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グランドサービスってどんな仕事?

「グランドサービスの仕事をしています」と言うと、だいたい「どんな仕事ですか?」と返ってきます。
映画『ハッピーフライト』で田畑智子さんが演じられた役です、と言っても、わかりにくいですよね(笑)

今日は、あまり知られていない私の仕事の話をします。

まずグランドサービス、そしてその業務に就くグランドスタッフとは、大まかに言えば「空港で働く人」のこと。グランドは英語で「地上」を表す「ground」、「大きい」という意味の「grand」ではないのでご注意を。だったら「グラウンドサービス」って呼べばいいじゃん、という声はちょっと置いといてください(笑)
近年では、カウンター業務を始め、出発案内業務や到着便業務を行うスタッフや、航空機の誘導や荷物の搬入出を行うハンドリングスタッフを指すことが多いようです。

いずれにせよ私たちは、航空機の中で働くパイロットやキャビンアテンダントのため、「地上」からフライトを守る仕事をしています。
グランドスタッフは搭乗案内だけではなく、正確な予定時刻にフライトするために搭乗予定のお客様を探したり、実際に遅れてしまった場合は早急に対策を練り、他のスタッフと連携してロスを取り戻したり…と大忙しの日もしばしば。「想定外」にいかに対応できるかが問われるんです。

グランドスタッフは、近年では航空会社の関連会社が採用を行うケースや、専門の派遣会社に登録して働くといったケースが増えていますが、特に資格は必要ありません。なによりも必須なのは語学力。客室担当でなくても、外国の方と会話しなければいけないシーンがそこらじゅうにあるのが空港というところ。最低限英語が話せることは、航空業界で働くには不可欠なスキルです。日系のグランドスタッフは「英語検定2級あるいはTOEIC550点~600点以上」がだいたいの応募資格。これから目指される方は、何はともあれまずは英語力向上に力を入れることをおすすめします。

ハンドリングスタッフは、航空機が駐機場にきちんと止まれるよう、運航乗務員に合図を送り誘導する「マーシャリング」と呼ばれる作業が主な仕事です。大きなしゃもじみたいなものを両手に持って航空機を誘導している姿をご覧になったことがある方は多いでしょう。視界の狭いコックピットの運航乗務員は、自動車のように気軽にバックをしたりハンドルを切ることはできませんから(笑)、他の飛行機と接触しないか、何か障害物が落ちていないかなど、飛行機の「目」となって安全を守る大役を担っています。
航空貨物を扱う場合では、コンテナに貨物を積み、搬送車両にセッティングします。国内線のフライトはとってもタイトなタイムスケジュールで運行しており、約1時間で次の便が出発します。何か一つ遅れたら以後のすべての運航に影響します。そのため、到着した貨物を迅速かつ確実に運送会社へ渡さなければなりません。そう、空港とはいろんな業務の専門会社が集結している場所でもあるのです。各社がスムーズに仕事できるよう、舞台を整えるのも私たちの仕事です。

難しいこと、求められることも多くて大変な仕事ですが、それだけにやりがいも大きいのがグランドサービスのお仕事です。
今後もっと、認知が広がっていくと良いなと願って、今日も地上からフライトを守ります!

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