ゴヤの一生@プラド美術館

スペインの首都マドリードにあるプラド美術館。1785年に博物館として設計されたが、結局1819年に王立美術館として開館した。ハプスブルク家やブルボン家によってコレクションされた14世紀から19世紀初めの絵画がある。スペインの絵画も多いが、以前スペイン領だったフランドル(オランダ・ベルギー・北フランス)の絵画も多い。

学生は無料で入ることができた(2019年現在)。

有名な作品をいくつか紹介。

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『快楽の園 Le Jardin des délices』(1503)
ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch(1450−1516)

ボスの絵は、16世紀の宗教改革運動での偶像破壊の影響で紛失し、現在は30点ほどの作品しか残っていない。

聖書に基づいた作品だが、不気味かつ幻想的な作風が特徴。ピーテル・ブリューゲルはボスに影響を受けた。

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『ラス・メニーナス Las Meninas』(1656)
ディエゴ・ベラスケス Diego Velázquez (1599-1660)

メニーナスは「女官達」という意味。写真のように宮廷人の様子を瞬間的に切り取って描いた。中心の鏡に王と王妃が写っており、大きなカンバスの前にはベラスケス自信が描かれている。

複雑な構図かつ様々な解釈が可能なため、西洋美術史において重要でありよく研究されている。

そして、個人的にプラド美術館の見所はゴヤの時代によって全く雰囲気の違う絵画が一度に鑑賞できること。

・金細工師の息子として生まれ、若い頃は闘牛士やギター弾きだったなど色々な噂がある
・1773年にホセーファ・バエウと結婚

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『Perros y útiles de caza』(1775)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

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『El quitasol』(1777)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

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『La gallina ciega』(1789)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

・1789年スペイン王カルロス4世から、宮廷画家に任命される

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『カルロス4世とその家族 La familia de Carlos IV』(1800)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

・1792年に病気で耳が聞こえなくなる。

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『裸のマハ La maja desnuda』(1790-1800)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

(神話の女神などではなく)普通の女性の裸体を描くことは、その当時はかなりショッキングなことだったらしい。

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『着衣のマハ La maja vestida』(1802-1805)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

・病気と幻滅で日常的に苦しみ作風が暗くなっていく。

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『巨人 El coloso』(1808-1812)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

・1807年にナポレオンがフランス軍を率いて、スペインに対して半島戦争をしかける。

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『マドリード、1808年5月3日』(1814)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya (1746−1828)

この頃は、戦争を批判したような絵を残す。

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『我が子を喰らうサトゥルヌス』 (1819-1823)
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya(1746−1828)

すごい絵だなって思うけど、実は有名なギリシャ神話の一場面。

・1824年にフランスのボルドーへ亡命。
・1828年に82歳で亡くなる。

ゴヤといえば、晩年の黒い絵シリーズが有名だけど、若い頃に描かれた明るい絵の方が私は好き。

ということで、そんなゴヤの人生を垣間見ることができるプラド美術館。おすすめ。

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