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わたしのCore-Values. #1フジオカユウキ 〜誰かの「愛」が、多くの人に広がるように。〜

世の中にはたくさんの仕事があって、それに携わるそれぞれの人のキャリア観や人生観がある-。
連載マガジン「わたしのCore-Values.」は、そんなひとりひとりの「想い」にスポットライトを当てた連載企画です。

第1回目は、フリーランスの広報ライターとして活躍されているフジオカユウキさん。今の自分を棚卸しいただいた取材記事を書いてもらったこともあって、「ぜひお返しに書かせてください!」とお願いしました。

広報ライターを志したきっかけとは?フリーランスとして生きる今、大切にしていることとは?独立して1年、フジオカさんの「Core-Values」に迫ります。

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2020年11月某日。広報ライターとして普段は取材をする立場のフジオカさん。「人の話を聞くことは好きだけど、自分自身の話をするのは苦手なんです。」と、緊張の面持ちで取材は開始された。

——お時間いただきありがとうございます。ゆるくやっていきましょう!

「こちらこそよろしくお願いします、好き勝手にお話ししてしまうかもしれないですが…楽しみです!」

働き方の模索から始まった

——まずは簡単な経歴を教えていただけますか?

「大学卒業後、広告代理店に企画営業職として入社しました。小さな会社だったから、営業だけやるのではなく、企画のプランニングやたまにコピーも書いたりしていました。」

「2年くらい勤めていたのですが、続けていくうちに正直働き方が合わないなぁと感じ始めました。会社に寝泊まりするような先輩も多く、身体が持たなくなってしまうのではないかという気持ちがあって。自分にあった働き方を模索した結果、独立という道を考え始めたんです。」

「何でなら独立できるかなぁって考えた時に、書くことが選択肢に浮かびました。実は大学生の時にライターのお仕事をクラウドソーシング等でやっていて、ここでなら本気で取り組めるんじゃないかな…と思ったんです。そこからPRや広報ライティングの勉強をしつつ、お世話になった方々にお話をして、お付き合いのある制作会社様や企業様をつないでもらって、なんとか独立できたという感じです。」

——濃い社会人生活ですね!今は実際にどのようなお仕事をされているのですか?

「広報に関わるライティングや、企業のホームページのライティングなどを担当させていただくことが多いです。お時間のない中、経営者の方などにバーっと喋ってもらって、細かくすり合わせしながら文章にしています。あとは企業のコンセプトを作成したり、サイトに新たなコンテンツを作ったりしていますね。」

「経営者の方は毎回たくさんお話ししてくださるのでどこを切り取ろうか迷っちゃいます。(笑)経営者の方のお話って、私には考えもつかなかった視点がたくさんあるんです。いろんな人のお話を聞かせていただけるこの仕事は、とても楽しいです。」

「経営者の方って、会社に対して、会社のサービスに対して愛があるんです。だからこそ私はその愛を言語化することにやりがいを感じています。」

フジオカさんとの出会いは半年ほど前、オンライン講座の同期として接点を持ったのが始まり。「好きを引き出し、伝えていく。」そんな取材をして、ライティングをしていることに興味を持っていた。
でも、どうして「好き」にこだわっているのか、その原体験を伺った。

広がることでお客様の「好き」が多くの人に伝わってほしい。

——どのような記事を書きたいのでしょうか?

「独立する前は、大手のお客様とのお取り引きが多かったんです。広告費がたくさんあって、その中でできることをお任せいただくことがよくありました。一方で、中小企業のお客様は広告に回せるお金が少なくて、できることがめちゃくちゃ少ないんです。会社に所属している以上、どうしても大手のお客様が優先されることは理解しているものの、ちょっともどかしさはありました。」

「でも、諦められなかったんです。中小企業のお客様も大手のお客様と同様に、自分たちの商品への愛着があるし、それを私はおざなりにしたくなくて。伝わりさえすれば、いいと思ってくれる人たちは絶対にいる…そう思うからこそ、私は広告費等に困っているような会社さんの商品やサービスへの愛を伝える、そんなお手伝いをしたいと思っています。」

——だからこそ「好き」を聞くことを大切にされているのですね。

「そうかもしれませんね。自分が好きなことを話している時って、その人がとても輝いている時だと思うんです。だから想いを引き出して言語化することを諦めたくないんです。」

