ギリシャ神話の神々⑤

フランスに来て、美術館巡りをしだしたら気になったギリシャ神話の神様たち。有名な絵画(というか私が好きな絵画)を神さま(たまに人)ごとに紹介。正確なことはよくわからないので、そういう説もある、くらいの軽い感じで受け取ってもらえれば…

ちなみに神様達、兄妹なのに結婚したり、体の一部から子供生まれたり、割とツッコミどころ満載。かなり紛らわしいので全知全能の神ゼウスを中心に書きます。

神様の名前は言語によって違ったりするので、ギリシャ語🇬🇷ラテン語🇻🇦英語🇬🇧で表記してますが、ラテン語は訳というよりは、ローマ神話だとこの神にあたるみたいな感じだったりもする。

前回はゼウスの愛人(人間)の子供編だったので今回はゼウスと女神の子供編。どんだけ恋多き男やねんって感じ。

アテナAthena🇬🇷 ミネルウァMinerva🇻🇦 ミネルバMinerva🇬🇧

「知恵と戦いの女神・アテネの守護神」 ゼウスとメティスの子

生まれた時から鎧や楯を身につけ、長槍を手にしていたらしい。

アテネの主導権を巡り、ポセイドンと争った。ポセイドンは泉を、アテナはオリーブの木を贈り、アテネの人々はアテナを守護神に選んだ。

アテナに従っている勝利の女神ニケはナイキの名前の由来になった。

画像1

アラクネの寓話 La fábula de Aracne(1657)
ディエゴ・ベラスケス Diego Velázquez(1599​-1660)
プラド美術館(マドリード)Madrid,Museo del Prado

機織りが得意なアラクネは自信過剰で女神より上手だと自負していた。老婆に変身したアテナはアラクネと勝負するが、アラクネはゼウスの不倫などをテーマとした神々の羞恥な姿を作品にした。それに怒ったアテナは、アラクネに罪と恥を吹き込み、結局彼女は自殺する。しかし、アテネはアラクネを生き返し、神を侮蔑した教訓をいつまでも背負い続けるよう、蜘蛛の姿に変えてしまった。

蜘蛛のことをフランス語でaraignéeとかスペイン語でarañaと呼ぶのは、アラクネの名前からきてるのかな?

アポロンApollon🇬🇷 アポロApollo🇻🇦🇬🇧

「芸能・芸術の神」 ゼウスとレトの子供 アルテミスと双子の兄妹

詩歌や音楽などの神として有名だが、羊飼いの守護神で光明の神でもある。遠矢の神・病を払う治療神・神託を授ける予言の神などいろいろ。

画像2

アポロンとダプネ Apollon et Daphné (1743)
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ Giovanni Battista Tiepolo (1696-1770)
ルーブル美術館(パリ) Paris,Musée du Louvre

ある日、アポロンがエロスを馬鹿にしたことから、エロスはアポロンに、黄金の矢(愛情を芽生えさせる矢)、女神ダプネーに鉛の矢(愛情を拒絶させる矢)を射た。アポロンはダプネーに愛情を抱くが、ダプネーはアポロンを拒絶し、月桂樹になってしまう。オリンピックの月桂樹の冠はここからきているらしい。

アルテミスArtemis🇬🇷 ディアナDiana🇻🇦 ダイアナDiana🇬🇧

「狩猟・安産の女神」 ゼウスとレトの子供 アルテミスと双子の兄妹

アルテミスはポセイドンの息子オリオンを好きになったが、アポロンはこれを好ましく思ってなかった。アポロンのせいで、アルテミスはオリオンを殺してしまい、彼女は悲しんだ。それを不憫に思ったゼウスはオリオンを星座にした。

画像3

狩りから帰るダイアナ Le retour de chasse de Diane (1745)
フランソワ・ブシェー François Boucher (1703-1770)
コニャック=ジェイ美術館(パリ) Paris,Musée Cognacq-Jay

