教育ゲームを作るのに参考になりそうなゲーム その4「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」
はじめに
今回は教育ゲーム制作に参考になる市販ゲーム紹介の第4弾として民俗学や伝承をテーマにしたミステリーアドベンチャー「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」を取り上げたいと思います。
なおこのゲームは2024年10月時点では、Switch、Steam、iOS、Androidにてプレイ可能です。過去3作はインディーゲームを紹介してきましたが、今回は比較的メジャータイトルですね。
「パラノマサイト 」の概要
「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」は、スクウェア・エニックスによるホラーアドベンチャーゲームで、昭和時代を舞台に超自然的な現象を調査する物語が展開されます。ゲームは、ノベルゲーム形式を採用しており、プレイヤーは複数のキャラクターを切り替えながら、謎を解き明かすことになります。
物語の中心には、東京都墨田区本所周辺で語られていた「本所七不思議」という怪談や奇談があります。ゲームでは、昭和時代の墨田区本所周辺を探索しながら「本所七不思議」に基づいた呪いの能力を用いた超能力バトル的なものを行うことになります。本所七不思議では「置いてけ堀」などが有名なのではないでしょうか。
学びのポイント/参考になりそうなポイント
このゲームはもちろんエンターテインメントのゲームで、学びを目的としたゲームではないですが、民俗学的な要素(地域の伝承)や地域自体に興味を抱かせるゲームとして非常に良く出来た構造をしていると感じました。
民俗学的要素とゲーム要素の絡み合い
ゲーム内の事件は、実際に墨田区本所で長い歴史を持つ「本所七不思議」という伝承に基づいて展開されます。ゲーム中でプレイヤーは、この伝承に関連する呪いの能力や謎を解き明かす必要があり、本所七不思議を知らなかったり、興味が無かったプレイヤーにも自然とこの地域や伝承に興味を持たせる構造になっています。複数視点でのストーリーテリング
プレイヤーは複数の登場人物の視点を通して物語を体験します。それぞれのキャラクターが異なる七不思議に関する呪いに関わるため、プレイヤーは物語を多面的に理解し、それぞれの背景にあるテーマについて深く知ることができます。インタラクティブな選択
ゲームの中でのプレイヤーの選択肢や行動は、ストーリーの結末に大きく影響を与えます。プレイヤーが自分で調査を進め、謎を解き明かしていく過程は、まるで実際に伝承の調査を行っているかのような体験を提供します。
まとめ
「パラノマサイト FILE 23 異界怪異事件簿」は、単なるホラーゲームに留まらず、日本の伝承や民俗学的テーマを巧みに織り込んだ作品です。私はこのゲームのプレイ後には実際に墨田区に行って伝承について知ってみたくなりましたし、実際に訪れた友人もいました。(私は関西に住んでいる&子どもが生まれた時期だったので残念ながら断念しました。。)実際の伝承に基づいてこんな面白いゲームが作れるのか、他の地域の伝承を元にした続編もぜひプレイしたいと思わせられる作品です。
教育的な視点からこのゲームを分析することで、民俗学や伝承、地域に関する興味を引き出すための優れたツールとしての要素を見いだすことが出来ると思いますので、ぜひご興味を持った方はプレイしてみてください。
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