カミナシCSは岐路に立っている
酔っ払ってタクシーに乗ると阿佐ヶ谷に帰りたいのに幡ヶ谷に着いてる事がよくあるので都内で飲む時の帰りはなるべく徒歩で帰りたいです。
申し遅れました、今年5月にカミナシにCSとして入社した遠藤雄己です。気軽に「ゆうき」と呼んでください皆さん!
「CSニューカマーnote祭り」が開催中との事で、いつもヘラヘラしてるのにいつの間にか仕事をテキパキと終えていて実は2人いるんじゃないかなと思っているいずみんから、次なるバトンをサニブラウンばりに受け取りました。
フォーマットはこんな感じで入社エントリー書いてください...と祭りリーダーの弊社ぽーぽー(※)に言われましたが、天邪鬼の自分はちょっと別の事を書いてみようと思います。
(※ ぽーぽーは、6月入社のカミナシCSメンバーでこの次の次の回で執筆予定です。沖縄のお菓子ではないです。)
具体的には、僕が入社4ヶ月間で感じたカミナシCSの良いところと、チャレンジして変えなければいけないところです。
入社エントリーっぽく書くと恐らくポジティブな事ばかりが並ぶとは思うのですが、あえてこれから向き合わなければいけないチームとしてのチャレンジ(まだまだなところ)も書き連ねたいと思います。ですので、カミナシCSメンバーに読んでもらいたい。僕が何を感じて、何を考えているのかが伝わって欲しいです。
前置き
今年5月にカミナシ入社してキャリア2社目になります。
前職は、株式会社ookamiというIT×スポーツのスタートアップに約7年間在籍していました。創業3年目に10人目のメンバーとして飛び込み、カオスを経験させてもらいました。今の自分の礎を築いてくれたと思っています。
主に最初の5年間はメディア事業がメインで、営業・マーケティングを中心に採用・総務周りも担っていました。次の2年間はSaaS事業部が立ち上がったので、事業部立ち上げ、IS/FS/CSを経験し、最後はCSマネージャーを担当していました。
加えて、開発にも携わる機会がちょこちょこあり、頑張ってrubyを書いてapi連携の構築なども行っていました。
そんな初転職組の自分ですが、カミナシの組織、そしてCSチームは素晴らしいチームだと感じています。
カミナシCSの良いところ
❶多様性を受け入れているところ
現在、CSチームには17人のメンバーがいます。
地方でリモートしている人、子育てと仕事の両立に奮闘している人、絶賛育休中の人、CS未経験で前職はカミナシの顧客となり得る「現場」で働いていた人、ゴリゴリCSをやってきて死の淵から這い上がってきた男...1人として同じバックグラウンドの人がいないくらいに、多様なメンバーが揃っています。それに比例して考え方や意見は多様になっていく一方ですが、カミナシCSの凄いところは、そのどの意見も頭ごなしに否定をする事がなく、まず受け入れる強さがある事です。
全て自分の意見が通る事はないわけですが、その中でもまずは聞いてくれるという安心感があるからこそ「次も気軽に言っちゃおっと」というくらいに、とても意見が出しやすいです。また、ベーダー卿みたいな人がいて全部俺の意見が正しいから言った通りにしろ、なんて事もないです。
メンバーのみんながなぜそんな受け入れてくれるスタンスなのかは聞いた事がないのでぶっちゃけわからないのですが、お互いにリスペクトし合っていたり、年次やキャリアなんて関係なくアンラーニングをし続ける意識の現れだったりするのかなと推測しています。
結果として何が起きるかというと「雰囲気がめっちゃ良い」です。伸び伸びと社内の何かに怯える事なく働いているメンバーが多いです。故に、初めてCSの社内MTGに参加した時も「あー、これは勝ってるチームの雰囲気だ。」と直感で感じました。
❷実績を作り出しているところ
1.の側面だけでいくと「仲良くて、なんか雰囲気の良いチーム」で終わってしまいます。誤解を恐れずに言うと、たぶんそういうチームは日本だけを見ても沢山あります。
この点でカミナシCSが凄いところは、ちゃんと実績も上げているところです。具体的には、月平均でChurn rate(解約率)は0.4%でほとんどの顧客で更新を頂いています。"Churn rateは0.5%未満が良いSaaS"と一般的に言われているので、他社比較をした上でも良い成果が出せてきています。
ここまでの成果が上げられている要因はいくつか考えられるのですが、強いて一つ挙げるとすれば「粘り強さ」だと感じています。僕が入社してからも、一度は解約のご意向を頂きながらもそこから顧客ととことん話し合い、結果として継続となったケースがありました。その時起きた事は、CS担当者がチーム中で助けを求め、また別部署のメンバーにも支援に入ってもらい、顧客の元に直接足を運び、話し合い、価値を再確認してもらい継続となりました。
