけれど広めていきたい「対象物」は食べ物がメインなの?

「それも最近では曖昧になってきていて、当初は先ほどの通り、「食は誰にとっても欠かせないものだから」という理由で食品を考えていたけど、「自分の好きなもの」であればなんでもいいのかもしれないと思い始めてきているんだよね。」


仕事を通した成長実感があるからこそ、やりたいと思うことが増えてきているという。今後も「何をメインに発信していくか」は考えていきたいとのことだが、どのような軸で考えているのか、また、その発信を「誰に」届けていきたいのかもお話ししてもらった。

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「何を」「誰に」「どのように」伝えるか…
模索している最適解。

——智也は音楽や本もアウトプットしているよね。「自分の好きなものを広める」という文脈ではそのような活動も楽しんでいるように思う。

「そうだね。特に音楽は曲を選んでから弾き語りして、自分なりの工夫を入れながらアウトプットしている。それをやっている時の心の豊かさはとてもあるし、「好きなものを広められている」という実感もある。」

「すごく嬉しいのが、そういうアウトプットを見てくれた人から、「選曲のセンスがいい!」って言ってもらえることがあるんだよね。狙っているわけではないけど、やっぱり自分がいいと思ったものを、誰かに共感してもらえることはすごく嬉しいと感じるんだよね。」


——確かに、誰かからのフィードバックは続けるモチベーションにもなりそうだね!

「その通りで、やっぱり自分が関わる部分が多いと、アウトプットしたものも自分そのものを見てもらえている気がして嬉しくなる。それはもしかすると仕事で感じていることと通ずる部分もあるかもしれないな。」


——さっき言ってくれていたように、以前の仕事ではなかなか「これを自分が担当している」という仕事に達成感を感じられなかった通り、関わる部分が大きくなっていくことが自身の幸せに繋がるのかもしれないね。

「そうだなぁ、改めて考えてみると「自分の好き」を発信することで、人の心をポジティブにしていくことがやりたいことなんじゃないかって、徐々に考え始められてる。」


——もしかすると、広める対象物は「食」以外でも良さそうだね。もう一つ、「マス向けに発信するか、目に見える周りの人向けに発信するか」も考えるポイントになりそうだよね。

「そうだね、「自分の好き」の発信が自分自身もポジティブになれるし、続けられる原動力になるんだと思う。」

「マス向けに発信した方が、「自分が大きな仕事に携われているんだ」っていう実感を得られつつも、手触り感がなくなっていくことを感じたりもする。一方で身近な人や地域に自分の好きなものをアウトプットできる方が、「本当に自分が発信しているんだ」っていう実感も得られたりするから、一長一短なんだよね。最終的にどちらかに寄せて考えていくこともあるだろうけど、今のところは決めかねている。」


——昔から「パン屋になりたい」って豪語していたのがとても印象的で、その時のことをふと思い出したよ。(笑)

「パン屋は今でもなりたい!(笑)ただ、やっぱりマーケティングの力をつけていく意味では、今はマス向けの発信方法を勉強して行きたいし、自分のできることを増やしたいかな!」

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「模索している事柄に対して、今すぐ答えを出さなくてもいいー。」そう思えながら今できることにひたむきに取り組む姿は彼らしい。いい意味で様々な選択肢を考えながら、あらゆる考え方やスキルを身につけていく柔軟性は、昔から変わらない。一方で、「自分の専門性とは何か」を考える時期に差し掛かっているとのこと。何を目指しているのかも合わせて、じっくりと言葉を選びながら語ってくれた。

「自らの武器」を手にして生きていきたい。
そして周りをポジティブなサイクルに。

——だいぶ智也の価値観や、仕事・活動を通して実現したいことに触れられた気がする。力をつけたいって話をもらったけど、今後どのような力を身に付けたいと思っている?