「一口にライターと言っても、自分の考えていることを書く人と、誰かの想いを伝えるものを書く人がいると思います。私は自分のことを話すのが苦手なんです、だからこそ人に焦点を当てることに力を入れたいな。と思っています。」

——なるほど…正直、この取材もやりにくいですか?(笑)

「そんなことはないですよ、でもまとまりのある話ができているかなぁ(笑)」

根暗でもビビリでも、それも「私らしさ」

——フジオカさんは大学生の頃から「書くこと」を続けられていますが、なぜ続けられるのですか?

「書くことが性に合っていたのかもしれません。私はずっと昔から根暗だし、ビビリなんですよね。文章にしても、考えにしても、納得いく形になっていないものを誰かに見せることが怖くて。」

書く時間って自分との戦いなんです。黙々と自分と向き合う時間は誰に迷惑をかけるでもないので、ある意味安心しているのかもしれませんね。」

「以前は無理してでも明るくしようとしていたのですが、こういう『自分らしさ』を大切にしながら、コツコツ続けられることが見つかってよかったなとは思っています。」

ご自身を「根暗」と表現するフジオカさん。とても明るくお話してくださるが、クラスメートで例えるなら、きっと中心で騒ぐグループからはちょっと外れて、静かにコツコツと何か書いていそうなイメージ。そんな彼女には「言葉」への強い想いがある-。ゆっくりと、口を開いてくれた。

伝えることを諦めたくない

——そもそもどうして「書く」ということに目覚めたのでしょうか。

「私は伝えることがとても下手くそなんです。同じように、私の親も伝えることが苦手で、何度も何度もすれ違ってしまったんです。今思えば『あの時言っていたことって、こういうことだったんだな…』と大人になってから気づくこともあって。」

「もうそんな思いはしたくないし、誰かにもそういう気持ちになって欲しくないんです。だから伝えることは、譲れない部分なのかもしれないですね。

言葉だけじゃなくて、言外の意味というか…そう言った思いまでも汲み取れる人でありたいと思うし、言葉を大切に扱えるようになりたいなぁと思っているんです。」

※フジオカさんの過去についてはこちらを参考に

今も大切にしている「透明な名刺」のお話

——お仕事をするときに大切にしていることはなんですか?

「私のお仕事って、相手ありきのものなんです。相手の存在をいかに引き立たせられるかが大切で。独りよがりなものにならないように、取材する人、読んでくれる人の気持ちを考えた言葉を書き続けたいと思っています。」

「私の尊敬するPRのお仕事をしているフリーランスの先輩が、透明な名刺を持っていたんです。『PRはお客さんを引き立たせる仕事だから、自分は透明な存在でなければならないんだよ』と教えてくれたんです。そのお話は私にとって、今でも心に残っていて、これからも大切にしていきたいと思っています。」

——ありがとうございます。逆に、お仕事をするうえで、難しいことは何かありますか?

「ある企業様のプロジェクトの特設ページに掲載する記事を書くお仕事をさせていただいた時に感じたのですが、社員の方への取材は難しいことがあります。」

「経営者の方は一つの質問に対して、たくさんのことを返してくれるので、拾える要素はたくさんあるのですが、社員の方は『何を話せばいいんだろう』という状態になることがあって。」

「だからこそ、お話しやすい空気作りを意識しています。今は特にオンライン取材も多くて、当たり障りのない質問をしてアイスブレイクを広げたり、適度に相槌を打ったりすることは、工夫していることですね。」

伝えたいことを丁寧に拾い集めていく。その姿勢にプロとしての覚悟を感じた。具体的なお仕事のお話を伺えたところで、今度はフジオカさん自身の「好き」も伺った。すると満面の笑みで答えてくれた。

趣味でも、やっぱり「広げる」は私の原動力!

——ちょっと話は逸れてしまいますが、フジオカさんご自身の「好き」も教えてください!