数百を超える顧客がいる中での1顧客であったとしても真摯に向き合い、少しでも価値提供できると信じているのであれば最後まで絶対に諦めないその姿を見て、率直にマジかっけーなと感じました。また、結果も凄いのですが、粘るとその分だけ学びが返ってきます。なので、その積み重ねが今のCSチームの血肉になっているんだろうなあと感じています。
そもそも前提としてCSチームがここまでの粘り強さを出せているのは、プロダクトとしての強さがある事に他なりません。ここでパッと薄っぺらく書きたくはないので今回はあえてこの場では深く言及しませんが、プロダクトチームの皆さん、いつもマジサンキューでいす!(でいすは軽いですね、でいすは。)
一方で、今の段階では継続する事が顧客にとってマイナスになってしまうと感じれば素直に解約を受け入れています。とにかく解約のご意向を頂いた際には「担当CSが胸を張って解約と言い切れる状態」を作るために奔走している、そんな表現がぴったりだと思います。
❸会社の文化を創り出しているところ
「カミナシさんは、どなたに聞いても、顧客の話がすぐに出てくるのが本当に凄い。だからこそ、健全な組織が作れているのでは?」
CSチーム部長の松下(まどんぬさん)がとある組織コンサルタントの人に言われた言葉です。この言葉を個人的に解釈をすると、顧客の事を誰もが想像できていれば顧客ファーストでモノ創りができ、誰かの恣意や思い込みで議論が進む事がなくなるので健全な組織になっていくということなのかなと思います。(ここでまさかのベーダー卿の伏線回収ですね。)
上述の顧客ファーストの文化ができている背景は、顧客に一番近いCSチームのメンバーがとことん顧客と向き合い、その結果として得られた知見を顧客の代弁者として社内で常に発信しているからに他ならないと思います。実際に、他部署のメンバーが「顧客の事を深く知りたい時はまずはCSに聞いてみよう!」という姿勢で向き合ってくれているのをヒシヒシと感じます。
更には、今後既存顧客情報をしっかりデータベースとして蓄積して分析をしていく為に、直近ではGainSightの導入も決まり目下整備を整えています。
今まではCSメンバーの頭の中や、ある種肌感のような形で伝えられていた顧客情報がヘルススコア(※)となってファクトベースで語られるようになるので、CSチームが顧客ファーストの社内文化を築いていく流れは加速していくと思っています。
※ヘルススコアとは、顧客が健全に製品やサービスを利用しているか、顧客が満足しているかを示す指標です。
カミナシCSがこれから挑まなければいけないところ
❶常識を疑って、恐れずに変える
チームに入って最初に感じた違和感が、疑いの目を持って既存のやり方を変えていく人が少ない事でした。
なんでこのやり方をしてるんだろう?と思ってメンバーに背景を聞いた際にも「んーー、確かに。でもなんでと聞かれたら前からそういうやり方だったんだよね...」という回答をもらった事もありました。一貫して「なんとなく今までのやり方の流れのままで、進めていく。」そんな雰囲気を、ある種カミナシメンバーに成り切っていない入社1ヶ月目の僕は率直に感じていました。中には個別で深く話し込んだ際に僕と同じポイントでこのやり方は変えた方が良いと認識しているメンバーも多くいましたが、実際に変化を加えるアクションができていたかと言うとそうではありませんでした。
誰が良い悪いという話では一切ないです。恐らく上述の背景にあるのは、CSチームとして良い成果を上げられている事、目の前の作業に追われていて変化を加える余裕がない事の2点が大きかったのかと考えています。
事業・組織が拡大していく過程の中で外部環境は目まぐるしく変わり、その変化に素早く適応する事が求められてくるはずですが、このままの状態で進むと変化に弱いチームになってしまうのではないかと危惧しています。
変えることは摩擦が生じますし、推進するには労力も要します。ですが、調子が良い時こそ常識(=過去の自分)を疑って毎日、いや時には1週間1%でも良いので疑問を抱いた事があれば恐れずに変えていって欲しいです。不安だったら僕に相談をしてほしいと思っています。幸いにも変化を加える事は(壊す事は)僕にとって得意分野なので、まずは僕が先陣を切って進みたいと思います。
❷型化し過ぎない
徐々に既存顧客数が増えてくると、型化して業務を効率化したい欲が出てくるものです。その考え自体は間違っていないと思いますし、SaaSの一つの勝ち筋である事は先人達が証明してきています。カミナシでも型化のプロジェクトなどは動いているのですが、ちょっと型化しようとし過ぎなんじゃないかと感じる場面があります。特に今のカミナシのフェーズにおいては、これは避けないといけないなと思っています。ここで言う型化しようとし過ぎるというのは、例えば下記のような流れで、手段(4)まで絞り込んでまるでAIでもできるようにする事です。(仮説検証を繰り返す前提で、3の部分まで型化していく事は良いと思っています。)
