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文学

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2024年6月の記事一覧

【短歌連作】現在にまつわる数々の噂

あいまいみーまいん、ゆーゆあゆーゆあーず…… かつて駄菓子屋と川があった 弾丸も当たらないほどなめらかな鳥がふたりで懐かしむ川 「3年前の川の模様を覚えてる」きみが言うなら、まちがいないね 昔の話。川の近くを通るたび死にたくなって死にたくなくって 不自然な動きをしているらしい 川の凹凸のようになれと? 足元に(わたしの気持ちを大雨の川に喩えてみたけど)花が 鳥たちが伝えたいのはいつかその川の断面 きみといるとき 川岸に片足で立つ生活の灯がぜんぶ沈んだら戻ろうか

短篇小説「ガールズ・フロム・ザ・スカイズ」

まえがき 初めて小説を書ききりました。 10年前から小説を書きたいという気持ちだけはずっとあって、半月ほど前に書き始め、今日なんとか完成させました。 書ききれた理由は大きいものから小さいものまでたくさんありますが、きっかけとなったのは雷獣の動画です。村上春樹を読んで、彼が野球観戦中に小説を書こうと思い立ったのと同じように(と言うとおこがましいか)俺も小説を書こうと思って、書いてみました。 それはそうと、この前バスに乗ってたらミサミサみたいな格好の人がいてかなりびっくりし