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娘の可能性を邪魔したくないから。母になってはじめた習い事。

子供の頃から経済的な理由と、親の個人的な価値観がネックで、「やってみたい習い事」はことごとくできなかった。

憧れの「バレエ」も、みんな行ってた「スイミング」や「くもん」も行けなかった。

代わりに、安くて、親の価値観に合致した(つまり慎ましく、派手でなく、何か目に見える効果がありそうな)ものーーー「そろばん(退職後のおじいちゃんがやってて安かった)」「お習字(お寺がやってて安かった)」「登山(市がやってて無料だった)」ーーーは習っていた。

私が習いごとをおねだりするとき、「そんなの習って何になるの」が親の口癖だった。

何かになるために、子供は習い事をするわけではないと今なら言えるけれど、当時の私には経済力もなく、言い返せる語彙力も足りなかった。

そんな私は母になり、やはりどう考えてもおかしな環境だったことだけはわかる。私は、自分の偏った価値観のせいで、娘の可能性を限定したくないし、自由な選択を尊重したい。

それが何に役立つかなんてどうだったよくて、彼女の「やりたい」がもしあるのなら、そんなに尊いことはないと思う。(もちろんやりたいことがなくても、それを尊重したい)

とはいえ娘はまだ1歳。まだまだ自分からこれをやりたい!と言ってくるようなこともなく、選択肢も限られる。

これが3歳以降になると一気に選択肢が増えるのだけど、だからといってフルで習えるものをすべてというわけにもいかない。

だからこそ、この今の時期こそチャンスだと私は考えている。

習い事の選択肢が少なかった私だから、どんな習い事が、どんな雰囲気で、何を感じられるのか、まったくイメージが湧いていないので、このタイミングで自分がまずは学ぼうと思っている。

すでにこれまでに、ベビースイミングの開始と共に、夜のスイミングのクラスに半年ほど通ったりはしたのだけど、娘の就寝時間が遅くなってきたことと、四泳法を一旦できるようになったので辞めて、4月からテニスをはじめた。

武道(空手)だけ高校の部活でやっていたのだけれど、球技は初挑戦。最初はラケットを持っているだけで疲れて筋肉痛になっていたけど、5ヶ月経つと余裕で持てるようになった。

当然超上手くなることはないだろうけど、コツコツ努力することである程度プレーできるようにはなりそうだ。ちなみにテニスのコーチたちの雰囲気って結構出会ったことのないタイプの人ばかりで、こういうリアルな感覚も学びになっている。

そして次は苦手意識のあるピアノや華道・茶道も検討している。私には絶対向いてなさそうなのだけど、だからこそやってみないと。すでに見学・体験は申し込んだので、あとは仕事とのバランスも調整しながら、なんとか実現したいところ。

こんなふうに、私は母になって、もう一度「習い事」に向き合い始めている。

あのときできなかったことを、次は自分の経済力と時間で実現できる喜びを感じながら、そして上手くなくても、仕事に繋がらなくても、ちょっとずつできることが増える喜びも味わっている。習い事ってやっぱり何歳になってもいいものだな。

わからないことや、やったことのないことを、そのままにせずに、まずは自分がやってみる。やってみてわかることがあるし、伝える時の言葉もきっと変わるから。娘の可能性を狭めないために、まずは私が、自分の視野を広げ続ける。育児に正解はないけれど、これだけは自分の中で守っていきたいことなのかもしれない。




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