顧客がなかなか自社製品を使ってくれていない時の対応方法を型化しよう
目指すべき健全な状態としては、担当CSが顧客と運用開始の仕切り直しについて合意している状態を目指そう
その為に、運用開始の障壁となっている事を明確にしよう
明確にする為に、まずは3日以内に電話をしよう → これはあっかん
避けなければいけない理由は、CSチームの成長が止まり、結果として事業が伸びなくなってしまうからです。どういうことかと言うと、本来であれば目指すべき状態に向かってそれぞれが工夫を懲らす事がCSとしての力量であり、そうする事で解決策が100にも200にも膨らんでいくはずです。
そのはずなのに、手段まで絞り込んでしまうとチームメンバーが50人であっても100人であっても最初に作った手段の数だけしか解決策は生まれなくなってしまいますし、各個人も「これさえやっておけばOK」となってしまいがちです。結果として、チームとしての成長も止まり、またCSメンバー個人としても「こうなったらこれしかできない人」になってしまい自身の市場価値を著しく下げてしまいます。
ましてや、今のカミナシのフェーズはまだ完全に顧客のサクセスを掴み切ったわけではないはずです。その中で考えられるあらゆる手をあえて絞ってしまう事は、プロダクトの進化も阻んでしまうと思いますし、何より顧客に対して課題解決ができなくなってしまいます。まだまだ泥臭く、あらゆる手を脳がちぎれるほど考え尽くせる集団であれるように、僕も頑張るのでチームのみんなも共に意識をしてもらえたら嬉しいです。(終盤にきて気付いたけど、ちょっと僕偉そうですね。でも最後までこのままでいきます。)
がしかし、先述のGainSight構築の際にこの点に深く注意して進めているので、弊社GainSight推進リーダーのけんとさんの導入裏話noteの公開を待ちましょう。けんとさん、もう僕が言っちゃったので書くしかないです。
❸事業成長を考えてアクションを取る
全メンバー日々奮闘しているのですが、目の前の業務を完遂する事だけに追われていると、どうしてもなぜこの業務を行っているかの目的を見失いがちになってきているのかなと少し感じております。
事業計画という形で経営陣から伝えられるメッセージを汲み取り、そこから逆算してのアクションやディスカッションがもっと増えると、何の為に自分はこの仕事をしているのかという納得感の醸成にも繋がり始めると思います。例えば「現場目線で考えてこの計画は少し厳しいかもしれない」と思うことがあったとしたら、経営陣にその考えをぶつけてみても良いのかなと思います。
また、これはSaaSあるあるだと思いますが、事業が拡大してくるとCSやプロダクトチームからすると「これは無茶な案件なんじゃないか...!」という場面に多く出くわすようになり、セールスチームと部署間での軋轢に繋がったりします。それがきっと、今後増えてくる気がしています。
そんな時に、CSチームとしては「なんでこの案件を受注してきたんだ」という態度だけは絶対に取らないように気をつけないといけません。それができないと、確実に価値が届けられるとわかっている顧客のみに営業をする事になり、結果としてプロダクトの可能性が縮小してしまい、事業の成長も止まってしまいます。少し無茶をした時に、見えてこなかったプロダクトの可能性が見えてくると、僕自身は思っています。
もちろん上手くいかなかった事があったら冷静に分析して健全なフィードバックは返すべきですが、CSとしては「あとは任せろ、なんとかする」と言わんばかりに、何とかして顧客に価値を届けるのみです。
失敗したら、失敗したという事がわかるので、それだけで価値があります。
締め
強引に締めて参ります!
あれやこれや書きましたが、カミナシCSチームは、まとめると「雰囲気めっちゃ良いし実績も出している。けど、もう2段階・3段階飛躍する為の岐路に立っている」状態だと思います。人と武器と機会は揃っていると思うので、つまりはここからが勝負所ですね。
あまり聞いた事はないですが、俺岐路好きだわって人は社内でも社外でも良いのでお声がけください。とりあえず、飲みに行きましょう。(都内であれば徒歩圏内です。)
「CSニューカマーnote祭り」はしばらく続くようでして、次はけんたろう!けんたろーは、一緒に踊ったり歌ったりしてくれるし、ボケたらボケた分だけ突っ込んでくれる心底良い奴です。背中もおっきいです。僕は大好きです。過去2社でCSを経験してきたけんたろーが今何を考えて、どんな景色が見えているのか楽しみ〜
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