「お笑いが好きです!その中でも、ラフ次元さんというお笑い芸人さんが好きで、『みんなが知ってくれたら嬉しい、広まってくれたらなぁ。』と思いながら日々応援しています。」

「私は高校を途中で辞めたのですが、そのときに何もない時間を過ごすことが多かったんです。そんな時にたまたまYouTubeで動画を見つけて、トーク配信などもやっていることを知りました。その中でどんどん魅力に惹かれていきました。」

「面白いのはもちろん、誰も嫌な気持ちにさせない笑いなんです。お客さんや周りの芸人さん、スタッフさんを大切にされながら、見てくれる人を楽しませることに一生懸命な、そのお人柄がとても好きなんですよね。」

「お二人を応援する中で感じた、『魅力を持っているのに知られていない』というもどかしさこそ、今のお仕事に繋がっているのかもしれないな、と最近になって感じています。」

※ラフ次元さんを取り上げた、フジオカさん自作のフリーペーパー

——ラフ次元さん…初めて聞きました!これから彼らにはどうなって欲しいみたいな想いはありますか?

「お2人の魅力がもっと色んな人に広まって、日の当たる場所に彼らが届くまではずっと応援してたいし、その後の活動ももちろんすごく楽しみにしています。」

※ラフ次元さんへの溢れんばかりの愛を伝えた記事がこちら

最後にもう一度、話題はフジオカさんのキャリアについてに戻る。フリーランスとして生きていく中で大切にしていること、今までの経験を通じての「Core-Values」を伺った。

お客様あっての私
だからこそ縁を、日々を、大切に生きていきたい

——フリーランスになって1年、会社員だった頃から変わったことはありますか?

「時間の融通がきくのはとても良かったところですが、常に結果を出さなければいけないというプレッシャーは少しありますね(笑)。だからこそ、時間の大切さはめちゃくちゃ感じるようになりました。」

「『やらなければ生きていけない』という思いで、来月大丈夫かなぁなんてヒリヒリしながら、なんとか生きています。私自身、もともとへこみやすくて、今でも調子が上向かないことがたくさんあるのですが、なんとか持ち直しながらやりくりしていますね。」

——確かに、そのプレッシャーはありそうですね。また、お客様を大切に想う気持ちはインタビューを通じて伝わってきます。

「周りの人にとても恵まれているなぁと、フリーランスになってなおのこと感じますね。もともと身近にいた人が、私が広報ライティングをしていることを聞いてくれて新たなお客様を繋いでくださるんです。」

「ご縁は本当にありがたくて。会社員だった頃には、あまりこういった気持ちを抱くことはなかったのですが、企業の方からお声かけいただくことで、私自身も初めて仕事ができるんです。だからこそこれからも、ご縁への感謝は大切にしながら生きていきたいなと思っています。

——確かに、日々仕事があることに感謝しないとですね。今日は貴重なお話をありがとうございました!

「こちらこそありがとうございました!まとまっていましたか…?(笑)」

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OFFなフジオカさん

お笑いが大好きです!

中学生の頃からノンスタイルさんの追っかけを続けていていました。
それから高2の終わりからはずっとラフ次元さんですね!
一度好きになるとどっぷりハマります!

中高は軽音楽部でした!

ギターをやっていて、高校の時は1軍、2軍に分かれるような、
いわゆる体育会系な部活でした。
オーディションに受からなかったらライブにも大会にも出られないという
ギスギスした関係性も…。
幸い、毎回選んでもらっていたのですが、それでも全然自信がなくて。

だから毎日めっちゃ頑張って弾いてました!

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編集後記

「伝えることを諦めたくない」
やわらかな笑顔の中で、強い意志を持って発してくれた言葉にはきっと、これまでの人生を超えていく決意や覚悟が宿っているのだろう。

高校を辞めたとき、フリーランスになることを決めたとき…「何か」を失う怖さが伴う決断の数々だったと思う。

その決断を裏切らず、日々を大切にいきていく「覚悟の強さ」に、彼女らしさを感じた。

目の前のものにひたむきに取り組む。紡がれた縁を大切にしていく。
時に「当たり前のこと」として、忘れてしまいがちな日々の感情を、取材を通して思い出させていただいた。

そんなフジオカさんのこれからを、応援していきたい。

**フジオカユウキさんSNSリンク**
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日々感じたこと、ほんの少しでも誰かのためになることを なるべくやわらかい言葉で伝えていけたらと思います。 これからもどうぞよろしくお願いします。