「それも迷っているところで、ちょうど4月から異動したんだよね。それまで自分が考えていたことはいわゆる「誰に、何を、どのように伝えていくか」っていう戦略を考えていく部隊だったんだ。だから、マーケティングの中でも、主にコミュニケーションの領域内でしか見当がつかなかった。」

「4月からはストラテジックプラニング領域の中でも、DXを推進する部隊に配属されていて、社内でも事例がないから自由度がすごく高くて。具体的には今まで以上にデータを駆使してマーケティング戦略を立てていくことがメインミッション。たとえばサイトにアクセスしてくれたユーザーの行動データとかを見ることができるんだけど、そういった人の購買データや他のサイトの閲覧履歴まで掌握できれば、より的確なマーケティング施策が打てるんだよね。」


——今までよりももっと上流の仕事をしているんだね、聞いていると難しそう…!

「自由度が高いことは、同時にゴール設定を自分でしないと何も起こらないし、新しい発想が求められる。今までは勉強して、なんとか先輩たちに着いていくといった感覚だったけれど、これからはより能動的に動いて行きたいとポジティブに捉えられている。」

「今の会社では「自分の武器を持ちなさい」ってよく言われるんだけど、今までは「これ」といって誇れるものはなかった。まだまだできていないけど、今は新しい領域に立たせてもらっているし、ここで第一人者になれることで自分にしかない武器を得たいと思っているよ!」


——そこで得たスキルは、将来的に弾き語りを広めたりするプライベートな活動にも活かせそうだね!

「そうだね、やっぱりプライベートでの活動は「何かを生み出したい」という想いと、「自分が関わる部分が広い」という自負が掛け合わさって、こだわりも強くなってくる。それをさらにブラッシュアップしていくことは生涯にわたって試行錯誤していきたいし、そのために仕事とプライベートをなるべくシームレスにした生活をしていきたいな。」


——なるほど、よく智也の言っている「ポジティブサイクル」だね!最後の質問になるけど、自身の活動を通して、周りにどんな価値を提供していきたいかな。

「ざっくりしているけど、自分の発信するもので、受け取ってくれた人がポジティブな方向に進んでいけたら嬉しいな。」

「例えば弾き語りをした曲を聴いてもらって、久しぶりに聞いてその曲を聴いてくれるきっかけになったり、純粋に元気になれたり。仕事面では社内に自分のノウハウを提供することで、誰かの助けになることができたり、一つのプロジェクトの中で「DX部門は田中で」と指名してもらえるようになったり。小さなことかもしれないけど、それこそ「ポジティブサイクル」を作り出すきっかけを提供できたら自分自身も幸せなんだろうなと思う!」


——なるほどね、智也らしい回答をいただけました!改めて今日はありがとう!

「こちらこそありがとう、たくさん語れて楽しかった!」


***田中さんの趣味って何ですか?***

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1.テニスをやっています!

中高時代は「テニス部のエース」のような印象を持っていたが、テニスは小学4年生からやっているそう。高校時代は湘南地区で優勝した経験もあり、今でも休みの日にはラケットを持って出かける日もあるそうです。

2.音楽をやっています!

ずっと聴いているのはBUNP OF CHICKEN。学生時代聴いていた曲をメインに、今では弾き語りもやっています。SNSでの発信も見させてもらっていて、毎回懐かしい気持ちにさせてもらっています。

3.よさこいもやっています!

ずっと憧れていたダンスを、社会人からでも始められないかと模索して出会ったのが「よさこい」。音楽に合わせて多くの人が一つのものを作り出す一体感がたまらないのだという。ここで出会えた人たちとも、定期的に近況報告をしているのだとか。


編集後記

驕らずに、ひたむきに、自分のやりたいことに正直に生きる。
歳を重ねるにつれて、だんだん難しくなっていくのではないか?

彼はその姿勢を中学時代から変わらず持ち続けているように思う。
だから智也と話すと、その時間の尊さを再認識させてもらえるし、もう一度私自身も何かチャレンジしてみようとスイッチを入れてもらうような感覚になる。

まっすぐに生きるから壁にも打ち当たるし、健全に悩み苦しむ時もあると思うのだけど、そういった時も決して逃げずに向き合うところも彼の強みだと感じている。


間も無く私たちは30歳になる。

これからも無邪気に正直に生きる気持ちを忘れずに、仕事に、プライベートに刺激をし合いながら成長していきたいと思う。


田中智也さん SNSアカウント
noteTwitterInstagram

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日々感じたこと、ほんの少しでも誰かのためになることを なるべくやわらかい言葉で伝えていけたらと思います。 これからもどうぞよろしくお願いします。