2022年10月の記事一覧
岡本太郎と日本の祭り
御柱祭について、
「樹齢の長い大木の生命を絶ち、山から引きずり下ろすのだから、まさしく人間側にとっても命がけの祭りになる」
というニュアンスの文が載っていた。
祭りは本来、タガを外し、臨界点を突破する代物であるという前提を忘れた今となっては、毎度の如く死人の出るにも関わらず続けられる不可思議な祭りであると感じられるが、岡本太郎の眼を通すと、異なる文脈が浮かび上がってくる。
いのちの窓 河井寛次郎
仙厓や寛次郎には、見えないものが見えている。
太陰大極図のように陰陽でありつつも、それは必ずしも未来永劫定まったものではなく、「陽極まれば、陰となり陰極まれば、陽となる」。見方や状況によって反転するもの。
いのちが窓を開ければ、つまり心を開いたり、見つめたり、心がけを変えたりしてみれば、見えないものが見えてくる。
本を読めなくなった人のための読書論 若松英輔
おすすめの本を羅列した書籍は数多あるが、読めずに困っている人と向き合う本にははじめて出会った。
人によって食の好みや食べる量が異なるように、本の読み方も距離の取り方ももっと自由になればいい。
こんな本を求めている人、たくさんいると思う。