彫刻と自然@ロダン美術館

パリ7区にあるロダン美術館は、1908年から1917年にロダンがなくなるまで、アトリエ兼自宅だった「ビロン館」とその庭からなる。

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広い庭園には、ロダンの作品も展示されており、パリの中心地にいるとは感じない落ち着いた雰囲気。バラの名所としても知られる庭には、有名な『考える人』がある。意外と大きい。

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『考える人』

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『地獄の門』はイタリアの詩人ダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』地獄篇第3歌に登場する地獄への入口の門をモチーフにしている未完成の作品。高さ6,35m、幅4mの巨大なブロンズ像。

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もともと『考える人』は、この作品の一部(門の上部から下を見下ろしている像)だったが、単体作品として高く評価されるようになる。確かに、考えているようにも見えるけど、下を覗き込んでるようにも見える。

背景に数枚の浮世絵が描かれていることから、ゴッホが日本美術に興味を持っていたことがわかる『タンギー爺さん』もロダン美術館の一室にある。タンギー爺さんことジュリアン・タンギーの画材屋は、この時代の若い画家たちの交流の場となっていた。

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『タンギー爺さん Le Pere Tanguy』(1887)
フィンセント・ファン・ゴッホ Vincent Willem van Gogh(1853-1890)

また、19歳の時にロダンの弟子となったカミーユ・クローデルの作品も展示されている。彼女は42歳のロダンの愛人となり、その関係は10年以上続くが、ロダンには内妻ローズがいた。

彼女は20代でロダンの子を妊娠するが、ロダンは産むことを認めず中絶。その後2人の関係は終わる。ロダンに裏切られたカミーユは、精神不安定となり、自分の作品の多くを破壊した。その後は精神病院で死を迎える。

この人の人生はなかなかに壮絶。映画にもなっている。

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『分別盛り L'Âge mûr』(1893)
カミーユ・クローデル Camille Claudel(1864-1943)

この作品は、オルセー美術館にも飾ってある。

あんまり彫刻には興味はなかったけど、彫刻家たちの物語は興味深いなーって思う。

パリにいながら、ちょっと田舎に小旅行したような、落ち着いた雰囲気を味わうことができる美術館。


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