これは美術史の授業でコニャック=ジェイ美術館に行った時に一目惚れした絵。ダイアナってアルテミスのことだったのね…なんかもっと神話を勉強してから受けたかった授業。この美術館は他にもロココの絵画や美術がたくさんあるのでオススメ。

ヘパイストスHephaistos🇬🇷 ウルカヌスVulcanus🇻🇦 ヴァルカンVulcan🇬🇧

「火山・炎・鍛冶の神」 ゼウスとヘラの子供

ヘラの最初の子供だが、両足の曲がった醜い奇形児だったのでヘラに捨てられる。

海神テティスとエウリュノメに拾われ、育てられる。

物作りが得意なヘパイストスは生きた宝石を海に泳がせたりし、これが熱帯魚らしい。

ゼウスがアテナを産む時、ヘパイストスに斧で頭を叩き割るように頼む。

ヘラを脅し、アフロディテと結婚するが、アプロディテは自分の意志ではなかったため、浮気を続けた。

アレスAres🇬🇷 マルスMars🇻🇦 マーズMars🇬🇧

「狂乱・破壊の神」 ゼウスとヘラの子供

戦いの神であるが、人間に負けたり、ヘラクレスに殺されそうになったり、神話の世界ではいいエピソードがない。

アフロディテの愛人。

彼が引き起こした戦争により、冥界の住人が増えるので、冥界の王ハーデースとは仲が良かった。

ローマ神話では農業の神マルスと見なされ、3月Marsはこれが由来となった。

画像4

ヴィーナスとマルス Vénus et Mars(1483)
サンドロ・ボッティチェッリ Sandro Botticelli(1455-1510)
ナショナルギャラリー(ロンドン) London,National Gallery

ボッティチェッリはメディチ家という、ルネサンスにイタリアのフィレンツェで実質的な支配者として君臨していた一族の保護を受け、たくさんの神話画の傑作を残した。メディチ家はのちに、トスカーナ大公国の君主となる。その財力でボッティチェリだけでなく、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどの芸術家を支援し、ルネサンスの発展に大きな役割を果たした。フィレンツェのウフィツィ美術館には歴代の当主たちのコレクションがあり、美術館自体もとっても豪華。

ヘルメスHermes🇬🇷 メルクリウスMercurius🇻🇦 マーキュリーMercury🇬🇧

「嘘つき・泥棒の神」 ゼウスとマイアの子供

口がうまく、ゼウスの忠実な部下で、度々浮気問題の仲裁をしたらしい。

羽根の生えた空を飛べる靴をはき、世界を駆け回り伝令神。

ペルセウスのメドウサ退治にも協力した。

ペルセポネPersephone🇬🇷 プロセルピナProserpina🇻🇦

「冥界の女王・農耕の女神」 ゼウスとデメテルの子供

ハデスが冥界に連れ去ったが結局1年の3分の1は冥府で過ごすことになる。

ペルセポネが地上に戻ると母の豊穣の女神デメテルが喜ぶため春が始まる。

地上にいる間はコレー(乙女)と呼ばれ、冥界に入るとペルセポネーと呼ばれることもある。

ハデスの恋人メンテーに罰を与えるなど、嫉妬心があるが、ペルセポネ自身も人間の男アドニスを愛し、地上にいる間は、彼を恋人として堂々とそばにおいている。

画像5

ペルセポネーの略奪 L'Enlèvement de Proserpine(1651)
ニコラ・ミニャール Nicolas Mignard (1606-1668)
ルーブル美術館(パリ) Paris,Musée du Louvre

無理やりペルセポネーを連れ去ろうとするハデス。ヴィーナスとエロスが上空から様子を見ている。一説にはエロスの黄金の矢によってハデスはペルセポネに恋をしたらしい。

他にも載せきれないくらいゼウスの子供はいるらしい。まぁギリシャ神話ゼウスの浮気ぐせから全てが始まってるけど、もし堅実な男だったら何も始まってない気もするからどっちがいいのか…笑



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?